16年間、

ほぼ毎日、1日2.3回、過食嘔吐をしていた。


右手の薬指の表面には歯形と吐きだこ。

そして、顔は、りすのように唾液腺がはれていた。


吐きだこは、たまに流血するもそれほど目立たなかったが、

唾液腺の腫れは、会う人会う人に指摘されるほどだった。


しかも、ステージに立つ仕事をしていたため、

お客さんから、

「また太った?」

と言われてばかり。

体重は変わらなくても、顔が下膨れに腫れるので、

人から見れば、

「また太った?」

になるのだ。


ステージに立つ仕事だと、

写真を撮られている事が多く、

SNSにあげられた自分の写真を見てしまうと、

本当に落ちこんだ。


たまに吐かない日があると、

次の日は驚くほど顔がすっきりしていて、

その時は

「痩せた?」

と言われた。


摂食障害を抱えながら、

見た目を気にしなくてはいけない仕事をする事。

これは本当にストレスだったし、

できれば避けた方がいいとも思った。


でも、私の奏でる音楽が必要とされていることは、

唯一、自分を褒めてあげられるところだったし、

やりがいも感じていた。

だから、続けた。


過食嘔吐が完治して5年がたち、

吐きだこはもう消えて

顔もふた周りくらい小さくなった。


加齢でさらに顔がこけてきた自分を見て、

あの頃の自分をなつかしく思った。


よく生きていたね。

ありがとうって。

毎日毎日思います。



吐きだこがなくなった手を使い、

今日お仕事で作った料理。




ママとボクのハヤシライス。

どうぞ、召し上がれ。