当院の小児の矯正治療のイメージはこんな感じです。

 

これを所属している矯正歯科の研究会の発表時に出したら

矯正専門医の先生に怒られちゃいました。

安すぎるっていうご指摘でした。

普通にやると咬合挙上板使ったりリンガルアーチやクワドヘリクス使ったり

HaasやPendulumやGMDやバイトブロックなんて面倒な装置のどれを使うか?とか、

調整うまくしなくちゃ~というようなことで

専門的な技術が必要になるんだけど

T4Kはそういうものが一切不要で簡単で

成長や生活を阻害しない。

だから安くなるんだけど、

装置を渡してはいそれではね~~と放置しておいても治らないので

それなりに技術が入っています。

でも、結果の半分以上が患者であるお子さんの努力になるから

頑張る子とそのやる気をちゃんとサポートできる立派な御家庭には

超安く応援価格でご提供しているわけ。

言うなれば高齢歯科医の子育てサポートの楽しみの領域です。

普通の歯科医院では応援価格なんてしてるわけないですから

これだけ勝負で行っている歯科医院の場合

35万円に近い治療費設定になってしまいますが、

これだけで治せるお子さんって多くて7割という印象を持っていますから

こんな装置に35万円も請求してしまうと

後はどうなるんでしょうね????・・・・

 

 

まあ、自費治療費が安過ぎるっていう御指摘はうちの歯科医院の場合他のことでもよくいただいていますから

これに限ったことではありません。。。

 

T4Kだけでもしっかり使用する装置を選択してしっかり使用を指導することができれば

素晴らしい結果につながります。

特に出っ歯には効果があります。

装置で成長誘導しつつ育っていくと思いっきり口元を引っ込めることができつつ下顎をアドバンスできますから

本当に美人に育ちます!

そして自然に咬合が出来上がってきますから

後戻りがありません!

また、多くのケースで大変パフォーマンスの高いお子さんに育ちます!

 

通常、T4Kなどの上下一体型既製品のマウスピースで

上下のアーチフォームと上下の対抗関係と咬合平面を一緒に育成していく育成矯正法では

日本では1装置2万円~6万円程度のご提供になるのかな~という感覚を持っています。

1装置だけでは絶対に治りません。

お子さんの成長までには何年もかかりますからね。
1個目の装置を少し厚みがある割と硬くて頑丈な装置にいきなりできるお子さんであれば(問題が軽いケースのお子さん)

第2大臼歯が萌出して永久歯の咬合が出来上がるまでに最低装置が2個~3個は必ず必要になると思います。

そうでないお子さん(つまり既製品の規格から大きく外れているお子さんでより問題が深刻なお子さん)の場合、

装置は6個~10個以上交換が必要になると思います。

もしかしたらさらにより多くの装置が必要になるかもしれませんし、

咬合平面の乱れが悲惨なお子さんや

歯並びがとても悪すぎるお子さんのケースでは

規格外の状態を規格品にはめ込むために

装置はどんどんどんどんどんどん壊れてきますから

どんどんどんどん装置を提供することになります。

そういう応援体制が揃っていなければ

こんな装置だけじゃ治せません

多くの歯科医院が行いやすいアプローチ法は

先に床拡大装置でもポーターでもリンガルアーチでもなんでもいいので

狭窄している歯列を拡大しておき

仕上げにこの装置を使用させるという方法でしょう。

そういう順番だと前歯のトルクコントロールと咬合の自然萌出と僅かな圧下だけを

この装置に期待すればいいのですから気楽です。

細かい歯のコントロールがうまくない一般歯科医でも

割と上手によい歯並びに仕上げてくれることに繋がっていきます。

その代わり、拡大装置代金や2×4のブラケット矯正代金は別途請求されますから

トータル20万円程度またはそれ以上が必要でしょう。

 

どの装置を どの成長段階で 歯並びが抱えるどの問題段階で 交換すべきか?というのを

見極めるのが歯科医の仕事になります。

そのためには装置の圧痕や破れ具合や適合状態を確認したいですし、

そのお子さんの顔や機能の獲得状態も確認したいですし、

最も必要な口腔内写真とパノラマ写真を確認する必要があります。

つまりしかるべき歯科医院でちゃんと使用状態や使用状況、使用している装置の選択を

ちゃんと管理してもらう必要があるので

定期的な受診が必ず必要です。

装置をたまたまネット等でゲットしても問題解決につながらないのは

一般の方には装置を選択するだけの十分な知識がないからですし、

使用状況を見極める能力も持ち合わせていないからです。

どういう装置でも100ケース以上の経過を見てこなければ

間違えることにつながりますから

より多くのケースを管理し続けてきている歯科医院を選択すべきでしょう。

 

