猫の糖尿病 テルミサルタンの副作用 | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の糖尿病 テルミサルタンの副作用

おつかれちゃんやね。

今日はこんな季節なのに『鍋』です。
真夏に食べる「鍋焼きうどん」なんかも最高です。

『塩白湯鍋』



鶏と野菜の出汁が効いた、まろやかでコクのある味。
鶏モモ肉とつくね団子、白菜、白ネギ、菊菜、豆腐。

さすが茅乃舎、美味しいやん。
クリーミーで優しいです。



ところでオロゴンの血圧と気になる腎数値。
現状をちょっと書き出して再確認です。

・糖尿病。
・腎数値の上昇。
・高血圧症。
・食欲低下。
・体重減少。
・多飲多尿。
・よく鳴く。
・犬歯の挺出、抜歯。
・甲状腺機能亢進症の疑い。

・慢性膵炎の疑い。

ん~・・・けっこうあります。
上記の中で早急に対応しないとダメなのが・・・

・腎数値の上昇。
・高血圧症。
・甲状腺機能亢進症の疑い。




この前の診察で「甲状腺機能亢進症」の疑いが出たので“チロブロック錠”を飲んで様子見しています。
もし「甲状腺機能亢進症」ならいろいろ影響が出てくるので状態の解釈が変わってきます。

厄介なのが「甲状腺機能亢進症」「腎臓病」を検査上で隠してしまう事。
オロゴンは糖尿病もあるので「糖尿病性腎症」になる可能性が高いのに、血液検査で表れにくくなる。

逆に、「甲状腺機能亢進症」の治療を始めると「腎臓病」が数値として表に現れてきます。
尿素窒素やクレアチニンとかの数値が上がってきますので・・・この話はココで一旦保留。

次に気になる「腎数値の上昇」「高血圧症」

ARBのテルミサルタンを3月20日頃から1ヵ月飲んだ4月20日頃、血圧が急に安定して130台に。
4月20日から18日間投薬せず血液検査したところ、クレアチニンの値が“1.51”から“2.69”に急上昇しました。

実に“78%”の増加で、数値的には急激な悪化です。
その他の項目は前回と変わらずだったので、クレアチニンだけが上昇しています。

ここで「甲状腺機能亢進症」の話しに戻します。

過剰に分泌された甲状腺ホルモンを薬で抑える事で隠れた腎臓病が表面化すると書きましたが、
オロゴンは「甲状腺機能亢進症」の治療を始める前にクレアチニンが上昇しました。

クレアチニンの上昇は隠れた腎臓病によるものなのか?
それとも「腎臓病」の表面化や悪化ではなく、なにか別に原因があるのか?

そもそも高血圧の原因が「糖尿病」なのか「甲状腺機能亢進症」なのかも気になりますが、
高血圧を抑える為のテルミサルタンを服用してからクレアチニンが急増しました。

テルミサルタンはARBと呼ばれる種類のお薬で、“RA系阻害薬”になります。
お馴染みのACE阻害薬であるフォルテコールも、“RA系阻害薬”の1つです。

この“RA系阻害薬”は降圧作用の他に、腎臓の輸出細動脈を拡張して糸球体内圧を下げ、
糸球体過剰濾過を抑制して蛋白尿を抑え、腎機能悪化を抑えます。

しかし、“RA系阻害薬”の副作用には「腎機能低下」「高カリウム血症」があり、
お薬服用後に血清クレアチニンが30%以上上昇した時は、中止又は減薬の必要があります。

 


どう調べるかというと、お薬を飲み始めてから2~3週間後に血液検査を行い、
クレアチニン値が30%以上増加しているかどうかを調べます。

30%以上の増加が認められれば「両側腎動脈狭窄」が起こっている可能性が高く、
そのまま服用し続ければ腎臓にダメージを与えて「腎機能低下」となります。

「両側腎動脈狭窄」を簡単に言うと、腎臓へ繋がる腎動脈が細く(狭窄)なった状態で、
それにより腎臓の血流が低下して腎血圧が下がってしまいます。

その状態を全身性低血圧と勘違いして血圧を上げるレニンを分泌してしまい、
結果的に全身性高血圧となります。

その状態(両側腎動脈狭窄の状態)でテルミサルタンを服用すると、
さらに腎臓の血圧が下がり腎虚血となって腎臓がダメージを受けます。

ちなみに、30%未満の場合は投薬を継続しても良いとされていましたが、
30%未満でもリスクがあることが明らかになったという記事もあります。

 


どちらにせよ、この概念は人医療のスタンダードであり、獣医療には無いようです。
獣医療には当てはまらないのではなく、単にエビデンスが無い=検証されていないのでしょう。

オロゴンのクレアチニン値急増の原因が「両側腎動脈狭窄」なのかどうか・・・
とりあえず今は飲ませてませんが、また血圧が上がってきたら“Ca拮抗薬”での対応になります。

「甲状腺機能亢進症」の治療をして「高血圧症」が改善されたらラッキーなんですけどね~
まぁ、そんなに上手くいきません。

初診断から4年と4か月ですからいろいろ出てきますよね。
あと4~5年頑張らねば!

でわでわ。