私は普段、海外の犯罪ドキュメンタリーとかホラー映画を中心に見ている。
低予算で作られたホラー映画やサスペンスが思わぬヒット作になったりするのは、
やはり今の時代の流れを掴んだものだからだと思う。

大作で、お金をかけ、まして正義を
押し付けたりするものほど赤字になるらしい。

世の中が現実に戦争だらけで、綺麗事には興味のない若者が
こういう世界の映画に逃げるようにはまるのかもしれない。

私は何も、人が惨殺される様子が見たいのではない。
犯人の心理とか、どう計画したのか、どう逃げ切れるのか 時間を忘れてドキドキしたい。

しかし、夏に見たいのは断然『すいか』である。

事件は何も起こらない。
天日干しにした夏野菜をカレーにしたり
貯まった100円貯金でエアコンを買ったり
亡くなった姉妹の幽霊を見たり
スリッパのまま電車や大学に行ったり

主人公は小林聡美さんで、しがない信用金庫のOLという設定だ。
いいじゃん。何が不満?とか思っている私もいた。

支店長室はいつも電気がついているのに、
何で私らは30歳過ぎて、電気もつけられない部屋で弁当食べなきゃいけないの?
などの不満が募る。
節電のため電気をつけてはいけないので、会社から支給される弁当の具材もよく分からない。

太陽に透かしてみて、
「あ、カニカマだ」と安堵して食べる。

大きな声で蝉がなく。
小林聡美と小泉今日子の会話をかき消す程の勢いで。
紺色の女子高生みたいな制服を着て、眩しい昼休みを過ごす。

3億円をキョンキョンが盗むまでは、平穏な暮らしだった。
しかし、盗んでからの方が小林聡美は自我に気付く。

なんとなくーを生きていたこれまでの人生から抜け出そうとあがく。
でも簡単には抜け出せない。
それは、みな同じである。
ハピネス三茶の住人も悩みはある。
管理人の市川実日子さんも、エロ漫画家のともさかりえさんも、大学教授の浅岡ルリ子さんも。

刑事でやり手の片桐はいりさんですら。

私は最後に、教授が出ていく時のシーンが好き。

単行本や文庫本をビニール紐できっちり縛って、パーッと窓を開け放す。
みんなは別れを惜しんでしくしく泣いているけれど 教授は笑って言う。

「いいわよね?なーんにもないって。ね?」

清々しいシーンだ。
また、今年もDVDで見よう。

ひとつだけ解せないのが、三軒茶屋のあの川でビールが冷えるのかということ。
あれだけはね、冷蔵庫に入れて欲しかったですねニコニコ