週末、ビデオの整理をしていて以前から気になっていたフィリピンの低予算Z級監督 エディ・ロメロ EDDIE ROMERO について調べる機会を得た。


10年以上前、深夜TV映画でやっていた 『セクシー・ソルジャーズ』 SAVAGE SISTERS (1974)を偶然観たことに端を発している訳だが、なんともいえない味わいの世界感はちょっとした衝撃だった。


http://www.youtube.com/watch?v=xcaqjZw7jXU  


ネットで真っ先にヒットする詳しすぎるHPによると、今まで気になっていたものが何だったのか解った。60~70年代には全米のドライブインシアターなどで公開されたエログロ映画、70年代初めにはグラインドハウスで公開されたブラックスプロイテーション(黒人向け低予算映画)の監督やプロデューサーを精力的にこなしたロメロにはもう一つの姿があった。元国会議員を父親に持ち、小津安二郎!!の影響を受け、2回のフィリピンアカデミー賞最優秀監督賞、5つの生涯功労賞をもとる国民的監督だったとは驚いた。A級映画も撮れるふり幅の大きいテクニシャンだったのだ。



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画像は手持ちのビデオ BLACK MAMA, WHITE MAMA (1971) プロデュースと監督をロメロが担当している豪華版。


http://www.youtube.com/watch?v=Z-xaqIoh2FU


結局のところ、フィリピンなどの下請けプロデューサーにロケ地選定から映画制作まで丸投げする手法も用いていた低予算映画の帝王ロジャー・コーマン【アメリカ】(1926~)とエディ・ロメロ【フィリピン】(1924~)の友好関係がその後輩筋のシリオ・H・サンチャゴ【フィリピン】(1936~2008)の成功?を生んだようだ。年齢分析からしてたぶん。因みにタランティーノもリスペクトするジャック・ヒル監督の1971年の傑作ブラックスプロイテーション THE BIG DOLLHOUSE ではその3人(他2人)がプロデューサーとして名を連ねている。冷静に考えてみると、同じような出演者に同じようなフィリピンのロケ地・・・ロメロもサンチャゴも同じ味わいなのは、さらにその下にさらに丸投げできる下請けが存在するのが実情だったのではないか。