日本ではアライナー矯正はまだまだ歯並び矯正治療の主力になっていません。
これは、日本矯正歯科学会という老舗の学会の古老達がもしかしたら最新の機器に疎く
デジタルデザインについてもうすでに勉強する気を失ってしまっているからかもしれません。
(矯正の先生は割と先進的な先生がもともとは多いのですが、
最近のデジタル時代の変化の速度についていけるだけの頭の柔軟性と発想の豊かさ許容性を
最古級の学会指導者たちに求めてももう無理なんじゃないかと思ったりします)
もともと、アライナー矯正システムの元は約70年前1946年にKeslingが開発したtooth positionerにあり、
以来軟性素材による歯の矯正装置として改良改善されて現在に至っています。
昔はアソアライナーやクリアライナーのように技工士が模型を分割してセットアップすることから始まり
矯正治療ステップごとに歯の移動量を加えて模型を加工しそれに軟質素材を過熱プレスして作成されるものが主流でしたが、
そういうアナログな方法は技工士の技量に非常に左右されてしまうので
歯が想定するように上手く動いてくれず様々なトラブルを生じてしまうことが多々ありました。
そしてそのトラブルが消費者センターや歯科医師会、矯正歯科学会に報告されることが多い時代があり、
また現状でもそのようばアナログの手法を用いたアライナー矯正がまだ多くおこなわれているために
日本全体がどちらかといえばアライナー矯正には否定的な反応を示すことに陥ってしまっているような気がしています。
しかし、ヨーロッパでもアメリカでもそういうアナログ時代はすでに終焉に向かいつつあり
比較的早期からコンピュータースキャンによる模型不要のデジタル時代へと移行しつつあります。
これは、私が勉強に行ったハーバード大学でもトリノ大学でも同じで、つまりアメリカでもヨーロッパでも大学が主導して
矯正のデジタル化を推進していっているのが日本との歴然とした違いで
本当にあっけにとられるというか感動するというか・・・・・
日本何してるんだ~~~~~と不甲斐なく思うというか・・・・
アナログってすでにデジタルに勝てないんだよ~~~~ということを
もっと認識すべきだと思う今日この頃でございます。
これは、よく例に出されることなのですが、
ルービックキューブの大会。これ、凄い!という記録が生まれて騒ぎ立てるということがされています。
4.59秒。これもう古いでしょうか?
4.73秒これが最速でしょうか?
大丈夫でしょうか?あまりこの世界に詳しくないのですが、
4秒台で完成させることが出来る人がいるということは凄いことということらしいです。(私などとても無理です笑)
ところがこれをAIを使うと簡単に破られてしまうわけです。
更に改良を重ねて0.6秒台で出来るように!
いや~~実に
あっけなかったですよね。
ボタンぽんで一瞬です。
こういう技術の積み重ねというのは医学ではなく工学です。
工学の知識と技術が必要で、
それを実現させているのがインビザラインという治療法になるのです。
インビザラインはデジタルテクノロジーなのです。
感動とか人間臭さ、途中で考えて道をウロウロする、
というステップがまだ残っていますが、
それもまだ今のうちだけかもしれません。
そのうち世界中の大学の研究が集積していけば
また臨床のフィードバックが蓄積していけば(現時点で400万ケースレポートを反映しているが
(スマートトラック以前の110万ケースを除いている)更にケースレポートは鼠算式に増加中)
凄いシステムに育っていくことはもはや疑う余地がないという気がしている。
例えば、成長期におこなうインビザラインTeenには歯の萌出予測に5000本の歯の形の蓄積から遺伝的要素をはじき出し
生えてくる歯の大きさの予測が組み込まれているというし、
こういうことに関わる600名のエンジニアリングと2つの大学研究機関によって
日々インビザラインシステム自体が更新進化し続けているというのが凄いことなんだな~~と
思わざるを得ない。
今回、イタリアのトリノのグラントリノコースに参加したことが御縁で
同じイタリアのベネチアで開催された第2回ヨーロッパアライナー矯正歯科学会学術大会に参加させていただいた。
右が今大会長のFrancesco Garino先生。
左がトリノ大学の矯正科のTommaso Castroflorio先生。
そして世界の尾島先生。
尾島先生は日本の矯正界に世界への門戸を広げてくださっており
今回も大変貴重な機会を与えてくださいました。
ヨーロッパといえども英語には国によってなまりが強いので
日本語同時通訳をセッティングしていただけたのは
本当にありがたいことでした。
たぶん尾島先生と今学会の大会運営局の先生方との関係があってのことでしょう。
まったく凄い先生です。
せっかくの学びの機会なのですが日本からは10名程度の参加ではなかったでしょうか?
今回の学術大会では世界から550名が参加でした。
大盛況で会場は熱気に包まれていました。
本当に素晴らしい大会の成功おめでとうございました。
今後のアライナー矯正の進化に遅れをとらないように
日本も頑張って欲しいと思いました。
日本ではアライナー矯正歯科学会が毎年東京大学の一角でおこなわれています。
世界から数名の先生が参加されていますが、
こちらも年々参加者が増えてきているようにきいています。
今年からは(実際は去年のIDSから加速したのかな?)DSDというセラミストが主体になっておこなっている
デジタルスマイルデンティストリーとインビザラインをリンクさせた治療が注目を浴びてきていますが、
これ、実際はセラミック治療の術前矯正としての
インビザライン矯正ということになってきているのではないかと思って見ていたりします。
歯を削ること前提なんだけど、出来るだけ神経は残そうよという審美治療の方向性でしょうか?
また、歯茎ラインを整えるという審美治療の鉄則に向かい術前矯正をおこなうという方向でしょうか?
当院は出来るだけ歯を削らずエナメル質を温存していくため術前矯正治療を提案しているので
DSDのようにかなり削りに行く治療というのに少し距離をおきつつ
一応、写真だけは撮ってきたのでしたw
肩から斜めにかけているのは大切なパスポートとお財布です。
今回フランクフルトからベネチアへ入る飛行機でロストバゲージにあい、
更に会場でコングレスバッグの紛失に会いましたので
(いずれも無事戻ってきましたので運がよかったのですが)
用心深くしています。
仮に色々なハプニングがあったとしても
どんどん海外に勉強に行くと楽しいと思います。
命とスマホがあればたいていのことは楽しい思い出になります。
これからも海外でいろいろなことを学ばせてもらおうと思った数日間でした。
日本も遅れるな~~~と言いたいです。
色々なシステムが開発され販売されていますが、
やっぱり一番はインビザライン!!
ということでした。
システムがやっぱり凄いんですよね。