アナウンサー試験を受けるために。その1 | 舩山陽司アナウンサーの『障害戦で激アナ予想』

アナウンサー試験を受けるために。その1

 私は現在38歳。


 転職はしているが、大学を卒業してから一貫してアナウンサーとして仕事をしているので、アナウンサー生活16年目になる。まだまだ学ぶべきことは多く、若手のつもりでいたのだが、いつの間にか中堅になってしまった。


 出来れば生涯現役で頑張るつもりだが、そろそろ後輩に教えることも考えなければいけないと、漠然と考える様になってきた。そこで、自分の考えを整理する意味でも、暫く「アナウンサー試験を受けるために」と題して、これからアナウンサー受験をする学生向けに平日限定でブログを更新したいと思う。


 さて、15年余りのアナウンサー生活で、多くの先輩、同期、後輩と付き合い、面接を通じて数多くの学生を見てきて強く感じている事がある。それは、生き残っている、勝ち残っているアナウンサーには共通点があると言う事だ。


 それは「発声の基礎が出来ている」と言うことだ。



 アナウンサーだから発声の基礎が出来て当たり前との感想を抱く人が多いと思うが、「アナウンサーだから発声の基礎が出来ている」訳ではなく、「意識して発声練習をしているから基礎が出来ている」が正しい。

 せっかくアナウンサーとして就職したのに、発声練習を疎かにしてしまったために、他の職種に移動になった人を何人も知っている。どんなに中身のある話をしても、声が汚かったり、明瞭な音を出せなければ、何も伝わらなくなってしまう。アナウンサーとして現場で仕事をしている内に、ある程度の声にはなってくるが、やはり大事なのは「発声練習」だと思う。


 では、アナウンサー試験を受ける学生はどうだろうか。他の人は知らないが、私は学生に対し、完璧な発声も、高いアナウンス技術も求めていない。そんなものは訓練でどうにかなるからだ。だからと言って発声練習をしていない学生は認めない。アナウンサーとして受けるからには、アナウンサーになろうと努力して欲しい。その努力の証拠の一つが「発声練習」だと考えているからだ。


 単なる憧れではなく、目標として考えているなら、しっかりと準備をするべきだし、準備をしている人間は、提出書類の出来も違う。



  発声練習をしているかどうかは、喋りを聴けば分かるので、誤魔化しは効かない。レベル云々ではなく、努力しているところを見せられるかが大事だと考えてもらいたい。


 努力の跡をどう見せるか。その辺りの事は、いずれまた書きたいと思う。