インビザラインファースト!vs T4K
つけていることがわからない装置(20時間~22時間の使用が推奨されている)
VS 日中活動中には使用しなくてよい装置(日中の1時間のアクティブな使用と睡眠時のパッシブな使用でよい)
今回は小児期の早期矯正治療の有効な選択しである
インビザラインファーストと T4Kなどの筋機能矯正装置について比較してみたいと思います。
インビザライン ファースト!!
凄い装置が日本全国でいっせいに小児矯正用装置として解禁になりました!
この装置のどこが凄いって
まあ、ほとんど何でもできちゃうところでしょうね。
(埋伏歯を開窓牽引する時はさすがにブラケットが必要だが)
当医院ではずっとオーストラリアのDr.Farrellが開発したT4Kという
簡単な筋機能矯正装置とMFTという筋機能訓練法を併用した
身体の成長と機能の成長を改善しながらの
既製品の筋機能矯正装置による育成矯正というものを行ってきておりまして
世界で始めて出たDr.Oscarの教科書にも日本からの3ケースとしてご紹介いただいたということで
日本各地の歯科医院からのご要望にお応えしてT4Kのセミナーを行いに行ったり
全国からT4Kと独自の筋機能訓練を受けたいということで
たくさんの親子連れに御来院いただいて
膨大なケースを診療させていただいてきたわけですが、
まあ、それはなぜか?って言えば
成果を出しているのに治療費がとても安かったからですよね。きっと(笑)
何しろT4KやEFライン、プレオルソやムーシールドなどの既製品の大盤振る舞い(笑)
必要があれば随時必要な装置を総数何個提供しても総額6万円ポッキリの
矯正治療(その代わりこれらの治療法の普及のために画像使用承諾を行ってねという条件付きで)
ポッキリ6万円(乳歯列期ならばなんと!2万円)という
お手軽治療費がウケたんでしょうね。
こんな簡単な装置で
子どもの顔もよくなって口元もかっこよくなって歯並びまで綺麗に育てられるんなら
こりゃいいわ~~~~~ということで
全国から多くの親子連れに御来院頂いてきました。
(とはいえさすがにこういう治療は装置を渡してハイ終わりよ~~というわけではないですから
(全国の歯科医院やネット通販物の売れば終わり系のやり方では装置を渡せばそれまでよという方法も多々ありますが・・・)
年に最低2回~3回は経過観察と成長に伴った筋形態と機能の獲得の観察と随時必要な筋機能訓練指導が必要なわけで・・
ということは、つまり永久歯列が出来上がりグングン背が伸びていく最低でも中学1年頃までは定期的な通院が必要なわけで・・・
ということは7歳からこの治療法を開始したとして13歳までの通院で6年~7年間×最低2回=12回~14回以上の親子の交通費と
口腔メンテの費用が必要なわけですから
お近くの歯科医院で例えばこの治療を35万円で行っているとしたら
東京⇔岡山間 新幹線移動だと母親の交通費往復3万円+小学生交通費往復1/2必要ならば
結局は関東だと近くの歯科医院で35万円で行ってくれるんだったらそっちのほうが安いジャン!ということくらいは
賢い主婦ならばわかるはずですから
最初のT4Kでの筋機能矯正治療を行ってくれない頃ならばいざ知らず(当初は関東からも通院が多かったのです。涙)
いまどきはどこの歯科医院でもこういう既製品の筋機能矯正治療は行ってくれてるわけで・・・(せっかく普及に尽力したのでそう思いたいです))
最近は近県からの来院程度に落ち着いてきて少しホッとしていますが(何しろすべてのケースがこれだけで治せるわけではないので)
近県や県内からの来院のお子さんだったとしても
こういうT4Kのような既製品では
上手に使えないご家庭というのがしばしばおられます。
もちろん、そういうことは可撤式(取り外し可能な)装置の宿命ですが。。
T4Kの場合、
何しろいくら装置が最初軟らかいシリコン製だからといっても
あまりに酷い歯並びになっていれば
それに矯正力を加えようとすれば
既製品の型枠をお子さんご自身がとんでもない方向を向いた規格外の歯を
既製枠に押し続け続ける気合と根性と多少痛くても頑張る努力が必要になるので
気合と理解がないご家庭の場合
日中の1時間のカムカムトレーニングがまったくできません・・・・
だから夜間は装置ははめて寝られません・・・・・
あるいは夜間装置は歯列から浮き上がっていて
とりあえず口から半分以上出た状態でモゴモゴしてます・・・なんて
上の歯列が治る希望はゼロみたいな・・そんな状態のお子さんっていうのが
30%くらいはあったのです。(この30%程度というのも実は驚異的な数字だと評価してもらえるはずなのですが。。)
