最近、日本の矯正歯科が大きく変わってきた。

 

昔は矯正歯科と言えば、

「とりあえず永久歯が生えそろうまで様子見ましょう」

 

というか、

 

ストレートに「永久歯が生えそろってから来て下さい」

 

というのが普通で、

 

「矯正は1次矯正と2次矯正があり、

 

1次矯正は永久歯交換期まで。

 

2次矯正は永久歯が生えそろってから」

 

なんて、はじめから2つのステップを踏むのが当たり前みたいな

 

システムを作って説明していたものだが、

 

そうなると、自然と料金体系も2本立てになり、

 

みすみす成長期を取り逃がして歯だけとりあえず並べるために

 

必ず4本以上(たいてい上下第一小臼歯。ひどい場合は67なども同時に)

 

抜歯が矯正とセットメニューになっていた。

 

ところが最近はかなり違う。

 

成長期に顎をしっかり拡大してさっさと歯を並べてしまう。

 

(T4Kや床矯正装置・固定式拡大装置などを使って)

 

また、成人も以前は、

 

「成人の場合、顎を拡大することは出来ない。」

 

「犬歯間幅径は変えてはいけない」などと言われ、

 

矯正前には、まず抜歯というのが当たり前だった。

 

しかし、どれくらい前からだろう(たんぶんここ10年くらいの間に)

 

成人でも歯列の拡大をガンガンするように変わってきた。

 

これは、やっぱり、非抜歯矯正が患者の支持を得やすいからだろう。

 

実は、抜歯までして歯並びをよくするのは抵抗があるという人が、

 

ほとんどだろう。

 

だから、今は非抜歯矯正を標榜する矯正歯科医院に人気の軍配が上がっている。


 

さて、その方法だが、

 

小学生の間で一番よく見かけるのが拡大床


Dr.ふなちゃんのブログ

 

これは、以前から小児歯科でされていたのだが、

 

普及には鈴木設也先生が立ち上げた床矯正会の存在が大きいだろう。

 

床矯正会のシステムはとてもよくできていて

 

矯正の基礎知識が乏しい、矯正を一人でするには心もとないような先生でも

 

うまくホローしてくれるシステムが作られていたので

 

日本全国の一般歯科医の間に一斉に床矯正が広まった。

 

今では衛生士が床矯正を主導してしているところもあるほどの

 

面倒見のよい会のようだ。

 

(非抜歯矯正を日本でメジャーにした鈴木先生は実にすばらしい先生だと思う)

 

そして、これからはT4Kの時代が来ると

 

田舎の歯医者さんは確信している。


Dr.ふなちゃんのブログ

 

成長期に歯並びになんらかのトラブルがある子はみんなT4Kをしたらいい。

 

(T4Kとひっくるめて言っちゃいましたが、

 

実際にはもちろん、Myobraceを含めた各種トレーナーを症例に応じて使い分ける必要があります)

 

中学生や高校生や成人は、

 

拡大装置+ブラケットまたは、長谷川先生のGUMMETALでの拡大


Dr.ふなちゃんのブログ

 

など、何がしか上手く歯列を拡大してやれば非抜歯でほとんどの症例が綺麗に歯が並ぶ。

 

しかし、実際には、顔自体の水平的発育自体が上手く出来ていないケースがほとんどなので、

 

歯だけは綺麗に並んでも顔との関係が問題で

 

(そりゃあ、そうだろう。

 

ふつう成長後に不正咬合がある人は、

 

顔が成長不良なのだから、歯だけ非抜歯で綺麗に並べたら

 

上下顎出っ歯になっちゃいますよね。)

 

しっかりと事前検査をして

 

担当ドクターと一緒に詳しい目標を定めることが大切です。ペタしてね