その他、顎顔面の骨格的異常を伴う各種症候群や疾患に該当するお子さんの場合(つづき)
- 唇顎口蓋裂
- ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- 鎖骨頭蓋骨異形成
- トリーチャ・コリンズ症候群
- ピエール・ロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセル・シルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- 顔面半側萎縮症
- 先天性ミオパチー
- 筋ジストロフィー
- 脊髄性筋委縮症
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァンクレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- ・・・・・・・・・・・61.その他顎・口腔の先天異常」まで相談・検査・治療まで保険適用可能なケースはたくさんあります。
7.ラッセル・シルバー症候群
年間で3万から10万出生に一人との報告があります「シルバーラッセル症候群」は、在胎週数に比較して出生時の体格が小さく (SGA) 、出生後も続く成長障害、哺乳不良、体の左右非対称、体に比べて大きい頭、額がでているなどの特徴を持つ症候群で、SGA性低身長を来す代表的な疾患です。
8.ターナー症候群
ターナー症候群は、女児が2本のX染色体の片方が部分的または完全に欠失した状態で生まれてくる性染色体異常です。 ターナー症候群は、2本のX染色体のうち1本の一部または全体の欠失によって引き起こされます。
この症候群の女児は、典型的には身長が低く、首の後ろに皮膚のたるみがあり、学習障害がみられ、思春期が始まりません。
9.ベックウィズ・ヴィーデマン症候群
ベックウィズ・ヴィーデマン症候群は臍帯ヘルニア(Exomphalos)、巨舌(Macroglossia)、巨体(Giantism)を3主徴とし、体のいろいろな部分に症状が見られる先天性の成長障害です。これらの症状の頭文字を併せてEMG症候群とも呼ばれます。
巨舌は、舌が口腔内に収まり切らない場合には、哺乳障害や咬合障害(上下の歯の噛み合わせの障害)につながることがあり、そのような場合には舌を縮小する手術が必要となる場合があります。
よく見られる症状:耳たぶの形態異常(線状の溝など)、顔面中部(頬、上顎、眼窩下縁など)の形態異常、早期骨格成熟、片側肥大、粗な顔立ち(皮膚や皮下組織の厚さによる眉、鼻、唇、口、顎などの輪郭が不明瞭な顔立ち)、巨舌、下顎突出、色素性母斑、肥満、大きい後頭部、眼球突出、たるんだ皮膚、大きな口、等々
10.顔面半側萎縮症
本症は顔面の三叉神経領域を中心として、顔面片側の皮膚、軟部及び骨組織が進行性に萎縮する原因不明の疾患です。通常は幼少児から若年者の女性に多く発症し、数年以上かけて病状は停止します。 皮膚症状、神経症状、眼症状、口腔症状などを様々な程度で合併することが多く、重症度も個体差が大きいです。
原因
血中抗核抗体高値あるいは限局性強皮症に類似することがあるので、自己免疫疾患との仮説があります。また、常染色体優性遺伝の症例も報告されていますが、異論も多いです。更に、外傷や感染などによる末梢交感神経の異常説、脳神経堤細胞の移動障害説、細胞性の慢性炎症による血管障害説などがありますが、未だ原因は不明です。
臨床症状
顔面片側の側頭~頬筋近傍から発症することが多く、皮膚とその直下の皮下組織、筋肉、軟骨、骨などが徐々に委縮して周囲に拡大します。症状が進行すると、患側の口角や外鼻が偏位しはじめ、さらに患側の上顎、眼、耳介、頚部にまで病変が波及します。
時に、前頭部から症状が初発して、頭部の脱毛、線状の陥凹性皮膚委縮を呈して、徐々に中顔面に症状が拡大してくることがあり、剣創状強皮症 (coup de sabre)との鑑別が難しい場合もあります。
半角60000文字数の限界を超えたため、以降は今後追加していきます。
学校歯科検診でチェックが入って一般歯科に来院されるお子さんの中には
全身的な問題を抱えているお子さんも稀にお越しになられることを十分理解しておきたいものです。