基本的には配偶者か、2親等内の血族
保険の契約では、被保険者と契約者の関係により「自己の生命の保険契約」と「他人の生命の保険契約」とそれぞれ呼ばれます。「自己の生命の保険契約」とは、被保険者と契約者が同一の場合です。
「他人の生命の保険契約」とは、被保険者と契約者が別人である場合です。
「他人の生命の保険契約」の場合には、契約時に被保険者の同意が必要になり、同意が無ければ契約ができません。
この理由は、保険金目当てなどで被保険者が危険にさらされることのないようにするためです。
なお、商法では被保険者と受取人が同一である場合は同意は不要であると定められています。
しかし実際には被保険者が死亡した場合保険金が支払われてしまうため、この仕組みでは悪用されるおそれがあります。
そのためこの場合は、被保険者が保険加入申込書に自署・捺印をすることになっています。
また生存保険でも同意は不要とされます。
生存保険とは主に個人年金保険などのことで、生命保険より金銭的利益が小さい(払込保険料と受取保険金の差が小さい)ため、悪用されにくいとして同意が不要とされています。
ただ、上述した内容は”一般的に”家族間である場合です。
受取人については、主に配偶者か2親等内の血族となります。
2親等内の血族とは、祖父母・父母・兄弟姉妹・子・孫で、かつ血のつながりがある人を指します(ということにより、義理の父母・義兄弟・配偶者の子供(血のつながりのない)などはここに含まれません)。ただ、2親等内の血族に該当する方がいない場合は、保険会社によっては条件を緩和できることもあります。
では家族以外を受取人にする場合はどうなるのでしょうか。
他人(家族以外)も可能だが…
実は自分(契約者)を被保険者と同一にする場合は、受取人についての制約は法的には全くありません。本来は、仲の良い友達やお世話になった先生など、赤の他人を受取人にすることも契約者の自由なのです。
ただ現実的には保険会社がこれを許可して保険契約をするケースはほぼありません。
上で述べた理由と同じで、被保険者が危険にさらされる可能性があるためです。
契約者が受取人を誰にするかが自由であるのと同時に、保険会社が契約内容によっては申込を断る自由もあるのです。
どの契約でもそうですが、双方が納得して契約が締結されます。
ですので保険会社が認める受取人であるという条件も満たさなければいけません。
ただ家族同士のケースでも述べた通り、保険会社によっては条件を緩和できることもあります。
また昨今では家族としての在り方も変化しています。
婚姻関係のない内縁の関係やLGBTなどのケースがこれにあたります。
同居や生計を一にしている関係が2年以上という期間をボーダーラインとしていることが多く、保険会社が認めれば、受取人に指定できるケースもあるようです。
受取人の複数指定も可能
死亡保険金の受取人は複数の方を指名することもできます。死亡保険金というと相続も絡んでくる問題ですが、もし受取人が妻のみだった場合、妻が死亡保険金全額を受け取ることになります。
例え子供がいたとしても、死亡保険金の受取人が妻のみであれば、妻が全額受け取ります。
受取人の指定がなければ、法定割合分をそれぞれ受け取ります。
例えば妻と子二人の場合なら、妻が1/2、子①が1/4、子②が1/4となります。
もし受取人を複数指定したい場合は、「妻50%、長男25%、次男25%」といった風に指定します。
指定自体は複数人も可能ですが、実際の保険金の振込は代表者1名の口座に振り込むといった保険会社もあります。
これは保険会社によりますが、受取割合を揉めているときなどは注意が必要です。
また複数人指定にした場合は、受取人全員の保険金請求書や印鑑証明書などが必要になります。
これが完璧に揃うことがなければ、保険金が支払われることはありません。
このような手間が心配な方は、受取人を複数指定するのではなく、保険の契約を複数行うことで諸問題も回避できるでしょう。(2018/12/05)