今日は地蔵院のお話をさせてください。
(fmGIG「お昼にほっこりどーどすか」2023年11月16日放送)

なぜ、ここに行きたかったかと申しますと正寿院のように猪目窓があるんです。

猪の目というのはハート形の模様なのですが

「なぜハートなんだろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか?

実は、ハートではなくイノシシの目、つまり「猪目」と呼ばれる文様なのです。

字のごとくイノシシの目を意味しています。そして猪目は古来より魔除けのために使われているそうなんです。

「猪目」は獣である猪の目をモチーフにすることで、魔除けになっているという説があります。

確かに猪の迫力があれば魔除けにもなりそう。

日本では昔から「忌(い)むべきもの」や「恐ろしいもの」を祀ったり信仰したりすることで災いを免れようとする

変わった文化があります。

「タタリガミ」という言葉もありますが、災いが起こると「タタリ」と呼んで崇める(あがめる)ことで防災を祈る風習がありますよね。

災害の多い日本ならではの発想かもしれません。今では「学問の神」と呼ばれる菅原道真公や、

商売繁盛のご利益があるとされる恵比寿様なんかも元は不幸な人生から災いをもたらすと言われていた過去があります。

猪目にもそうした信仰のひとつがあるようで

恐ろしいものをまつり上げて、あえて縁起の良いものに変える!ということなのでしょう。

日本人ってめちゃくちゃポシティブです。

イノシシが魔除けの獣と言われてもハートの形の目なら、なんともかわいい獣ですね。

で、この猪の目窓は京都では宇治俵の正寿院がが有名ですが、地蔵院にもハートの窓があるんです。




 

あっ。ラジオダイアリーでも紹介させていただいたので過去の放送はYouTubeチャンネルをチェックしてみてください)

地蔵院の猪の目窓は正寿院とちがって、ぽっくりした形のハート型。

この窓の写真を撮りたくて行ったんですよね。

地蔵院は鈴虫寺のすぐ近くなので、鈴虫寺でお参りをした後に寄りました。

地蔵院は苔の絨毯に境内を覆う圧巻の竹林。

緑いっぱいでここは観光客も少なくて静かなので、ゆっくり過ごすにはおすすめです。

地蔵院を目的に行くとわかりにくい場所なのですが、鈴虫寺からはすぐなので目的地を鈴虫寺に設定してからを足を伸ばすことをおすすめします。





秋は地面に赤紅葉が敷き詰められ、
真っ赤になるそうです。
そんな時期にまた行きたいです。