インビザラインなどのマウスピース矯正

昨今大人気です!

 

中には、キレイラインなどの国内で作製する2万円から綺麗になれるという広告

広告賞を取ったという歯科医院加盟型マウスピース矯正システムもあります。
通常、国内のラボでできるのは、1万円で1枚のマウスピースだけですから

2万円では上下マウスピース2枚しか作ってもらえません。

通常、1枚のマウスピースで安全に動かせる歯の移動量は決まっており

2度と0.25mmしか動かせません。

これは国際的なアライナー矯正の学会誌にも書かれている数字ですから

2万円で歯を動かせる量はたかだか1mmの1/4

何を考えてるんだ?と矯正治療をしたことがある歯科医であればすぐにわかるのですが、

一般の方にとっては移動量などはどうでもよくて

きっ2万円という値段に魅かれるのでしょうね。

割とウケは良いようで結構ネット上に宣伝が多数露出してきます。

しかし、

そんなもので歯並びが綺麗に整うはずはありませんよね。。。。。

広告賞はもらえてもどうなんでしょうね・・・・・

なんだか訳が分からない時代になっていますよね。

 

 

 

IT業界ってこんなのばっかりですよね・・・・・

イメージ広告に惑わされない賢さが患者側に要求されるようになってきていますよね。

 

とはいえ、歯科医でも矯正の事はサッパリわからないという人が多いのが実態です。

一般の方に賢い判断を求めるのは酷でしょう。

とりあえず、安そうだから2万円からマウスピース矯正の体験をしてみたいなと

考える方には安価さゆえにお手頃かもしれませんが、

歯を移動すると歯の当たり方が変わりますから

歯や顎の不調に悩むようにならないことを祈ります。

(不幸にも不調に陥ったら

アライナーの番号を元に戻していけば

とりあえず元の歯並びに戻っていく可能性は高いですから

困った事に陥らないうちに

オカシイなと感じたら治療を中断され

きちんとした矯正治療を最後まで責任もって行ってくれる歯科医院にご相談されるとよいでしょう。

このタイプの安易なマウスピース矯正は

傾斜移動が主になるので

元の位置に戻りやすい可能性はあるのではないかと想像します。

つまりは歯列の長期安定が望めない治療になりますね。。。。

(いったん綺麗に並んだように見えても

保定装置を外して日々噛んでいると

簡単に元の悪い歯並びに戻りやすい)

 

 

インビザラインなどの本気で歯の位置を歯体移動で変えていこうという

本気のマウスピース矯正治療では

元々の歯並びの状態と

目標とする歯並びの位置を最初に相互確認して

難易度の説明をしっかりしたうえで矯正治療が開始します。

 

インビザライン治療はマウスピースが3層構造になった

スマートトラックという素材になってから

はじめてまともに歯が動かせるようになったと言われています

アソアライナーやキレイラインが何層構造のマウスピース素材をプレスして作っているのか?

について、残念ながら最新の情報を私は知りません。

 

少なくとも数年前はアソアライナーは1層構造の素材をプレスして作製されていたために

歯体移動がうまく出来ませんでした。

歯体移動がうまく出来ないと歯は傾斜するだけですから

抜歯スペースはうまく閉じることができません。

3層構造になったインビザラインでも

アタッチメント無しでは

傾斜移動しか期待できません。

それどころか

アタッチメントもオプティマルアタッチメントというインビザライン社が提案するクリンチェックのままの

最適アタッチメントをそのままつけていたらその機能が弱すぎて

傾斜移動しか行えていないという事態が案外よく生じます。
また前歯を移動する際にアンカーとして臼歯を使う事になるのですが、
その際、アタッチメントの設置位置を間違うと臼歯の近心傾斜が生じて

