インビザライン矯正を提供していた大手歯科医院が突然閉院
してしまって
集団訴訟に発展!という
空いた口が塞がらないニュースが歯科界を駆け巡りました。
医療法人「デンタルオフィスX(エックス)」
デンタルオフィスXは銀座のほかに京都市や福岡市にも診療所を構え、
宣伝に協力すれば治療費が返金され「実質0円」になると
うたう「モニターモデル制度」を活用して患者を勧誘。
返金が途中でストップし約束をほごにされたとする患者との間で金銭トラブルが相次いでいる。
このうち患者約150人が1月26日、
医師や運営会社幹部らを相手に総額約2億円の損害賠償を求める集団訴訟を起こした。
という事のようです。
「インビザラインでレッドダイヤモンドプロバイダーの称号を持つ先生。」
が関係していたという事で起きるべくして起きたと言われています。
インビザライン社というのは
アメリカの会社で
設立は1997年にZia ChishtiとKelsey Wirthという二人のスタンフォード大学のMBA学生が起業して作った会社です。
元々がアメリカ移民のZia Chishti氏自身が
成人後からワイヤー矯正の治療を受けていたそうです。
成人後にワイヤー矯正をしたことがある人はわかると思いますが、
ワイヤー矯正では酷くみっともない装置が数年間歯にくっつけられてしまい
治療中の生活の質が治療開始とともに急に低下します。
治療なので致し方ないとはいえ、トホホな期間が非常に長いのがワイヤー矯正です。
歯磨きはやりにくいし、やらないと虫歯になるし、
食事制限がつきもので
ガムはダメ、肉はダメ、フランスパンもダメ、硬いものは噛んじゃダメなど
最初特にキツイ食事内容の制限がかかり、また実際硬いものなど痛くて食べられません。
舌も痛むし粘膜に口内炎はできるし、
歯はヒビが入ったり欠けたりするリスクも上がるし
治療中はろくな経験をしません(特に装置装着後数カ月と装置調整後数日間)
歯根が短くなることもあるし(歯根吸収)
歯茎がごっそり下がることもあるし(歯茎はコラーゲン繊維の伸びが悪くなると=加齢するとついてきてくれない)
歯磨きがし難い期間が数年も続くので歯面荒れが生じたり・・・・・
一旦矯正治療が開始されるともうこれくらいでよいですと言い難くなり、
人生の大切な期間を2年間下手すれば7年も8年も装置をつけ続けられる(やめるにやめ難くなる)・・・・・
というケースもあります。
より良い健康を目指して治療を受けているはずだったのに、
細かいディテーリング(完成度)に縛られて
延々と矯正が続くという事もしばしばあります。
成人後に矯正治療をするのは
結構大変な事なのです。
起業したZia Chishti氏は学生時代にワイヤー矯正をしていたのでしょうから
10代後半から20代の若さだったのかな?と想像しますが
ワイヤー矯正がひと段落して保定期間に入って渡されたマウスピースのリテーナーを手にして
!!!!!!とナイスなアイデアを得たのでしょう。
このマウスピースに矯正力を設計して商売できるじゃんか!!
って閃いたのでしょう。
歯科医ではなくてビジネススクールの学生が始めたビジネス、
それがインビザライン社のベースなので、
商売商売商売という側面でマウスピース矯正の事業はどんどん発展してきています。
今回の集団訴訟事件のようなものが起きやすい素因を
インビザライン社自体が持っていたと
皆考えるわけなんです。
以前も運送会社クロネコヤマトの作業場の一画で
技工士がマウスピースを製作して
流通革命の新手のマウスピース矯正がTVで取り上げられていたりしていますが、
マウスピース矯正って
それだけではなく山のように怪しげなものが
雨後の筍のように次から次へとどんどんどんどんシステム販売されてきています。
インビザラインは当初、
今でも他の廉価版マウスピース矯正で使われている1層構造のタイプで製作されていた頃は
歯はほとんど思うように動かなかったので(傾斜移動はしますが歯体移動は壊滅的)、
インビザライン社(アラインテクノロジー社)が特許を取ったスマートトラックという3層構造のタイプが開発されて以降
やっと持続的な安定した矯正力を歯にかけ続けることに成功し
多くの矯正認定医達まで虜にするシステムへと変身してきています。
ですから、クロネコヤマトのマウスピースやその他の格安マウスピース矯正では
素材が劣るひと昔前のものなので
出来ることは非常に限定されます。
ほとんどが歯をきちんと意図したようには動かせない為
主に傾斜移動を使って歯の側面を削って隙間を作ってそこに歯を押し込める移動様式程度になっています。
(傾斜と同じ仕組みで圧下までは出来ます)
インビザラインでも
一つのマウスピース内の動きで
再現性の高い動きもあれば再現性の低い動きもあるのを
複雑に組み込んで作っていくわけですが、
歯の移動様式を理解していない人が勝手に模型の歯を
または、画面上の歯を動かしたいように動かしていっても
