こんにちは。

皆さん、ご無沙汰しております。

この度、久々に歯科の保険診療の内容が大きく変化します!

 

今回の改定に名前をつけるならば「自費ツブシ」とでも命名しましょうか。

 

今まではず~~と、4月に保険の改定があったのですが、

今回は改定の現場の準備がとても大変だからか?

6月1日からの大改訂になりました。

 

2カ月も遅れるなんて、

その改定の影響力の大きさ、何だか恐ろしいですよね。

とはいえ、きっと多くの患者さんにとっては朗報なのではないかと思いますよ。

 

1.まず、白物治療と言われていたハイブリッドレジン系のCAD/CAMものでの治療が

材料業界ではずっと囁かれていたのですが、

大臼歯のしかも最後臼歯までが保険で適用可能になりました

(一部例外もあるのでおかかりの歯科医にご確認ください)

 

ハイブリッドレジンとはレジン(樹脂)にたくさんのセラミックの粉を練り込んで工場で固めて作ってあるブロックを

技工所の専用機械で削り出して作るもの(CAD/CAM)です。

ちょっと前までこれを都会の歯科医院ではセラミックと言って提供していたりしたその代物です。

セラミックの粉の含有率は結構高くなっていますから

安直な歯科医院ではハイブリッドセラミックをセラミックに分類して高額に自費で提供していたりしたので

まず、これがほぼ全て保険適用で可能になります

もちろん、セラミックにはかなりの種類とグレードがありますから

ハイブリッドセラミックでも自費専用のものもあります(日本の保険適用を取ってないもの)。

さらにセラミックの上位クラスにはe.maxなどの多種多様のガラスセラミックや

多種多様の超硬いジルコニアから多少硬めのジルコニアまでなど、

材料もですが、

その作り方も多種多様で、

天然歯にそっくりに見えるようにするために匠の技をもつ高級セラミスト(セラミック作製に命を燃やす技工士)

に作ってもらうとなると技工代だけで数万円かかってしまうという超ハイグレードのものまでピンからキリ。

とてもとても幅広くありますから上を見ればキリがないわけなのですが、

とりあえず最低限の、単に工場で作られたブロックから機械で削り出したものをツルツルっと磨いただけの

白い冠や白いインレーやアンレーがほぼ全部保険適用で可能
素晴らしい時代が到来です。

 

2.光学スキャナーでの型どりが一部保険適用に!!

6月1日から光学スキャナーでの型どりが保険適用になりました。

とはいえ、こちらはまだCADインレーに限定されています。

インレーと言えば、保険診療では隣接面虫歯の治療には欠かせないものですが、

実は光学スキャナーの2級インレーの精密な型どりは非常に難しく
光学スキャナーで精密に型どりできる程度の2級窩洞なんだったら(2級窩洞のグレードも多種多様なのでね)

レジンで詰めればいいんじゃない?って思っちゃう歯科医も大勢いると思いますが、

そんな細かい難易度とかはお役所にはわからないでしょうし、

歯科医も業界関係者もそれをわかってもらう必要もさらさらないと(メリットがない)と考えたんだと思います。

とりあえず光学スキャナーが一部保険適用に入ったという事が大切なのでしょう。

製造業も儲かりますし、輸入業者も儲かりますし、販売業者も儲かりますし、材料屋も儲かりますし、

導入した歯科医院ももしかしたら役だったな~今回の保険改正はと考えてくれるかもしれませんし、

技工所もやっぱり時代の流れにはこれ以上逆らえないな~~とデジタル化を推進せざるをえないでしょう。

とりあえず、経済活動に貢献しますからそういうのは政府はどんどん推進するのでしょうね。

ついに、ずーっとそろそろでは?そろそろでは?と言われ続けていた

光学スキャナーでの型どりが一部保険適用に入りました

型採りでオエ~~~って気持ち悪くなっていたお口の中に何かが入ると窒息しそうになる鼻口腔機能が低い過敏患者さんには

光学スキャナー保険適用は一筋の光なのではないでしょうか?
大きな深い歯茎の下にまで進んだような虫歯では上手く型どりしてもらえることは期待薄でしょうから

とにかく早めに歯科医院に行ったほうがよいですよ

虫歯は早期発見早期治療、その後メンテナンス予防管理がとっても重要ですからね。

奥歯の深い虫歯を遅くなって発見とかはどんな治療でも治療難易度は爆上がってますから

とにかく定期的に歯科医院を受診して疑いがあればレントゲン撮影を拒まず

早期発見早期治療を受けられるように自分で自分の環境を整えておくことは

光学印象に限らず何につけても大切ですね。

 

3.PMTCが保険適用に!!しかも、毎月可能に!