マウスピースの不適合が生じてきます。咬合の肝心かなめの大臼歯に近心傾斜が生じると

それを立て直すために追加アライナーが必要になったり

特殊なフックをつけてゴム掛けをしてもらう必要が生じたりして下手に長引いたりしてしまいます。

治療計画で圧下や挺出、歯体移動の移動様式が組み込まれている場合、

歯科医は自ら判断しインビザライン社が提案するアタッチメントを外して

必要なアタッチメントに変更する必要があるのですが、

そのことを知らない歯科医は意外と多いので

リファインメントを何度も繰り返す必要が生じてしまっていたり

雑な終わり方になっていてインビザラインそのものの治療の評価を下げてしまっています。

素材がよく、システムが良くなってもコントロール不良という事態が

歯科医の勉強不足、患者さんの理解力不足からよく生じています。

インビザラインなどのマウスピース矯正では、
患者さん側のコンプライアンス

(使用時間をきちんと22時間しっかり守り

不適合が生じているのを自力で早期発見し、

ゴム掛けが指示されていればそれを厳守すること)の不良によって

治療がうまく進まないという事もよく生じます。

どこもしっかりフィットするようにチューイーやマンチーやシーターを

必ずよく噛んで1枚1枚のマウスピースに

歯をフィットさせてカチっと装着時に1枚目のマウスピースで体験したように

十分なフィットを獲得したことを確認してから

次のマウスピースに進むようにと指示を出していても

ないがしろにしてどんどん進んでしまう人は後をたたないので

結局何回リファインメントを行って(再スキャン、再製作のやり直し)も

矯正治療が満足な終わりになっていかないという方もしばしばおられます。

 

インビザライン治療などの

不快事項が超少ない治療法

気軽に矯正治療を行えるという大いなる利点がありますが、

半分以上の治療責任が患者さん側に生じますので

(可撤式装置なので、ご本人がうまく使わなかったら

期待したように歯が動かない)

矯正歯科治療としてはかなり心もとない治療法という事になります。

 

もちろん歯科医に治療効果の責任がほぼ100%ある矯正治療法では

(固定式のブラケット矯正治療でも

指定された予約日に来院されなかったり、予約時間に遅れて来院されるために十分な治療時間が確保できなかったり、

指示されたゴム掛けをさぼって協力してもらえなかったりすれば

歯科医の責任外の理由によって治療がうまく終わらないという事がしばしば生じていますが)
力のかけ方によって歯根吸収が激しく進んだり

顎関節症が生じたり

歯根露出が生じたり

歯茎後退が生じたり

様々な不定愁訴が生じる事例を目にすることがあります。

 

歯科医の多くが自分自身の歯並びを

治さないのは何故か?

そこには矯正治療により生じる多々のデメリットやリスクがあるのを

よく知っているからです。

 

まあ、治療って常にそんなものですがね・・・・

(残念ですがデメリットやリスクゼロの治療はありません)

 

多くの安価なマウスピース矯正治療は、

歯の幅径を調整して

(ディスキング、IPR)

今ある歯槽骨内に傾斜して生えている歯を

何とかして整列させて歯並びのガタガタだったり

歯並びの出っ張りや引っ込みを治そうとする程度の治療が主流になります。

その程度の歯の移動でも

歯茎のラインが綺麗に整って

歯磨きの難易度も下がって

気になって来ていたブラックトライアングルを閉鎖することができて

歯の長さもや角度がある程度見栄えよくなって

可能な歯冠修復がやりやすくなったり

見た目の出来を上げることに貢献したり

様々な恩恵が多々あります。

そのため

今まで全く矯正治療とご縁がなかった人たちにとって

マウスピース矯正が容易に受けられるようになってきたことは

大いなる福音になっています。

 

ただ、この

マウスピース矯正で

非抜歯で歯をできるだけ綺麗に並べて出っ歯も治したいと希望されると

流石に超難易度が高くなります。

また、同じように抜歯して大きなスペースを作ってしまったのを

歯が傾斜しないように歯の移動を厳密にコントロールして

スペースを完全にクローズして

綺麗な歯並びを再構築しようと思えば

難易度は更に超上がります。

決して無理ではないですが、

そんなに難易度の高いアライナー矯正治療を貴方は根性でやり切れるのか?

また、歯科医にその技量が十分あるのか?

が問われることになります。

これは、都会で流動人口が多いのでダイヤモンドが赤くなったとか、

黒になったとかそんなことで判断できる内容ではありません。

青森市緑にある歯科医院ミドリデンタルクリニック

 

ダイヤモンドおまとめサービス業というものも歯科界では多数ありますから

この症例数の多さが治療のうまい下手を保障するものではない事も

注意が必要でしょう。
ダイヤモンド上位になればなるほど

歯科医がインビザライン社に支払う技工代の割引率が高くなるという仕組み

インビザライン社が世界中でとっているために

少しでも技工代の負担を減らしたい歯科医側が複数名集まって

収益率を上げるためにこのダイヤモンドシステムを利用しているだけの話です。

実際に治療の管理をしてもらう歯科医院が

どれくらいの症例数に当たっていて

歯科医自身がどれくらいの時間と費用を割いて

インビザラインなどのマウスピース矯正についてしっかり勉強を積み重ねてきているのか?

