1960年代末、まだ準備中だった頃の万博雑誌『日本万国博への手引き』を見つけた。
40年も経つとこういったものも手に入り易くなるものだ。
実は1970年の開幕期間中、一度も連れていってもらえなかった。
太陽の塔と月の石は未だ幻。
http://www.youtube.com/watch?v=Dd093bzwYnI&feature=related
Expo'70, the 1970 world's fair in Osaka, Japan
ある日、祖母が幼少の跡取り息子に言った。
『いつか吉沢京子のようなお嫁さんをもらってなぁ…』
それから何年か経った寒い冬のお昼時、これだと思った娘を部屋に上げた。
暫くして、階段をゆっくり登ってくる足音と共に、酒粕入りの味噌汁の匂いが満ちた。
軽いノックの音。
ドアを開けると、85歳の祖母が手料理を一杯のせたお盆を持って立っていた。
今も忘れえぬ感覚。