岡山大学の小児歯科に長く在籍されていた

岡崎 好秀先生

SNSでも様々な情報を発信されていて

その一つに

CamCamの考案者である吉原正彦先生の本をお勧めする内容が流れてきたので、

お勧めに乗って今回購入して読んでみました。

 

吉原正彦先生は、1941年生まれの大阪歯科大学卒の小児歯科医のようです。

大阪歯科大学や小児歯科では著名な歯科医だったのだと想像します。
1960年代から予防歯科を推進されていたという慧眼の持ち主。

当時の子どもたちと言えば

虫歯の洪水時代

お歯黒状態が当然という時代背景。
What is Baby Bottle Decay | Infant Tooth Care | Hastings Family Dental

小児歯科というものもなく(標榜不可能)、

大人も歯が痛くなったら抜歯して入れ歯の選択が当たり前、

乳幼児などが歯科医院に来ようものなら治療すれば泣きわめく為に
大人の治療だけで疲弊していた歯科医達によって

お歯黒にする薬(サホライド)を塗られて、ハイ終わり。

歯科衛生士の国家資格は存在したが

そんな役に立たない人を雇用するより

近所のおばちゃんやお姉ちゃんを助手さんとして雇ったほうが

よほど役に立つという意識のほうが強く

ロクに歯やお口の健康や発育について系統立てて習った事もない女の人が
歯科医院で歯は削るわ、薬は塗るわ変えるわ、入れ歯は調整するわ、詰め物は詰めるわ、
歯科医の指示に従ってなんでも見様見真似だけでどんどんこなしていた

そういう日本の近代歯科黎明期の無法状態に近いような時代。

歯科医院も数が少なかった為(学費が高い私立が主だったためお金がないと歯科医になれなかった為歯科医師数も少なかった)

1日100人くらいの人が歯科医院の外にまで行列を作って

朝もらいに行った順番札を握りしめて治療の順番が来るのを待っていて

日本国民のほとんどがロクな治療も受けられなかったというようなそんな時代。

そんな時代に、

予防歯科に早くから取り組んでおられたというのですから

時代の1歩も2歩も100歩も先を行っておられた歯科医の方です。
今は、小児口腔機能獲得不全症が保険病名になり

歯科衛生士さんが歯科では大活躍。
世の中は皆予防歯科、予防矯正、矯正歯科、小児歯科へどこの歯科医院もどんどん移行していっていて

政府もかかりつけ強化型歯科診療所の仕組みつくりに向かい

虫歯もCe(エナメル質初期虫歯)の段階から保険で管理できる時代にシフトしていっています。

隔世の感があります。

 

その先生が

昭和時代に本を書かれていて

その本が今でも読めるくらいでとても内容がよく

時代背景は大きく異なって来ていますし、

歯科自体が大きく進歩していますから

合わない内容も少しありますが、

健康な歯の根本をついた内容が書かれていますから

少しご紹介しておきたいと思います。

 

もちろん、

本を購入していただき

読んでいただくのがよいと思いますが、

残念ながらすでに絶版本です。

 

 

750円の本が評価が高く12000円越えです。

 

 

中古市場を探せば安いものもありそうです。
 

内容は、
「母乳は、口の周りの筋肉を発達させ、乳歯の歯並びを綺麗にする
赤ちゃんからのサインを見のがさず、歯が生える前からものを咬ませる

幼児期にしっかりかむと、あごが発達して、きれいな歯並びやかみ合わせをつくる

手と口を動かす歯磨きの動作は、大脳の発達も促す

よくかむ子は頭がよくなり、性格も明るくなる」

 

これを読んで(・へ・)ムカッとすぐになられたお母さんも

多くおられるでしょう。

何?今どき母乳育児~~~~~???!!!

とね。

 

母乳育児と言えばその神様、

岡山の国立病院で永年小児科をされていた山内逸郎先生を

思い出す方がどれくらいおられるでしょうか?

ネット社会になるず~っと以前の偉人の業績の数々は、

なかなか検索してもたどり着けない時代になって参りましたね。。。。

 


今の時代、母乳育児がよいのは相変わらずでしょうが、
医学も歯学も進化していますから

初乳はちゃんと吸わしていただき

その後、入院中くらいは母乳を頑張って飲ませていただき

日常生活に帰られましたら

出来れば母乳で、できなければ無理せず人工乳でもよいので

ご夫婦で四苦八苦しつつ育児放棄せずに愛情をはぐくみながら気長に子育てに取り組んでいただければ

大変ありがたいと思いますと思うような時代になって参りました。

 

愛の形は色々で無理がたたらず

育児鬱にならないようにしていただきたいと思います。

そりゃ~、よい事はよい事で皆わかってますが。。。

時代も多きく変わりました。

 

 

<まえがき>

「年々かわいらしくなっている子どもたち。

でも、小学生の高学年ごろから、りっぱでたくましくなる男の子や、美しくやさしくなる女の子と、

無気力でボンヤリしたり、突然奇声を上げたりする子どもとの

二派に分かれていくようです。

この二派に分かれた子どもたちの顔写真を見くらべてみると、

明らかに顔立ちが違っているのです。

私は、小児歯科医として約20年間、多くの子どもたちに接してきましたが、

一人一人の子どもの口や歯は、その子の育ってきた過程を忠実にあらわしており、

また、顔立ちを決めるたいせつな要素になっていると感じます。」

 

そうだ!そうだ!!