そういうお子さんになっていれば(というかそういう使い方になっていれば)
お子さんは夜だけとりあえず口にドデカイ装置を歯に当たることなく
(一部は当たっていたとしても)
入れて口をあけっ放しで寝ているわけなんですから(口テープしろっていってもできないわけで・・・)
下顎の歯列は上顎の歯の支配を受けることなく伸び伸びと育つので
下顎の歯列のアーチフォームだけよくなり(外側からの力を排除してるんですから綺麗なアーチに育つんですよ)
装置がほとんど浮いた状態の上顎の歯列は狭窄歯列のままで
噛み合わせは悪く育ち鼻が悪い顔のまま
(上下一体型の筋機能矯正装置をはめて寝るだけの場合、
上顎の前歯は舌側に引き倒され出っ歯は治るが犬歯が入る隙間がなくなっているケースができてくる。
(つまりバイトが深くて出っ歯のままだと犬歯は歯列に入った可能性があるのに・・・という意味で)
他方、下顎は上顎の歯からの影響を受ける時間が少なくなるので
叢生は解消され綺麗な歯列の獲得に成功しやすくなる)
のびのびたのような鼻詰まり顔に育つ傾向に陥るので
下顎の歯がガタガタのままでも顔が短く育ったほうがまだ可愛かったんじゃない??というような状態になって
(つまりは側方歯群の交換期(CDEがグラグラしたり抜けてきて)に犬歯が入りきらないようになっていても
親は定期健診にも来ない・・・というようなことが生じる場合もあり・・・・・泣き
装置は夜間とりあえず入っていれば
出っ歯にならず前歯は引き倒されるから
上の歯は飛び出してはないけど引き倒されているだけで
最後に生えてくる犬歯の入るスペースがないジャン!!!という顔と歯並びになることもあったりして
最終的に矯正専門医を早期に受診してくださいということもありえますからね。。。
そしてたいていそういうご家庭はご家庭内に多大な問題を抱えておられることが多く
つまりは夫婦仲に問題を多く抱えていて親が子どもに寄り添って育てる余力がなくなっているという場合もあり・・・・・・・・
Dr.FarrellがMRCトレーニングセンター構想を発表して日本の歯科医院に販売し始めた初期から
これらのマイオブレース(昔はT4Kしかなかった)装置を
多くのお子さんに御提供してきて様々な経験を積ませて頂いてきました。
装置のコンセプトは私の理解では、
既製品の安価な大量生産の装置を使用して
厳密な歯のコントロールではなくざっくりとした
歯列の修正と対向関係の誘導により
成長期の治療介入をしなかったことによる骨格性不正咬合になって
外科矯正になる可能性をできるだけ排除しようというもので
様々な高価で専門的な装置がある中で一番手頃で誰にでも用いやすく安価に提供しやすいという理由で
T4Kのような既製品の筋機能矯正装置をお子さんの成長期に筋機能訓練と共にできる限り安価な治療費でご提供してきたのですが、
(こんな装置だけで35万円とかの治療費を設定してしまうMRCクリニック制度っていうのにはず~~っと反対の立場です。
35万もらうならもっと専門的な装置でちゃんと治療しろよ~~~という気がします。何もT4Kなどの既製品の装置だけでの治療にその金額は要らないでしょう・・・)
わかったことは、
こういうブカブカした型枠装置は歯にはフィットしていないので
管理を怠ればとんでもないことが生じるので
しっかり通院してもらい管理は決して怠るなということです。
ご家庭で毎日のご使用でよい装置というのは逆に言えば装置をお渡しする際に専門家が指導をいくらしっかり行っていても
ご家庭の使用状況はこちらでは把握しようがないので
必ず定期的な通院をおさぼりしちゃあ駄目よ!!ということです。
ご家庭で不和があったり本来は一番お子さんに寄り添うことができる立ち居地のはずの
お母さんが(今の時代そんなこと言ってたら時代に逆行してますかね?)外で仕事をしてこなくちゃいけない家計環境であれば
お子さんの管理は日常生活で疲れた親御さんによって疎かになりがちで
装置の使用法や成長に伴った筋肉の成長のチェックも疎かになりがちで
装置をとりあえず夜中に口の中に浮いた状態でフガフガ入れてるみたいだし~~~と放置してしまっている親だと
このような筋機能矯正装置は害にしかならない可能性もある。ということを経験することがありました。
このことはしっかり伝えておきたいと思います。
教育と同じで成長誘導は根気とたゆまぬ努力の継続が必要なのです。
こういうブカブカした歯にまったくフィットしない既製品の装置は歯科医の管理下でちゃんと管理してもらいつつ
使用しなくちゃ怖いことになりますよ。ということ。
例えば、こういうブカブカした装置をはめたままずっと横向き寝しかできなければ
装置は浮き上がったまま片側にズッてはまってますから