もちろん、矯正専門医や 矯正治療が得意な小児歯科や一般歯科の先生ならば

こういう装置でうまくいっているのか?いないのか?の見極めができますし、

うまくいっていない場合はあれこれと次の治療法を持っていますから

普通のブラケット矯正治療くらいはできる歯科医院で

この装置は使用を指導されるべきでしょう。

 

これしかできない、これだけしか治療法を持ち合わせていない歯科医院は選択外したほうがよいです。

 

この装置をちゃんと使用すれば7割程度の矯正治療が必要と考えられるお子さんに

ブラケット矯正のようなより専門的な矯正治療が不要になるだろうという印象をもっています。

 

パノラマ写真がどうして必要なのか?というのは

歯根の状態や歯胚の位置や状態を見誤ると問題を生じるからです。

装置を使用している期間中は常に診断が必要です。

 

本当にごく稀なケースですが、エナメル上皮腫を見逃してしまい

長い成長期に見えている歯並びばかりに注意していて

大きく顎骨を失うことにつながっていったケースが報告されています。

また、ある特定の状態で特定の方向に矯正力を加えることで歯根が短くなってしまったり

歯根吸収が起こることは歯科医であればよく知っている事なので

時にはCTで3次元的な位置関係を確認する必要が生じる場合もあります。
何も人為的な力を加えなくてもお子さんの癖のために

歯根が短くなってしまっていたり

歯槽骨が超薄くなってしまっていて後の矯正治療が不可能になってしまったり

リスクを非常に高めることに繋がっていることもよくあります。

歯科医院に通院して長期管理下に入るということは

歯科医に管理責任が生じますから
大変なことを見逃していました~~ではすみません。

定期的にパノラマ写真を撮影させてもらえない場合は

管理下に入っていただくことをお断りせざるを得ないでしょう。

こういう見逃しをしてしまうとお子さんは本当に不幸な人生になっていきますからね。。。

歯並びは顔形を大きく変え生涯の機能も変えてしまうので

矯正治療はとても慎重に行われるべきなのです。

 

万が一歯科医院でレントゲン検査を断られると

診察を断るかまたは見える部位のみの限定的な治療(その歯だけ治療)にならざるを得ないでしょう。

それではよい顔・よい口元・よい歯並び獲得は期待できません。

顎骨内でどういうことが起こっているのか?ということを

ちゃんと知っておいて治療の方向性を変えていく必要があるからです。

 

セファロに関してはどうでしょうか?

こちらに関してはこの装置の場合実はさほど重要ではないと考えています。

なぜならば上下一体型で咬合平面も規格で付与され前歯のトルクも決まっていますから

治療計画をセファロ分析から変えることはないからです。

というか、変えることができないからです。

ただ、矯正専門医の場合はセファロ分析によって

自分が行った治療と自分が行えた別の治療システムとを比較検討したいという欲望があるでしょうから

セファロを撮影したいだろうと思います。

場合によってはいろいろな持ち駒の中からより良いシステムを採用しなければ治せないということを

先回りして推察してくれるかもしれません。

また、必要と診断すればこのタイプの装置にさっさと見切りをつけて別のシステム例えば拡大装置を併用したものや

フェイスマスクなどの顎外固定装置との併用などにチェンジすることをより積極的に検討する一助としてはセファロは有効だと思います。

 

私もこの装置でどういう成長方向へ育成できたのか?を確認したいので

Ⅲ級(受け口)のお子さんの場合セファロを積極的に撮影させていただくことがあります。

多くの日本人で上顎の前方への成長が悪いですからね。
また姿勢が悪いんですよね。

本当に鼻を使えない国民で

猫背国民なんです。

 

子供の時の猫背と鼻を使えないのが悪い歯並びに相関することについては皆さんもうよくご存じだろうと思います。

舌の機能不全なんですね。

睡眠障害に陥りやすいと思いますよ。

 

そういう問題を抱えている状態をこの簡単な装置と筋機能訓練で

改善していく結果歯並びがよくなって成長が終了するのです。

長~~い期間、背が伸び止まるまで経過を追っておきたいですね。

よい歯並びは一生の健康と関連するからですね。

 

