歯医者として矯正治療を行う際、
とっても難しい問題があります。
それは、歯並び美人を目指すと、横顔美人から遠ざかる
そういうケースがあることです。
歯科医院にこんな美人が来院し、歯並びが気になるので、
矯正をしたいといった場合、この顔つきを変えちゃっていい?
よいわけないですよね?
例えばこんな人。(田舎では稀か?)
はっきり言って、超美人。
しかも、美人のご多分にもれず、美意識は高い。
歯磨きも完璧で、歯がキラキラ宝石のように輝いている。
2種類の歯ブラシと糸ようじを毎回使用。
高価な歯磨き粉も使用中。
虫歯なし。口臭なし。歯肉炎なし。
食べ方も、喋り方も問題なし。
筋肉の異常緊張なし。
顎関節問題なし。
十分お綺麗だし、お困りのことはないのでは?
ただし、
歯並びが、ガタガタ。
矯正で歯並びを治したいと言われる。
それは可能だけど、次がいけない。
歯を抜かないで治す?
それじゃ、出っ歯になりますが!!
かくして、
①嫌々ながら上下4本+親不知の計8本の歯を抜き、
1年半の矯正治療+終生の保定のコースを選ぶか、
②拡大+親不知抜歯+スクリューインプラント(前歯を飛び出さないようにするための
固定源として一時的に使う装置)追加の2年の矯正治療+終生の保定のコースを選ぶか
③前歯を一層削って陶器のツケ爪みたいなもの(ポーセレンべニアという)を貼り付けるか
(いわゆるこれがセラミック矯正、クイック矯正、審美歯科治療)
選択プランを提示することに。
いずれも格安でも100万円。通常、200万円~500万円のコース!
成長後では、
歯並び美人と横顔美人の両立はお金もかかるし、苦痛も伴う。
術者もテクニックや材料を駆使しないといけないので元手もストレスもかかっちゃうのです。
なんなら材料代も技工代も技術料も優秀なスタッフの人件費も・・・・超高い。
頭を悩まし、泣く泣く綺麗で健全な歯を抜いたり、削ったりする。。。。
あなた、なぜ、成長期にほっといたの?
ほっとけば綺麗な歯並びになるとでも思ったの?
それとも急に美をとことん追求したくなったの?
歯並びは、成長期に治すべし。
次回は最新の予防矯正法のご紹介。