正中ズレや顎ズレが酷くなることだってありえますよね。
そして、フガフガフガフガ浮かせたまま口に入れておいても歯に矯正力はかかっていませんよということ。
そしてそういう使用法だと装置を持っていて使っていても治っていませんよということ。
また理想的な歯列から飛び出している歯に装置を押し付けて矯正力をかけようとしても痛むから使用してくれない子は多いですよということ。
更に、鼻炎。これが駄目です。鼻炎が酷いと口で息しないと死んじゃうかまたは活動停止しなくちゃいけないんだから
鼻炎が酷すぎるとこういう上下一体型の装置は使用不能で矯正力がかからないということ。
ま~~~とにかく
色々なケースを経験させて頂き、また色々なご家庭の事情をお聞かせ頂きましたから
大変だったです。特に遠路はるばる来院された親子連れであまり経過観察に来院されなくなっていて
もうT4Kだけじゃどうしようもなくなってますよという時になって再来院された場合などがあり・・・
こういう装置だけでは治せないお子さんの積み残しというのをなんとか防ぐ必要があります。。。。
ただ、このブカブカブカブカしている装置って言うことが口腔容積の拡大には効果があるので
神経質な口腔周囲の緊張を解いてくれるには効果はあるので
いい面もあるので使い方なんですけどね・・・
ということで、ど根性物語のような安価で親思いのT4Kでの歯列矯正にくじけたお子さんには
最終的には抜歯してブラケット矯正?というご提案になりがちだったのですが、
ここにインビザラインファーストという装置が日本解禁になりましたから
こちらを今後はお勧めできると思っています。
(ただしインビザラインでの矯正が選択できるご家庭の場合ならば
臼歯の漸次後方移動ということ事もインビザラインでは可能です。
ですから時期がよければ抜歯なしで綺麗な矯正治療が可能になります。
この場合は、交換期終盤ですからインビザラインコンプリヘンシブになることが多いです。
(当院の場合65万円-6万円))
インビザラインの臼歯の後方移動による実際の動画↓↓
((せっかくなので当院のど根性T4Kだけでこんなに自分で治しちゃってるよ!という
(T4Kだけでも使いこなせばこんなに酷いアーチから離れた歯でも
アーチに引き込んで身体の歪みも治しつつ
上下の正中を合致させることはできます。
ただし、根性とたゆまぬ努力が必要です。当院では総額6万円です。))
また
インビザラインファーストにはMAという機能があります。
これはマンディブラーアドバンスメント機能で
下顎の成長が悪いお子さんの下顎の成長を前方誘導することができる機能です。
つまりT4Kが目指すところである睡眠時呼吸障害の改善、
つまり気道閉塞による睡眠障害の除去を可能にしている機能です。
下顎についている筋肉は多種あり
姿勢が悪いお子さんは
下顎から首、肩にかけての前側の伸びが悪いままで成長しちゃいますから
こんな感じで身体も猫背で鼻も詰まって
鼻スジも鷲鼻になって折れ曲がって(成人で)
顔がペタンとなって
首の伸びが悪く
呼吸も浅いので
自律神経失調になりやすいのです。
そしてそのまま歯並びが出来上がってしまうと反復運動刺激によりろくな人生を歩めなくなってしまいます。
迷走神経刺激によるものとも言われています。
歯がガツンガツン当たりやすい人に育つので歯にもダメージを受けやすく
歯科治療も上手くいきにくい困った人(さまよえる患者)になりやすくなります。
(←ま~~言いすぎですがw)
これら様々な筋肉を成長する間ずっと伸び伸び伸ばして成長させそこに成人の永久歯咬合を作っておいてあげるということを
筋機能矯正は目指しているわけなんです。
睡眠時呼吸障害の改善にも役立つので成長ホルモンも出ますし
のびのび育つというイメージです。
この時期(乳歯から永久歯に交換する時期)が顔の発育には重要なのです。
T4Kでは上顎の前歯を引き倒しながら(外人仕様に立てつつ)
切端咬合位まで下顎を前方牽引することで
伸びにくくなっていく下顎を適応させていきそこで咬合をさせていくということをやっています。
(まあ、正常咬合位の顎位で育てるタイプの装置も各種あるのでその選択は歯科医が随時行っているわけですが)
伸び伸び首の伸び伸び機能の伸び伸び伸び盛りのお子さんを
のびのび育ててるのがT4Kのコンセプトで
下顎の前方誘導。これを出っ歯修正と共に実現させているので凄いのですが、
(あくまでも正しい使用と必要な経過観察の元でですよ!何度も言いますが)
これらの気道形成を伴った筋機能矯正ができるのが
なんと!インビザライン ファーストのMAなんです。
しかも1本1本の歯の細かいコントロール付で!!!