実際の歯は歯根で抵抗していますから
意図したように動いてくれないのを承知しておいて
歯の移動の得手不得手を十分に理解している歯科医が
レントゲンやCTの骨情報画像や歯根形態情報を読みながら
歯を移動させていかなかれば
絵に描いた餅。
上手く歯が動いてくれず不十分な歯の移動しかできないという事は
ちょっとだけでもマウスピース矯正を勉強した歯科医であれば
誰でもわかるんですけどね。
(インビザライン導入コースという最初に歯科医が習う講習会で
インストラクターが常に移動の再現率についてたいてい講義しています)
今はコンピューターが賢くなっているから
光学スキャナーでスキャンした情報をネットでインビザライン社に送れば
勝手にAIが判断して
最適なクリンチェックを立てて
それをポチ押ししておけば
その通りに作製されたマウスピースが送られてくるんだから
アタッチメントをしっかり歯につけて
治療計画表に従って指定されたIPR(ディスキング)量で
ディスキングして
患者さんが毎日毎日20時間以上きちんと使ってくれれば
ちゃんとうまく矯正が終わるんでしょ?なんて
脳天気に考えている矯正歯科医に当たってしまうと
いつまでも終わらないインビザラインの旅に迷い込んで
終わりなきインビザラインの世界に沈んでいるうちに
MAX5年契約が終わってタイムアウト!!!!
噛んでないけど歯並んでないけど矯正の契約期間終わっちゃいましたね・・・・・・
と言われちゃって終わりという事になってしまうでしょう。
それを防ぐために
きちんと歯の動きを理解した歯科医がレントゲンをちゃんと読みこんで
必要であればCTと連動させて
再現性のある個別のクリンチェックを時間をかけて
作りこんでいき、
更に患者さんの使用状況やゴム掛けもきちんと管理して
(数カ月ごとに通院してもらってアンフィットが生じてきていないか?
Ⅰ級関係が乱れてきていないか?
Ⅰ級がロスしてきていないか?
Ⅰ級がちゃんと獲得させられているか?
大臼歯の傾斜が生じてきていないか?
前歯の歯根が皮質骨に当たっていないか?など
細かくチェックを入れるか?
またはデンタルモニタリングでモニターし続けてチェックし続けるか?
とりあえずこのまま継続させておいて次で更に修正を戦略的に入れていくか?
このままじゃ無理なのでこの段階でエラスティックやセクショナルワイヤーで立て直しを入れるか?)
など治療計画の予測実現性の管理をちゃんとしていくところまでが
マスト!!なはずの
マウスピース矯正なのに、
レッドダイヤモンドだ???????!!!!!!!
ブラックダイヤモンドだ??????!!!!!!!
年間にこんな症例数こなせる歯科医いませんがな~~~~~~
って普通、わからんのが
アホなんじゃないか?
と思うのですが、
いかがでしょうか?
こういうダイヤモンドクラス表明レベルになってくると
ほとんどが症例おまとめサービスグループの傘下に入っているはずです。
つまり、ほぼ
自分ではインビザラインのクリンチェックをよう立てないし、
患者管理をようしないけど、
入ったグループ全体で寄せ集めた症例数で
輝かしいダイヤモンドを維持している状態。
この原因は、
インビザライン社のマウスピース販売形式が
年間症例数に応じた割引率の違いでの納品システムを採用している為。
各歯科医院はそりゃ~同じシステム使えるなら
安けりゃ安いほど利益率があがりますから
症例を1か所でおまとめしてくれるところがあれば
症例数の総数をグループで増やして
割引率高く利益率高く歯科医院に儲けが出るようにと
あるいはおまとめ元の歯科医に差額分がチャージされるようにと
なっていくのは当然ですからね。。
しかも、代表歯科医が持っているダイヤモンドステータスが上がれば上がるほど
様々なイベントにも参加でき更新情報も早く得られ
様々な面でメリットが多いので
歯科医にとっては甘い蜜なんですよね。
こういう仕組みはアメリカの販売システムでは常套手段です。
これを世界を股にかけてやっているのが
アメリカの上場企業
ほぼどこでもこういう事やってます。
いわゆる医療が儲けの手段に成り下がっている。
いや~~資本主義なので致し方ないとはいえ、
なかなかエグイシステムです。
今回の事件は、その儲けを上げるシステムに
更に
デンタルローンサービスやSNSや口コミサービス、集客サービスが加わった
とあるレッドダイヤモンドプロバイダーが関わった
闇の事件になっています。
医療法人「デンタルオフィスX(エックス)」では、
知人の紹介で来院した人に、
診療所の担当者は「今ならまだモニター制度の枠がありますよ」と勧めてきた。
新しく歯科医院を作るので症例集めが必要だからと、
診療時の写真提供や交流サイト(SNS)での宣伝に協力すれば
治療費を全額返金すると持ちかけた。
いわゆる新規患者紹介に対するお礼と
SNSで高評価を書くことに対するお礼が、
なんとなんと!