矯正治療が必要だからと受診されたうちの

約3割のお子さんはT4Kなどの既製品だけでは治せないですね。

これは致し方ないですね。

先天性欠如があったり歯胚位置異常があったりまた、装置を指導したように使用しないとか、使用法が甘いとか、

鼻閉が全く治らなかったとか、そもそも筋力が全くないとか、ま~~~本当にバリエーションに富んだお子さんっておられますからね。

受診した3割くらいはこれらの既製品の筋機能矯正装置だけでは治せないです。

 

そこで、インビザラインファーストか?(とはいってもこの装置は1年半しか保証期間がないから割と使用限定されちゃいますが)

従来の拡大装置とブラケット併用で並べておくか?という選択になると思います。

そういう場合は、当院では35万円の治療費からT4K契約時にいただいていた6万円を差し引いた治療費

つまり追加29万円で成長サポートさせていただいています。

こういう成長サポートが必要になるお子さんでインビザラインで治療を行うとしても

まだ下顎のアドバンス可能な期間の治療になりますからIPR(歯のサイズ調整)は行わないケースになりますから

アーチフォーム維持にはたいていMyobraceのBroadセレクトになることが多いです。

つまり、上顎が前に発育できないタイプで歯の幅が広いお子さんは普通にT4Kで育てても

歯はちゃんと並んでくれないので

アーチフォームをより積極的に側方拡大する必要があるということになりますね。

人並のアーチフォームじゃ歯が並ばない顔面骨格のお子さんはおられますからね。

 

前歯を出っ歯にせずにどうやって上手く上顎の歯列を作ってそこに下顎をうまくアドバンスさせるか?

ってことを成長期に歯科医がよく考えて見極めて行うことで生涯大きく困らない歯列を作り上げておくのです。

赤ちゃん以降の成長時に頭の形がゆがんでいたり肩の高さがゆがんでいたり

目が左右違う位置についていたり

耳の高さが全く違ったり

すんごい歪みを持っているお子さんっておられますからね。

上手く成長期の歯並びで修正をしておかなければ

どんどん歪んで歪みが蓄積して最後は体を壊すんじゃないですか?

成長後が怖いですからね~~

 

歯科医の仕事って本当に奥が深いと思いますよ。

 

35万円でこういう歪みの修正指導までしてくれるならば

もしかしたらMRCがやっていることは破格の安さなのかもしれませんが、

岡山ではそこにお金をかける人はまだほぼいませんから

その程度の地域環境ではできるだけ多くのお子さんに平等に救える機会を提供するために

しばらくボランティア低価格でこの治療をご提供してもいいのかな~~

と個人的に思っているので

安価でまだ行っています。

周囲の歯科医からは怒られます。

こんな装置でこんなに直しちゃったら

しかもこんなに安価じゃ駄目だってよく言われます。

 

現在、首都圏や小児歯科の先進エリアでは

こういう装置でしっかり成果を上げてくれる歯科医院がどんどん増えてきていますね。

うちの医院は特別に安価な治療費でご提供しているのですが、

他所の歯科医院が30万とか35万~と言っていても

全く不思議ではありません。

むしろそのほうが歯科にとって

歯科を必要とする日本国民にとって

良いことなのかもしれません。

最近はそういう風に考えることがあります。

良い治療を安価で治療を提供するということは

そこに関わる医療スタッフの給料を安価に抑えることになり職場として考えたときに夢がないですからね。

この人出不足、人材不足の日本の現状で安価な自費治療の提供って

百害あって一利なしなのかもしれないなと思うこともあります。

優秀な医療スタッフが育っていく環境を整えていくことも

本来は私たち歯科医の仕事なので

今頑張って身体に鞭打って働いてくれている素晴らしい当院のスタッフが辞めるというようになった場合は

治療費を人並みに上げざるを得ないだろうなと痛感するようになってきました。

何しろ、医療現場の人々は皆疲弊しています。

本当にモンスターペイシェントのようなというか、

この場合はモンスターペイシェンツペアレンツが増えてきていますからね。

そういう人に当たるとただでさえ安い給料で疲弊しつつ働いて医療提供してくれている医療スタッフの心が限界を超えます。

ポキリと折れちゃうんですね。

それを上向きにサポートして遣り甲斐を見出すように方向を変えていくのが本当に大変なんですね。

今の当院のスタッフは昭和世代ですからまだ踏ん張りがきいて

自己犠牲的な部分があっても踏ん張って頑張ってくれますが、

今後はどうでしょうね。。。。

無理なんじゃないでしょうか?