 

まったくその通り!!!

と、今の小児歯科医も歯科医も多くがこの内容に賛同するでしょう。

 

無気力でボンヤリしたり、突然奇声を上げたりする子ども

こういう子どもに育てないように予防してあげる

または、

こういう子どもに育ったのを多少だけど

何とかしてあげるのが

最近の予防歯科の方向性になっています。

 

近年は歯科医師数が多すぎるんじゃないの?

というほど歯科医が増えてきていますし、

国立大学の歯学部が量産されて

医学部には行けないけど歯学部には余裕でいつでも入れるという

非常に頭のよい青年たちが多数歯科医師になり

借金して歯科医院を開業するのではなく

歯科の学問的なエビデンスを積み上げる事を担当したり

歯科医としてではなく様々な海外からの情報を入手したりしつつ

歯科医や歯科医療スタッフからに色々教えて収益を得る人達が次から次へと出てくるまでに

日本の歯科もどんどん進化し変化し続けて参りました。

 

今の日本の歯科の潮流は

乳歯にさえ虫歯を作らせない

ましてや永久歯になんて!

酸蝕のかけらもなく、

修復治療の痕跡すらなく

歯並びも成長期後半にはもうすっかり綺麗になっていて

目もパッチリ活き活きと輝いていて

スマイルなんてハリウッドスターの子役か?くらいの勢いで

キラキラ活き活きとした眼力があり

口元はキリリと引き締まっていて

いかにも頭がよく回っていますという顔をしていて

いびきはかかずに上を向いて熟睡し、

オネショやゴロゴロ転がりまわって寝返りをうつ寝つきも寝起きも悪く

日中、集中して何かをしないといけない時間に

何故か頭がグラグラして寝入ってしまうという事などほぼなく、

活動的にいきいきと動き

その動きは統合的で流れるような動きで

気持ちも常に明るく前向き

食事も偏らず給食時間に十分に残さず食べ、

食後は学校で歯磨きをし間食を好まない・・・

という子がどんどん増えてきていますが、

それはそう、多くの歯科医や歯科医療スタッフたちの頑張りのお蔭でしょう!!!

昭和57年。1982年。
この本が書かれた当時の大阪府全体の3歳児の虫歯は53%もあったそうです。

2人に1人の3歳児が虫歯。

そういう時代に著者が活躍していた大阪府箕面市は

他所と比較して全体的に知的レベルが高い人が住むと言われていたそうです。

箕面市は当時、3歳児検診での虫歯罹患率が低いと有名で、それでも30.5%だったそうです。

更に箕面市の予防歯科センター管理の登録者に限定するともっと低く18.6%だったのだそうです。

昭和の時代では50年代後半でも3歳児の虫歯が10%というのは

大変驚くべき低さで、世界的な低率だと言われていたようです。

 

時代が進んで

令和はどうでしょう?

当時53%約半数の3歳児に虫歯のチェックが入っていた大阪府が

令和2年は14.02%
最も低い東京都では僅か7.18%
我が岡山でも12.12%!!!!!!!

 

これ、凄くないですか!!??

本当に日本の歯科は優秀ですよね!!!

3歳児に虫歯があると今や幼児虐待やネグレクト、育児放棄を疑ってみるまでになっているのです。

激変しましたよね。

驚きでしょう!!

 

 

これが、日本の歯科が成し遂げてきたことなのです!!

音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜

 

凄くないですか!!

凄いでしょう!!!

乳歯虫歯根絶まであともう一息!!

2021年 令和3年における所得金額が200万円未満の世帯は全体の18.5%

 

生活に経済的余裕がある無しに関わらず、

虫歯になる子はどんどんいなくなってきているのです。

 

 

日本の底上げに成功した日本の歯科って

本当に凄いですよね!!!

 

じゃあ、次は何?

 

って事ですよね。

 

次に来ているのが、

予防矯正です。

小学生の成長期にさっさと

よい顔と、よい口元と、よい歯並びを獲得させておき

世界に通用するGOODスマイルで

パフォーマンスの高い子ども→大人で日本が満たされていくことですよ!!

 

Baby Teeth – Magic Dental Care

 

BIG SMILE fusionwrap.ca

小さい頃から虫歯無し!
歯磨き上手!

ビッグスマイルで真っ白で健康な歯!

一生困らず寝たきりにならず美味しく食べ、楽しく笑い、お喋りし、

頑丈な身体で前向きな精神、明るい笑顔。

臭くない息で常に清潔なお口の中!

 

 

こういう人たちが溢れかえる日本に

これからはどんどん近づいていきます。

 

???????

うちの子は大丈夫???