治療費全額!!!
しかもその治療費が滅茶苦茶高い!
信販会社の36回ローンを組んで154万円。
この治療費って通常の約2倍!!!なんじゃないかな?
消費税込みで154万円ならインビザライン治療費だけで140万円ですよね?
インビザライン矯正の予測実現性を上げるための加速装置やデンタルモニタリング装置など含まない治療費でしょうからね。
それをデンタルローン組ませて返済に毎月約4万5千円本人にローン会社に支払わせておいて、
同額を送金アプリで受け取ってもらえますから
治療費が無料になりますよ。
詐欺の臭いがいかにもプンプンしますよね。
治療はデンタルオフィスXとの契約で、
モニターはデンタルオフィスX運営会社の「THE GRANSHIELD(ザ・グランシールド)」との間の契約。
歯科医院運営会社って何??って感じですよね。
そもそも、歯科医院は歯科医師が院長として経営しているところを選んでほしいですね。
金儲けの為に歯科医院を経営している経営者が
昨今は増えていますからね。
医療が経済活動になっている段階でオカシイでしょ。
(おかしいと思わないのかな??)
レッドダイヤモンドの称号を持ち、医療法人の概要に技術総合担当役員として名を連ねていた
看板医師は2021年初めごろにはデンタルオフィスXから手を引いていた。
そりゃそうでしょ。
そもそもそのレッドダイヤモンド医師の称号をとって
その歯科医も商売するために
上手い話しを利用しただけでしょう。
その歯科医が院長でもなく歯科医院経営者でもなく
単に名を連ねたのはインビザライン社の症例数を稼いで割引率を上げてもらうためでしょうか。
(更によくあるダイヤモンド商法もされていましたしね)
デンタルオフィスXの勧誘活動は、知人間の口コミだけでなく、
「インスタグラマー」として著名な人物らがフォロワーらにメッセージを送ることによって
不特定多数に展開されていた。
勧誘した相手が矯正治療とモニターの契約を結んだ場合に成功報酬として少なくとも数万円が支払われる仕組みだった。
もうこうなったら何が何やら。
新手のねずみ講みたいですね。
事業運営が早晩、自転車操業の状態に陥るのは
分かっていたはずで、詐欺的な商法
マウスピース矯正を手がける別の歯科医院の院長によると、
マウスピース矯正は通常、医師が歯並びや骨格を診断して歯型を取り、
そのデータをマウスピースのメーカー側が解析して矯正治療が可能かどうかを最終判断するという。
これもわかってない話ですね。
マウスピース矯正もインビザライン矯正も別の矯正も
矯正治療に責任を持つのは歯科医です。
マウスピースのメーカー側は単にお金儲けのために
技工物の製作の依頼がされたので
作製して納品しているだけで
医療行為の責任自体は歯科医にあります。
インビザライン社は責任を持ってくれませんし、
他のマウスピース会社も責任を持ってくれません。
そもそも責任がありません。
診査診断し治療行為を行えるのは歯科医であって
メーカーではありません。
歯科医が全責任を持たなければならず、
院長が責任を取らなければいけません。
医療行為ですからね。
資格を持っているものが治療の責任を取らなければ
資格の意味がありません。
歯科医院を開設できるのは歯科医であって
経営者ではありません。
残念ながら、
レッドダイヤモンドの歯科医が診療をしてくれると誤認してしまったのが
間違いの始まりでしょう。
そして、
レッドダイヤモンドの歯科医が
途中でトンズラし
治療の責任を放棄したのは
人道的に医療者として失格ですね。
歯科医は経営者グループに利用されただけ、自分こそ騙された方だというでしょうが、
すでに皆顔を知っていますから
なんならインビザライン社とそのレッドダイヤモンドの歯科医が全員を無償で救済してあげれば?と思いますが、
レッドダイヤモンドの歯科医はそこまでできないでしょう。
そんな無償労働していると自分が食べていけなくなりますからね。
この事件が明るみに出る以前から
レッドダイヤモンドプロバイダー
ブラックダイヤモンドプロバイダー
他のダイヤモンドプロバイダーの歯科医は
おまとめ事業をどんどんやって
割引率を高めて儲けを得ていますし
受注先から上がりを受け取って商売しておられますが、
そういうおまとめサービスの契約書には
自分は一切治療の成否について責任を取らないと明記していることが一般的です。
この構図をきちんと理解しておく事も今後は大切になってくると思います。
歯科医がきちんと診られる患者数は非常に限られます。
歯科医院1軒がきちんと診られる患者数は非常に限られます。
誰も無償では働いてくれません。
ダイヤモンド盲信者にならないように!!