またそこで実際にあなたの管理に入ってくれるスタッフに知識と経験と仕事の丁寧さがどれくらい求められるのか?

は、何もわからない状態にされていますから

どこの歯科医院でマウスピース矯正を契約するのか?は博打のような感じになってしまっています。

 

少なくとも通常のブラケット矯正をきちんと行える歯科医が1名でも歯科医院に居てくれる歯科医院

これを治療時に確認しておくことが必要でしょう。

 

また、できればアンカースクリューを用いた治療まで可能な歯科医院を選択されておくと

安心感が増すでしょう。

 

アライナー矯正では

臼歯の遠心移動が可能ですから

非抜歯ケースが格段に増えます。

下顎大臼歯を遠心に順次送っていく治療は

2mmで平均30枚の枚数が必要だったという論文が出ています。

もちろん、これは

オルソパルスなどの高額な加速装置を使用しない場合の論文です。

大臼歯の幅径は通常10mm~11mm、

小臼歯の幅径は通常7mm~8mmですから

僅か2mmの遠心移動では

大臼歯の山を1山越えることはできません。

早期実現には必ずアンカースクリューが必要になりますから

アンカースクリューを使った本格治療を行える歯科医院を選択されておくとよいでしょう。

 

上顎に関しては

4mmくらいは遠心移動が可能な場合がしばしばあります。

ただし、その場合でも

解剖学的な問題がクリアされていなければ

実現しません。

歯槽骨に後方移動の余力が十分あるのか?の判断は

3次元レントゲンデータであるCT撮影が必須になります。

実現出来もしない治療計画によって無駄な期間を

失わないようにしてください。

 

歯槽骨が十分にあり

歯根が皮質骨にガツガツ当たらないで

上手く大臼歯の遠心移動が行えていても

その後、小臼歯、犬歯の後方移動時に

顎間ゴムをおさぼりしてしまうと

臼歯の後方移動ではなく

逆に前歯の前方傾斜が生じ

マウスピースは割とピッタリフィットしていても

歯槽骨がゆるゆるになっていて

最終的に大臼歯・小臼歯がいったり来たりで

結局後方移動できていないという出っ歯終わりになってしまう場合がしばしばあります。

こういうことが生じてしまうと

矯正期間のロスが半端ないですから

アライナー矯正先進国のアメリカやヨーロッパでは

上顎の口蓋にアンカーを打ち

上顎骨自体を固定源にした特殊なシステムが利用されています。

 

臼歯を後方に移動すると小臼歯の非抜歯治療が可能になり

健康な歯を抜かずに済みますが、

臼歯を後方に移動させるだけの歯槽骨が十分にあることと

臼歯を遠心に移動させることで難しくなる歯磨きをその後の人生で長期にわたって頑張れる実力が必要になります。

(歯磨きが下手な方は臼歯を後方に移動させるほど

歯磨きがうまく出来ずに奥歯虫歯を作ってしまう事になりますので

選択の際は注意が必要ですね)

 

様々な条件がありますから

インビザラインなどのマウスピース矯正の出現で

矯正治療がより身近になったとはいえ、

矯正治療を受けるのは

できるだけ小児期にしておき

組織の柔軟性が高いうちにさっさと成長を利用して

よい歯並びに育っておくのが一番効率が良く

一番安く済み

一番安全に終わることは変わりないですね。

 

当院では小児期によい歯並びを獲得させておくための

MyobraceやムーシールドやプレオルソやEFラインなどの

トレーナーを用いたり

各種拡大装置や

インビザラインファーストを用いた

矯正治療のご提供に力を入れています。

 

もちろん、矯正歯科医も在駐していますから

成人のインビザライン治療もご提供していますし、

抜歯を伴ったブラケット矯正(表側)を比較的安価でご提供もしています。

 

色々な矯正治療法が出現して普及してきていますが

それぞれの方法には、メリット、デメリットがありますから

矯正治療が必要な方は

しっかり説明を受けたうえで

ご契約されるようにお願いいたします。