自分は・・・・・・汗

って不安に感じた、そこのあなた!!!

 

温故知新、多少昭和レトロな内容になりますが、

この本を読むことから

まず始ませんか?

 

目次

第一章 環境、知性が子どもの歯を育てる

オシャレにお金をかけても、衛生費に無関心なレディーたち

知的なお母さんは、わが子の歯への関心も高い

わが国でも一般的になってきた小児歯科

子どもの歯を見ると「生まれ」や「育ち」がわかる

甘いものと甘やかしが虫歯のもと

細くてスマートになってきた現代っ子たちの顔

虫歯は減ったが歯並びの悪い子が増えている

食生活の変化が、咬めない子どもたちをつくっている

食が悪いと非行や校内暴力にも結びつく

よくかむ子は成績も伸びる

いい歯科医にめぐりあうには、レベルの高い患者になること

狭い住宅事情でシワ寄せを受けている衛生環境部門

子どもへの気配りではまだ後進国の日本

虫歯のない子に育てるための理想的な父親像

 

第2章 歯の役割と仕組み

 

第3章 赤ちゃんの発達と歯のたいせつな関係

①歯のよしあしはかむ学習で決まる

しゃぶりから嚥下まで・1~2歳ころにしっかり身につけたい,かむ能力・きれいな歯並びは母乳から

②かむことの大きな効果

かむと歯が丈夫になる・かむと唾液が口の中をきれいにする・頭蓋骨とあごの発達

③かむことは大脳の発達も促す

手、指、口と大脳とのつながり・3歳までに目覚ましく発達する脳細胞・歯磨きは脳の発達を助ける・幼児期に噛めない子は一生かめない

➃あごが正常に発達しないと、こんな弊害が

歯列不正、不正咬合、発音がうまくできない・指しゃぶりは知能の発達にマイナス・悪習慣で顔つきがゆがむ

⑤歯と昔ながらの慣習にはこんなに深い関係が

お宮参り・お食い初め・七五三・あごの発達を助けた昔のおやつ

 

第4章 健康な歯をつくるための9つのポイント

①妊娠中のお母さんの心がけが大切

赤ちゃんの歯は母親の胎内でつくられる・薬、酒、タバコは歯に影響を及ぼす

②母乳のすすめ

母乳は赤ちゃんのあごを発達させる・哺乳瓶のダラダラ飲みは虫歯のもと・1才までには断乳を

③離乳期からかませる練習を

自然のままの薄味で・乳首をかむのは赤ちゃんからのサイン・セロリやたくあんをかませる

➃歯が生えてきたら

やわらかいベビーフードはほどほどのに・5歳までにすりつぶしが完成・永久歯を育てるための栄養を・食べたあとは口をきれいにする習慣を

⑤じょうずなおやつのとり方

甘いものは特別なときだけに・健脳おやつのすすめ・規則正しい習慣を

⑥お母さんにもできる子どもの歯と歯ぐきの健康度チェック

⑦歯みがきのしつけ

歯が生える前・上下4本ずつ生えたころ・奥歯が生えだしたころ・犬歯が生えたころ・2歳を過ぎたら・乳歯が生えそろってから・歯ブラシの選び方

⑧歯科医による虫歯予防

年に1度は必ず定期検診を・シーラント(溝うめ)・フッ素塗布

⑨顔立ちをととのえ不正咬合を治す方法

顔のマッサージも効果が・口の筋肉を鍛えるボタン遊び・知的に子どもの口と歯を育てるブラシ

 

第5章 私の診察室からの報告

ユニークな診察室

チューイングブラシの開発

チューイングブラシを使っての治療例

 積極性が出て成績も伸びた肥満児のTくん・双子姉妹の遺伝子の受け口が治った・自立心もついたおばあちゃん子のMくん

子ども向けに開発した歯ブラシと歯みがき剤

 

第6章 赤ちゃん・子どもの歯についてのQ&A

 

 

著者の歯科医院で不正咬合の矯正にかかる費用は流石大経済圏大阪。

昭和50年代でも

チューイングブラシを咬ませて多少の凸凹を修正する程度、

月に1回歯医者に通ってチェックを受けたり、

フッ素を塗ってもらったりするのを入れても、2年で6万くらいで・・・・・・・とありました。

(昭和59年の本です。)

 

 

 

チューイングブラシなどで治せる不正咬合はたかだか知れています。

が、何もしないよりは絶対マシですね!

今は、更に進んでT4K(Myobrace)プレオルソEFラインなどの

上下一体型既製品のトレーナー(筋機能矯正装置)での

より幅広い子どもが無理なく使用できる装置の数々がどこの歯科医院でもたいてい使用されていますし、
小児の口腔機能獲得不全症は保険病名になりましたし、

口腔筋機能訓練やその評価法もよく知られるようになりました。

 

 

これからも日本の歯科は

どんどん良い方向に進化し続けます。

大筋では医療の優等生でしょう。
歯をどんどん削ったり抜いたり治療せずで終わるという時代は隔世の感になってきています。