能登の七尾という所に、一人のおばあさんがいました。
おばあさんはいつもの通り畑仕事をしていると、林の奥から狸が現れたそうな・・・
狸の子は久しぶりにみる人間に尾っぽを振りながら一目散に駆け寄ってきました
(能登弁で・・・)
「あっれ~なんとまぁ~かわらしい狸の子やぁ! しっかし何とハラ(胴)の長い子なんやろ」
「おまん(お前)こんなとこにおったら人に捕まってしも~(しまう)さけ 早う山に帰えらんか~」
しかし狸の子は全然離れようとしません・・・それどころか一層すり寄ってきます(それは温もりを求めるかのように・・・)
そこへたまたま通りかかった女性が・・・
「ばあちゃん、そりゃ狸やの~て(なくて) イン(犬)やぞいね!!」
「は! イン(犬)!! わたしゃ~(私)は」こんなイン(犬)初めて見たぞいね」
おばあさんはその子を家に連れて帰り、保健所や警察署に連絡をし飼い主探すこととなりました
しかし幾日が経っても飼い主は現れません・・・
既にばあちゃんの家には「小鉄」というシーズーがいましたが、優しいおばあさんは狸をいやMダックスを引き取ることにしました。
小夏というかわいいい名前もつけてもらい、6年の幸せな歳月が過ぎたそうな・・・
一見、小夏のたびは終わったように思えましたが、まだそこが終着点ではありませんでした
おばあさんが病に倒れたのです!!
病院で毎日小夏のことを案ずる姿に 娘も孫も「何とかしたい」と思いますが、残念なことに娘さん(以降はお母さんと書きます)は動物アレルギーだったのです
そこでお孫さんは(以降は娘と書きます)ネットの「ペットのおうち」に里親の募集をしたのです (下記抜粋)
募集がUPされた時から時々見に行っていたのですが、全然応募が来ない・・・(こんなに美人さんなのに)
6月20日に応募し、7月5日に初めてワンコどうしのお見合いをしました
(アレルギーにも関わらずお母さんが車を運転して娘と小夏を連れて来てくれました)
最初は警戒して他の子たちに吠えていましたが・・・時とともに打ち解け一緒にドックラン(境内の庭)を楽しそうに走り回っていました(ダックス8ワンの放牧状態はす・すごい!)
この日から小夏はうちの子になったのです
生まれたところも生年月日もわからないので、この日(7月5日)を誕生日としました
年齢は?(獣医さん曰く、7~8歳くらいで出産歴ありとの事)
君は何処から来たの?
なぜ七尾の里山の畑にいたの?
答えは簡単でした (教えて頂いたのですが・・・)
悪徳ブリーダーが子供を産ませ授乳期が終わると親犬を捨ててしまう・・・こんなことが平然と行われているのが現実です!!!
命は誰のものか?
「いのちは傷つけたり、奪ったりするもののためではなく、慈しみ育むものの為にある」のだと・・・
小夏の旅はもう終わったのですが、物語は今始まったばかりです。
追伸
「涙の数だけつよくなれるよ」と言う歌がありましたがきっと「涙の数だけ優しくなれる」のだと思います
良き母をしてくれたクーと過ごした時間は僅か一ヵ月でしたが・・・
いま小夏はかつてクーがしていた事をみんなにしています(ひとりひとりの顔を舐め、時には厳しく窘めています)
身はいつかは滅んでいきます
しかし、教えや温もりは受け継ぐものがいる限り永遠に生き続けるのでしょう・・・・・・