山奥での新婚生活は、隣近所や夫の会社の上下関係が厳しく  私は萎えた。 

他人の悪口合戦や、今いうマウント取りばかりで萎えた。

私の実家も田舎だったけど、ここは田舎率99%の由々しき田舎だ。

観光客には優しいけれど移住者には厳しい。

田舎アルアルだけど、私にはナシナシ!!


ナシナシ、と思うと抵抗力とか反発力もなくなってしまう性格。柔軟性もなくなる。

道端の猫のあごをかいて喜ぶ、子供を持たないおかしな28歳の女と見られていたかも。


ちなみに夫は人間です。

本当に。

夫は朝は目覚まし時計がなくても7時前には起きているし、酒も煙草も夜更かしもしない。

よく食べ、よく寝る。夢の中でも笑っている人だ。

大きなイビキをかいていると思ったらガバっと起きて

「どうした?!声がした!大丈夫?」と聞いてくるような人である。ハイハイ、寝なさいよ。


父が危篤となり、実家へ帰る。何もかもが上出来な3歳上の姉が取り仕切る。

母は私が幼い頃に家を出ていき、姉が私の面倒を見てくれていた。

姉の腕には1歳の男の子が抱かれ、ニヤニヤと私を見ている。

そう。

後にこやつの(こやつと下の弟も)弁当作りや遠足のお菓子買いや参観日や運動会や塾の送り迎えまでもする事になろうとは思いもせず!ニコニコ


私が35%くらいは育てたらであろう、こやつ等は立派に成人しました。

大学生になり、バイトもし、ニヤニヤと20代を過ごしている。


君たち、花の20代だな。(あと9年しかないぞ!)

ウカウカしてらんねーぞ、と謎のサインを送る。


私には子供がいない事を、うっすらと忘れさせてくれる尊い甥っ子たちである。


続く       かも。