母の思い出 | オンライン証券社長のblog

母の思い出

わたしは幼い頃、祖母によく可愛がられた。


子供の頃、単純に、

祖母と相性が良かったから、

という程度に考えていたが、

しばらくすると、

そこに母の知恵が働いていた

ことに気付いた。


たとえば、足腰が弱った祖母が

家まで遊びに来た折に、

よくバス停まで送っていったのだが

その道のりにある階段を上る時、

よく祖母を後押ししたものだ。


これは美談ではない。

バス停まで行くと、祖母は必ず

お小遣いを300円くれる。

そのお小遣い欲しさから

続けていたのだった。

多感な時期に、老母のお尻を

後押しするのは少し恥ずかしい

想いもあったが、

この時ばかりは

不純な動機でも

続けていて良かったと思う。


祖母が亡くなった後、

母が教えてくれた。


一度、祖母が後押しするわたしに

3000円位お小遣いをあげようか、

と申し出たことがあったそうだ。


そこで母が、

それなら、1度に3000円くれるのではなく、

毎回300円ずつあげて下さい、

と頼んだそうである。


そんなに少なくても良いの?と

訝しがる祖母に母は説明した。


1度3000円あげてしまうと

次回ももらえると期待してしまう。

さすがに毎回、見送りに来る度に

3000円はあげられない。

すると、前回と同じ金額を期待して

見送りに来て、それだけ

もらえなかった時に

すごく失望してしまう。

それだったら、

毎回必ず300円あげた方が

子供は喜ぶもの。


わたしは、母の知恵に

上手いこと利用されたのだが、

毎回300円を楽しみに

喜んで後押しするわたしと

300円位で申し訳ないと

有難がる祖母の

両者が幸せな気持ちになれる

母の知恵は素晴らしいなと思った。


同じ金額のお金を扱うにも、

使い方によっては、双方の間で

反感を生むこともあれば、

幸せな感情を生む事もある。


お客様とわたし達双方が

幸せになれる関係を築くには

どうすれば良いか、と考える時、

こんな母の知恵が必要だと思う。


そんな母も20年前に亡くなった。

明日は母の命日。


今日のブログは

亡くなった母に捧げたい。


お母さん、ありがとう。