医療スタッフといえども単なる人ですからね。

勘違いママや勘違いパパが増えちゃって

何の知識もないかあるいは役に立たないような中途半端な聞きかじり程度の知識で

勝手にいろいろ思いこんじゃって

医療者側にあれこれ苦情を入れて困らせるというケースを耳にすることが多くなりました。

当医院はそういう患者さんもそういう親御さんも幸いにも遭遇する率が低いですから

まだよいのですが、

これを30万円以上で提供しようとしている歯科医院は当たり前の治療費だとしても

上手く歯科医が治療に繋げなければ(より積極的な治療が必要なお子さんが必ずいますから)

大いにトラブルに巻き込まれるんじゃないでしょうかね?

こういう簡単な装置でちゃんと治る子は本当にたくさんいるのですが、

歯科医主導の本格的な治療のほうがまだリスクが低いからマシと思っている歯科医は多いだろうと思います。

こういう半分以上ご家庭でのきちんとした管理が必要になる装置が

一般的にならないのモンスターの存在のせいだろうなと実は思っています。

歯科医院ってトラブルリスクが高いことはしたくないんですよね・・・・・

 

患者や親に半分以上任せて彼らがちゃんと行ってくれなければ成果が期待できないという治療法は

実は大変リスクが高すぎて

誰もやりたがらない。

それが現実なんですね。

 

うちの医院は安いんですから

この治療法で治したいと本気で思っている人しか治らないですからね。

まず、子供はそんなこと全く思いませんから

その程度の子供を教育して育てていくことから必要になります。

その程度の子を育てるって言っても歯科医院に通院している短時間で子供が育つわけじゃありませんから

まず、親が育たなければいけないんですね。

親力がないのに医療者に自分の責任を完全転嫁しようとする親っていますからね。。

それが一番困るんですよ。

歯並びに問題を生じているってのは、

はっきり言いますが、ほとんど親の責任ですから

それを医療者に責任転嫁はできませんからね。

 

医療者が100%近く責任を取ってくれるのはお子さんの歯にガッツリとはめつけた

歯科医主導率100%の装置での矯正治療だけですね。

 

このT4Kのような可撤式の装置は歯科医は責任が取れないのです。

半分以上お子さんの成長を良い方向に誘導しているだけの装置ですからね。

使う使わないうまく使った使えなかったはご家庭の責任が半分以上になります。

そこを間違えないようにしてほしいです。

お子さんの成長はお子さん自身です。

しっかり栄養管理してあげたりストレス管理してあげたり親御さんの生活習慣から見直しが必要なことは多いですね。

特にお子さんが成長しているときにタバコなど吸っている親は残念ながら失格です。

私自身、父親はヘビースモーカーでしたから今でも代謝に問題を抱えているって思いますからね。

舌のトレーニングしてかなり健康になったし

頭の中に常にあったモヤモヤも消え去りましたし、

視界もクリアになりましたし、

上向きに熟睡できるようになり

姿勢もよくなり

鼻も通るようになり

唾液もバンバンよく出るようになって

もしかしたら癌かも?というような不安から解放されちゃいましたし、

炎症体質からも脱却できましたが

これを得るためには本当に苦労しました。

親が知らず知らずに子供に与えている影響って本当に大きすぎますからね。

歯科がこんな簡単な装置で半分以上使用を本人に任せっきりの装置で

正常に育つようにサポートしていくのって本当に神業だと自分でも思いますからね。

その物凄い勉強量無しにこんな簡単な装置だけで治るんだ~~~~じゃ無理ですからね。

 

うちの医院の場合、インビザラインも必要なケースはCT撮影して評価するんですが

そういう評価無しのシステムで健康被害や口腔崩壊につながっていくケースを

歯科医の勉強の場でたくさん見てきていますから

ネットでゲットして安易に矯正治療しちゃおうとかいうタイプの矯正治療は本当はとても怖いことなんですよね。

誰も言わないですけど、よく勉強している歯科医だけが知っている悲劇的な事って実際たくさんあります。

素人さんは素人さんの知識しかないわけですから

専門家の言うことはしっかり尊重して聞くべきですね。

 

それができない人が最近増えてきていることに怖さを感じます。。。。

幸い、当医院を選択してくださっている方はブログをしっかり読んで来てくれていたり

紹介が主ですから歯科医の説明をしっかり理解してくださっています。

 

おしまい。


注意:R3年になり6万円の治療費を倍の12万円に値上げさせていただきましたので

過去のものも訂正させていただいております。