歯科医が携わっている症例の数が多けりゃ必ずうまくいく治療ってわけでは決してありません。
医療ですから
担当の歯科医、
または院長(歯科医)を
きちんと信頼出来ると
思える歯科医院と契約する事が大切です!!
今回の事件は、
騙された被害者も別の被害者を騙すのに加担している可能性があるのではないか?
と思います。
マウスピース矯正のモニター制度もそれ自体は宣伝の一環として珍しくない。
モニター制度をしている歯科医院を選ぶのはそもそも選択しないほうがよいでしょう。
そもそも、公平感が欠乏しています。
医療行為に宣伝も好ましくないとされています。
スーパーエナメルもインビザラインも
よい治療法なのですが、
医療は宣伝をし難い、
医療広告は禁止されている。
だけど、
新しく出来たよい治療法は
まだ保険治療にならない為
普遍性もなく技術差が極めて大きいし、
治療法を生かすも殺すも使う歯科医側に責任があるので
よい歯科医と出会えなければ
困った事態に陥ることだってあるわけです。
治療契約した歯科医院は閉院してしまい矯正治療自体が中断してしまっているわけですから
奥歯が傾くなどして食べたり話したりするのがしづらくなっていたり、
抜歯した後のすき間が開いたままRAP効果が使える期間を逸して治療難易度がどんどん高まっている人がいるわけですから
今回の事件はとんでもないことで
まさに医療詐欺と言われても致し方ないように思います。
ローンの残債を治療を受けられなくても払い続けていくしかなく、
新たに別の歯科医院と契約して治療をやり直したくても二重ローンがのしかかるわけです。
そもそも、
無料ほど高いものはないわけで、
無料で受けた治療の責任を取り続ける歯科医はどこにもいないのですから
治療行為を受ける際は、
それ相応の相場治療費をちゃんと支払える経済力を持った人だけが
治療費をちゃんと支払って受けてください。
成人矯正はとにかく大変なんです。
きちんとした矯正治療を継続して受けられる歯科医院を選択してください。
インビザラインなどのマウスピース矯正しか提供していませんという歯科医院を絶対に選ばない事!
マウスピース矯正ほど不確かな矯正治療法はないのですからね。
(患者側がうまく使わなければいつまでも治らない。
治らないうちにインビザライン社が追加料金なしで作製してくれる契約期限が来ると
途方に暮れるしかなくなるでしょう。
もちろん、この後に歯冠修復治療を選択したり、
ワイヤー矯正に乗り換えできる歯科医院であれば終わりが見えますけどね)
美味しい話は世の中にありません。
儲けるために歯科医院を経営しに参入している
変な会社や個人投資家がたくさんいますから
(特に都会)
皆さん、気をつけて歯科医院を選択してください。
自費治療の世界は高くつきますからね!
ただ、命を取られないだけ
医科よりマシと言えるのかもしれませんけどね・・・
インプラントのオペ直後にお亡くなりになったケースはありますが、
インビザライン矯正治療でお亡くなりになったケースはないため
医療行為としてはまだ安心な部類に入っているかもしれません。
矯正歯科治療の継続が困難なのであれば
歯冠修復や接着修復という別の治療法の助けを借りれば
問題が解消する場合が多々あります。
治療期間を短縮したり
見た目の改善をマックスに上げる事も
矯正治療だけの選択に固執するよりも
一般歯科治療や審美歯科治療と組み合わせてあげれば
楽々パーフェクトにできるので
インビザライン治療だけを提供していますという歯科医院ではない
より複合的な歯科治療を提供できる歯科医院を選択されていくことをお勧めしたいと思います。