桂離宮の方角にあるあの古本屋が、昨日はなんだか匂った。
大型チェーン系には珍しく、色褪せた昭和時代の百円本がある一角がある事を以前に確認していた。
一見してその一群は周囲の本とは違い、すでにセレクトされた状態で
何処かの大学教授などの持ち物だったのではと思う。
胸の高鳴りを抑えながら、一冊づつ目で追った。
やはり…
程なくして小林秀雄 『私の人生観』 昭和24年創元社発行 を発見した。
また時間ができたら読んでみたいと思っているが
「骨董」からいきなり始まる人生観には興味が募る。
『骨董は弄るものである、美術は鑑賞するするものである』
とは同感である。
本屋からの帰りには、周囲は真っ暗だった。
道路の段差を見落として、自転車をパンクさせたのは、私の人生を象徴する。
南西の裏鬼門は要注意。