猫の糖尿病 慢性膵炎 ⑤ | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の糖尿病 慢性膵炎 ⑤

おつかれちゃんです。

最近またしても誘惑に負けて3時のおやつにいろいろ食べてます。
苦楽園周辺はちょっと名の知れたパティスリーが多いので困ったもんやわ。



『エルベラン』の「レモンパイ」。

サッパリとしたレモンカスタードクリームを挟んだサクサクのパイ生地に、
無駄なものが一切入ってない、ふんわりとした口どけの良い生クリーム。

絶妙。



『ルメルクール』のケーキあれこれ。

ミラーチョコでコーティングされた、100%チョコレートのケーキ。
甘酸っぱいジュレとピスタチオ、生クリーム、ホワイトチョコ・・・どこ食べても美味しすぎる。

ところで、先週の診察から1週間経過したオロゴンの血圧ですが、
テルミサルタンを1日1回1/4錠飲んで、26日頃の夜の最高血圧が155~160くらい。
 

30日の朝に測ったら147なので徐々に身体に馴染んできてる感じです。
出来れば140程度で推移させたいところですが、1日の中でも変動があるのでもう少し様子見です。




さてここで疑問ですが、高血圧の原因はなんなんでしょうかね?

獣医師も腎性ではないと言ってましたし、猫は動脈硬化になりにくいらしいのでやはり糖尿病からかな?

どちらにしてもこれからは気を抜けません。
高血糖と高血圧、身体にダメージを与える要素が増えたので、日々の対処が寿命に関わってきますから。

ところで、「猫の糖尿病 慢性膵炎④」に書いた4つの気になる点について。

①エビデンスのない低脂肪食について。
②サプリメントやお薬について。
③MCV(平均赤血球容積)の高値について。
④病期(ステージ)について。


の低脂肪食については「猫の糖尿病 慢性膵炎④」に書きましたので、について。
実はここ最近、獣医師に相談したりして気になった事がありまして・・・



なんとなく、獣医療域では人医療で当たり前になってる膵炎の“病期(ステージ)”の概念が無いのかも。
「代償期→移行期→非代償期」という考えは無く、慢性膵炎か膵外分泌不全という分け方しか無い感じです。

下記、人医療での膵炎の病気(ステージ)です。

代償期 : 初期。炎症が広がり痛みを抑える為の鎮痛剤や、膵液の分泌を抑える為蛋白分解酵素阻害薬を服用する。
移行期 : 初期から後期への移行期間。徐々に膵臓機能が損なわれていく。
非代償期 : 後期。痛みは無くなるが膵臓組織が破壊されて膵液の分泌が減少するので、消化酵素サプリを服用して補う。下痢・体重減少・脂肪便などの症状。


獣医療では上記の代償期~移行期を“慢性膵炎”、非代償期を“膵外分泌不全”と分けてる感じがします。

そもそも猫では膵炎での特徴的な症状が現れるとは限らないらしく、
人や犬で見られる“嘔吐”や“下痢”といった症状もない子もいるそうです。

しかも数値的な診断での信頼性も高くないと言われており、
膵外分泌不全の診断に有効なTLI(トリプシン様免疫反応性)測定感度が30%~86%とバラつきます。

 


なので、膵炎の“病期”を診断するのが非常に難しいことから病期に合った治療が定まっておらず、
とりあえず的な対応に終始し、結局改善してるかどうか分からないのが現状かもしれません。

とは言え、検査の信頼性が低いからと言って何もしなければ何も分からないので、
血液検査以外の特殊な検査と臨床症状から推測して対処したいです。

下記、そんなにうまくいきませんが、参考にして頂ければ幸いです。

・通常の血液検査...これで何が分かるとかではないですが、基本ですので必須です。
・レントゲン検査...膵炎の診断には意味が無いですが、何か異変に気付くかも。
・超音波検査...急性膵炎の診断は出来ますが、慢性膵炎の診断は難しく困難です。

・下痢パネル検査...軟便や下痢の症状が“SIBO(小腸内細菌異常増殖症)”ではない確認。
・Spec fPL...信頼性が最も高い検査ですが、高値だからといって確実に膵炎とは限らない。
・TLI測定...膵臓から分泌されるトリプシノーゲンを測定。低値なら膵外分泌不全ですが結果にバラつき。
・その他...脂肪便の有無や“痛み”の有無。

結果、膵液の分泌を抑えた方がよいなら、“蛋白分解酵素阻害薬(カモスタット)”を、
膵液の分泌が減って消化不良を起こしているなら、“消化酵素(パンクレアチンなど)”を服用させる。

“蛋白分解酵素阻害薬(カモスタット)”が必要な時期なら“痛み”もあるかもしれないので、
“痛み”があると判断されれば“鎮痛剤(トラマドール)”の服用も検討したいところです。

膵液の分泌を抑える蛋白分解酵素阻害薬では“カモスタット”くらいしかなく、
市販されているサプリはカモスタットとは真逆の、足りない消化酵素を補う“消化酵素サプリ”がほとんどです。

あきらかに消化不良による下痢軟便が見られた場合は、まず消化酵素サプリを試す方がいいかな?と。
そもそも猫は初期膵炎を発見しにくいので、もしかしたら分かった時には既に代償期を過ぎてるのかも。

そうなると“消化酵素サプリ”で改善されるので、“蛋白分解酵素阻害薬(カモスタット)”は逆効果。
理屈に合わないのに同時処方される獣医さんも多いですが・・・猫は例外?そんな訳ないよね?



あくまでも個人的な考えですが、消化酵素以外の下痢止めで無理矢理止めると原因が分からなくなります。
いま表れている症状の原因を考えず、とにかく症状だけを抑えるという考えにはちょっと賛成出来ません。

“病期”による膵臓の状態を考えつつ、検査や症状から必要な処置を考えていく必要があると思いますが、
これがなかなか難しいですね~

次回はにのMCVについて。
膵外分泌不全に関係するビタミンB12や葉酸についても触れますのでお楽しみに~

でわでわ。