そもそも、自費のPMTCと保険の機械的歯面研磨の何がどう違うんだ?

問題というのが以前からあったと思いますが、

保険の赤本に保険の機械的歯面研磨は歯面研磨剤を用いて汚れがついた歯面を綺麗に磨きあげる事と

明記されていますから1時間1万~~で自費で丁寧におこなっていようがいなかろうが

それ、保険適用の内容と変わりませんから。

保険診療で1時間枠で丁寧にしてもらえるところに行けば保険適用です。

歯科医院には3000円程度の自己負担額を支払うだけですし

保険適用のほうが細かい保険のルールにのっとって

きちんと画像管理もしてくれるでしょうし、

紙出し費用を支払えば(加算点数がある)どこが汚れていて磨き残しがあるのか?記載された紙を出してもくれるでしょう。

 

そもそも、歯科衛生士実地指導というものを算定されている際(80点)に

きちんと歯垢染色液を使って歯垢を染め出してくれているのか?

あなたにも見えない歯垢を歯科衛生士なら隅々まで見えるのか?って問題がありますから

きちんと毎回歯垢染色液で歯垢を赤くあるいは2色で染め出してもらい

その色を歯科衛生士の高い技術力で(技術が低いなら通院する必要性も疑問になる)

きちんと隅々まで磨き上げてくれているのか?

色を付けないとわかりませんからね。

歯科医院できちんと隅々まで歯面を磨き上げてもらうと

歯面は本当に信じられないくらいツルツルピカピカに輝いて

お口爽やか~息爽やか~になりますよ。

舌で触ったときの感覚も非常にスムーズで

ヌルヌルがない新品のお風呂に入ったような感覚に!

石鹸カスや脂汚れ細菌汚れカビ汚れなどでヌルヌルしているお風呂場って気持ち悪くないですか?

一旦歯科医院でリセットしましょうよ。

機械的歯面研磨は歯科衛生士の匠の技の結晶です。

それを保険診療で毎月受けられるなんて幸せすぎですよね!!

歯科医院には定期的に行って

お口の汚れと細菌叢の悪化を防いでもらいましょう。

 

子どもならば30分枠の短時間でも可能でしょうが、

複雑化した大人の歯の場合、特に歯周病が進んだり元々歯冠長が長いやせ型脆弱なお顔の人、

すでにたくさんの修復物があったり、欠損歯があるような人の場合、

お口の中の凸凹はかなり複雑化していますから

綺麗にしてもらうには結構な時間を要します。

大抵1時間枠は必要でしょう。

それを15分枠でグルグルぶんぶんブンまわずのが保険診療ですと割り切って歯科医院を運営しているところも

沢山ありますが、

もうそういう時代ではありませんから(周囲に歯科医院がほとんどないため治療枠の方が優先順位が高くメンテナンスに時間枠を割けないという歯科医院も世の中にあっておかしくないが、それはそれが地域の歯科需要なので保険診療枠をどう運用するか?は各歯科医院の院長の責任ですね)

きっとあなたの周りにも複雑化してしまったお口の状況に応じて必要であればちゃんと1時間枠を確保して

保険診療で染め出した歯垢の隅々まできちんと汚れを磨き上げてくれる歯科医院はいくつかあるはずですね。

そういう歯科医院をかかりつけ歯科医院に持てれば最高の幸せでしょう!!

 

当院は、
大人の方のメンテナンス枠は保険診療で1時間の予約枠でずっと行っていましたから、

この度、機械的歯面研磨にきちんと保険点数がついて歯科衛生士さんの丁寧な仕事がちゃんと評価されるようになり

よかったな~と思っています。

 

次につづく・・・・・