いつのまにか

セミの鳴き声が消え、

代わりに

カネタタキの「ティンティン」という

慎ましい音が

あちこちで聞こえる季節と

なっていました。

 

当哲学カフェは

やはり、しばらく開催しません。

 

あまりに暑かったせいで、

涼しくなってきたにもかかわらず、

身体も不調続きです。

 

それでも本を読むことだけは

やめられず、

この春から夏にかけて

いろいろおもしろい本に

出会いました。

 

たとえば

山口尚『人が人を罰するということ

――自由と責任の哲学入門』(ちくま新書、2023)。

 

ただし、ここで紹介したいのは、

本書で紹介されていた

フェルディナント・フォン・シーラッハ

という人の小説です。

 

「刑事訴訟手続きに関わる書類を書くのが仕事」で

短編集『犯罪』を出すころまでに

700を超える事件で弁護してきた

とのこと。

 

小説を書く

刑事訴訟専門の弁護士さん

ということです。

 

シーラッハは

言います。

 

われわれはみな

薄氷の上で踊っている。

薄氷は簡単に割れてしまう。

氷の下は冷たい水。

落ちればすぐに

死んでしまう。

 

氷は多くの人を持ちこたえられず、

割れてしまう。

 

その割れる瞬間に

シーラッハは関心があり、

それを物語にしてきた

とのことです。

 

短編集の『犯罪』『刑罰』『罪悪』

から始めて、

長編の『禁忌』『コリーニ事件』

などなど、

しばらくシーラッハ漬けでした。

 

すべて、創元推理文庫

から出ていますが、

推理小説というより

哲学小説とか倫理学小説

と呼びたくなります。

 

山口さんの『人が人を罰するということ』も

十分おもしろかったです。

 

付け足しみたいで

すみません。