神経まで抜いて
ダイヤモンドのようにピッカピカのセラミックの人工物の歯冠を入れても
それって、どうなん???
って、言われる時代になってきました。
いわゆるセラミック矯正というのは、
歯科医院にはものすごくお金がいっぱい入って来るし、
一気にキレイに仕上げることができて患者さんに喜んでもらえるし
BEFORE&AFTERの宣伝写真にもなり
強烈なアピール力があるので
多くの歯科医が抜髄して土台を入れて歯冠の綺麗なものを入れるという技術をマスターするために
昔からず~~っと研鑽を積んでいました。
そしてひと昔前は、
すべての歯を抜髄して(とはいえたいていの場合見える前歯上8本とか上下16本程度)
超綺麗な冠を入れて一気に素敵なスマイルにしましたよ~~という自慢画像などを
歯科医がネット上によくアップしていたものです。
ところが時代が大きく進化して
今ではそういう画像にはとか、悪いねボタンがついてくる時代になっています。
つまり、世界でもそういう荒い審美治療は評価されなくなったという事です。
なぜか?については、前々回書きましたが、
結局、綺麗な冠は期待値以下の長期予後しかなかったからですね。
(長持ちしなかった)
綺麗な期間は比較的短くて
歯根の位置が悪いまま
抜髄して綺麗な冠を入れても
いつかはバキッと歯根ごと折れてしまったり、
歯根にヒビが入って歯周炎に悩まされたり
歯茎が下がってしまって醜い繋ぎ目が目立ってくるからですね。
そして周囲骨や健全な周囲組織を失うと
その後の治療が非常に厄介な治療しか残されなくなってしまうからですね。
あ~~。最初にちょっと矯正治療期間を入れて
歯根の位置をちゃんと整えてあげとけばよかったのに・・・・・
と後悔する事になるのがわかるようになってますから
昨今は誰もこういうグルグル歯を削りたくってダイヤモンドの輝きのセラミック冠をバコ~~ンと
入れますよという治療を評価しなくなってきています。
でも、まだまだ
お若い方なのに
ネット上でそういう荒い治療法を(ドーピング治療)
選択される人がまだまだおられるのが少し気になります。
一例として
yu-tube上に
セラミック矯正治療を選択したんだけど
選択したことを後悔しているという方が
ご本人の体験から色々教えてくれている動画がありましたから
貼っておきます。
もちろん、こういう方も、
インプラント治療を選択されることができればまだまだお若いので
数十年は入れ歯生活を過ごさなくてもよいだろうと想像しますが、
インプラント治療をする前に骨造成を行ったり
インプラント治療と同時に骨造成を行う必要が生じたりしているのでしょう。
インプラントの治療費やオペ時の痛みや費用だけでは
終わらないわけでしょうから
躊躇されるのは十分理解できます。
そこで、昨今は
歯を如何に削らずに患者さんの審美的な要望をかなえるか?
いかに歯を削る量を少なくするか?
という事を歯科医がかなり工夫する治療のほうが評価されるようになってきています。
そのことも前々回に論文も載せて書いています。
MIの時代といわれるようになっています。
当医院は、
歯並びは子どもの頃からよい歯並びを獲得しておいた方がよいので
T4Kなどを用いた
予防矯正にかなり力を入れています。
主催する「頑張れ!T4K!」には900名以上の歯科医や専門医、歯科衛生士が参加して
それぞれが研鑽を深めてきています。
矯正指導医の先生や矯正認定医の先生たちも
かなりこういうトレーナー装置について
評価を高めてきている現状があります。
歯科医向けの予防矯正のセミナーは今大変人気があります。
小児期からよい歯並びを作っておくというのは
本当に理想的なことですが、
あいにく、すでに成人してしまったという方の悪い歯並びには
インビザライン治療や
矯正専門医による本格的なブラケット矯正治療も行っています。
こちらも大変好評で
多くの方が矯正治療だけで多くの人に羨ましいと言われる
理想的なスマイルを獲得することができています。
更に
矯正後に問題が残っている方には
(テトラサイクリン歯の方や
歯がすでに樹脂で継ぎ接ぎの方や
年代がバラバラな歯冠修復物が単冠で入っていて
審美的に問題が深い方や
先天性欠如歯があったり
矮小歯があったりして
歯の数や形がよい噛み合わせを作ると合わない方など)
スーパーエナメルや歯冠修復や欠損部位のインプラントや
接着性ブリッジという治療などの高度な治療のいくつかを組みあわせて
できるだけ長期予後の長い治療法をご提供しています。
歯は神経を抜いていなければ
加齢とともに
歯のコラーゲン繊維(象牙質)が
糖化してAGEにより黄変してきますし
エナメル質の結晶化が進んで透明度が増して来たり
エナメル質自身が薄くなってきて
黄変した象牙質がより透けて黄色っぽい歯になってきますが、
それは神経さえあれば前歯がどの歯も同じ進行度で
(糖化や加齢は同じように進むので)進みます。
しかし、神経を抜いた歯があれば
その歯だけより色が濃くなって歯の色がバラバラでそろわなくなってきますから
そういう歯はしっかり根管充填をしなおして
インターナルブリーチやをウォーキングブリーチを行って
色をそろえてあげる治療を歯の裏側から行う事でいつでも対応できることになります。
歯の表面の色や形をすっかり揃えておきたいと思われるならば
歯の裏側は天然歯のまま又は硬質レジンの状態でおいておくとその後の治療が簡単になります。
長い人生ですから長期的に治療費が安くて済む方法を選択されていくと
トータルでの歯科治療費がお得で失望がなくてよいでしょう。
一般歯科でも
現在は、多くの歯科医院が矯正治療の選択肢を持つようになっています。
が、
中には
まだ旧来の歯科医院で
矯正治療に関して全く不勉強な歯科医院もありますから
そういう歯科医院で
矯正治療について全く説明も受けずに
歯を大きく削られてしまう事がないように
歯科医院選びを間違わないようにしてもらいたいなと思います。
できれば小児期から予防矯正で
歯並びに問題がない子に
育っておくことが望まれますね。
子どもは親を選べませんから
全国のお母さん、お父さんには
しっかり歯についても勉強して欲しいと思います。