この1本1本のコントロールが可能っていうところがまさに秀逸です。
回転だって傾斜だって治せちゃうし歯体移動だって保隙だってできちゃうんですからね。
(T4Kなどの筋機能矯正装置ではそういうことができません)
こりゃ~~凄いですよ!!
ということで
軍配はもちろんですが
T4Kよりインビザラインファーストに上がるわけです。
ただし、問題があります。
インビザラインファーストは技工代が半端なく高いのです。
どうやってもどんなに博愛主義の歯科医院だったとしても安くできない。
だからすべてのご家庭で選択できる装置か?って言われれば
どんなに子ども想いのご両親でも
お金に困っていれば選択は無理~~~~~ということ。
まあ、ここが資本主義のアメリカの装置の限界ですわ・・・・
ということでインビザラインを販売しているアラインテクノロジー社の社員はどんどんどんどん増えて
会社の株価はどんどん上がっていきますが、
この装置で救われるお子さんは比較的裕福なご家庭で理解力の高いご家庭に限られる。
というのが現実です。
まあ、それはさておき、いいシステムはお金がかかるってことですわ。
お金がかかってもいいからいいシステムでしか治らないお子さんや
お金がかかってもいいからいいシステムで治したいお子さん。
T4Kでのど根性矯正に疲れたらインビザラインファーストという選択ができますから
しっかりお金だけは貯めておいてくださいね。。。っと。
親は大変ですが可愛い子のために頑張れることってありますよね。
セレブな小児矯正治療:インビザラインファーストは
当面、岡山の船橋歯科医院では35万円でご提供しようと考えております。
しか~~し、もちろんのことですが、経過観察費をきちんと頂きます。
1回3500円くらいかな・・・きちんと経過観察が必要な装置ですから
18ヶ月頑張れる子でその後の経過観察もきちんと来れる子は
セレブな矯正治療法でしっかり人が羨むような歯並びと顔をゲットしましょう!
(今、まだ解禁されたばかりなのでシステムを作っているところですので詳しくは受付にお問い合わせください)
それではよい顔・よい口元・よい歯並び獲得目指して!!
貧者のT4K矯正 vs セレブなインビザラインファースト治療
インビザラインファーストは18ヶ月の使用期間制限がありますからファーストだけじゃ治せないケースも十分考えられますのでそういうときにT4Kなどの機能矯正装置を併用するというのがいいと思います)(また貧者とは経済的な意味合いだけではなく親の知識量や歯並びに対する意識にも当てはまると思います)
まあ、どちらにしろお子さんが身体的にも精神的にも問題を抱えているのに放置されるよりよほどよい!
どちらでもよい親には変わりはないですよね。
(もちろん他の矯正装置を採用している歯科医院を選択してもよいし)
頑張るよい子になりましょう~~~
親は管理と応援しましょうね~~~~
(子にしてあげたくてもできない親も日本には大勢いることをけっして忘れないでください。
格差社会の是正。
これは政府の仕事ですからね。
ここからは・・・歯科医じゃなく日本社会の仕組みの問題です。
金がなきゃ歯並びが悪いのは諦めろ!!というのが日本の医療制度ですからね。。。
選挙権はすべての18歳以上に公平にあるんですけど
医療制度の基本は変わってないですからね・・・・・)
賢い親御さんは家計管理もしっかり行いましょう~~