猫の糖尿病 慢性膵炎 ④ | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の糖尿病 慢性膵炎 ④

おつかれちゃんです。


カルディの「ニャンコーヒー」飲みながら書いてます。
黒糖みつポーション入れたら『黒糖珈琲』。



美味いわ~

でも普通のマイルドカルディに沖縄黒糖で十分やね。
コストも倍くらい違うし。



それでは本題。
オロゴンの慢性膵炎の続きです。

オロゴンの場合、軽度の慢性膵炎なので症状もビミョーで判断が難しい。
対応以前に現状の把握が難しいです。

病院に行って検査してお薬もらったので、なんとなく治療し始めた気分になってましたが、
よくよく考えたら、ほとんど現状把握せずにとりあえずイチかバチかで対処してたようなものでした。

『慢性膵炎 ②』にも書きましたが、蛋白分解酵素阻害剤と消化酵素サプリを与えるタイミングについて、
同時に処方されたのが腑に落ちず納得いかなかったので、自分なりに調べて一旦ストップ。

ちょうどそのタイミングでアドバイスも頂いたので、最初から試行錯誤してみよう!と。
正直、いろんな方の情報を見ても、けっこうバラバラで根拠なく対処してるように感じる事もあります。

もちろん、重度の場合は症状を抑え込まないとダメなので対処は必要ですけど、
オロゴンは軽度なので、焦らずある程度現状を把握してから対処するのがいいと判断しました。

ここからは獣医師でも見解や対応が違ってくる内容も含まれるので、
参考にされる場合は主治医とご相談下さいませ。




【現状】

・カモスタット、ビオイムバスターはストップ。
・ウンチの状態はなかなか良い。
・たまに最後少しだけソフトクリームになる。
・たまにお腹がゴニョゴニョギュルギュル鳴る。
・嘔吐や下痢はなし。
・相変わらずひゃーひゃーランダムに鳴いてる。
・消化の良い又は脂肪の少ないフードを与えてる。
・ウエットフードを1日2袋から3袋にした。


現在のオロゴン先生、ざっとこんな感じです。

さてさて、これからどうすればいいのか?です。
気になるのは下記4点。

①エビデンスのない低脂肪食について。
②サプリメントやお薬について。
③MCV(平均赤血球容積)の高値について。
④病期(ステージ)について。




【 ① の低脂肪食について】
獣医療的には「猫の場合、積極的な低脂肪食は必要ない。」と言われており、
膵炎用の療法食も無いので“消化に良いフード”を選ぶ程度です。

これは十分なエビデンスの元に導かれた答えなのか、単にエビデンスが無いだけなのか?
理屈で考えれば高脂肪食は避けた方がいいですし、ほどほどに低脂肪が良いハズです。

人や犬の場合では低脂肪食を求められます。

簡単に説明すると・・・

膵臓から分泌される消化酵素(膵液)の1つに、脂質を消化する“リパーゼ”という酵素があります。
*膵臓は消化酵素を十二指腸へ(外分泌機能)、ホルモンを血液中へ(内分泌機能)分泌します。
 

“リパーゼ”は十二指腸からから分泌されるコレシストキニン(CCK)というホルモンによって制御されてますが、
高脂肪食を食べる事でこのコレシストキニン(CCK)が多く産生され、“リパーゼ”の分泌が増加してしまいます。

膵炎とは自分の消化酵素(膵液)で自分の膵臓にダメージを与えてしまう病気なので、

この消化酵素の分泌を抑えるために高脂肪食を避け低脂肪食を食べます。

なので理屈上では猫も低脂肪食が良いと思うのですが、なぜかハッキリと解明されていないようです。
少なくとも高脂肪食は避けるべきでしょうし、個人的にはある程度低脂肪食にした方が安心します。


慢性膵炎の場合、重度でなければほとんどの獣医師は“消化の良いフード”を推奨されてるハズ。
これ自体は全然間違っていないのですが、推奨するフードの1つに疑問があります。
 

それは、「ロイヤルカナン 消化器サポート ドライ」です。

 

こちらのフード、ロイカナのサイトや一般向けの説明には記載されていませんが、
獣医師向けの資料には、「使用が推奨されない病態」“膵炎”と記載されています。



メーカー側は膵炎で推奨していませんが、獣医師は“消化が良い”ので推奨しています。
どちらが正しいかではなく、なぜメーカーが推奨していないか気になりますよね。

早速、ロイカナに問い合わせましたが・・・明確な回答は得られず。
獣医師に聞いたところ、軽度であれば「消化器サポート」、軽度でなければ「低脂肪食」との回答。

実際、「消化器サポート」は高脂肪なのでメーカー側も膵炎では推奨しないのでしょう。
結局、エビデンスはないものの、猫も低脂肪食がいいかもしれないね~という事ですね。

そうなると、ロイヤルカナンで消化に配慮して低脂肪食となるのは「セレクトプロテイン ダック&ライス」
こちらはアレルギー疾患の他、慢性の下痢や炎症性腸疾患(IBD)にも対応したフードでもあります。



で、ここで問題になるのが“カロリー(代謝エネルギー)”です。

糖尿病や膵炎になると痩せて食欲も落ちてきますので、なるべく高カロリーが望ましい。
でも低脂肪食はカロリーが低いのがほとんどです。



ここで重要になるのが“中鎖脂肪酸”です。

これは、人医療において脂質制限のある非代償期の慢性膵炎でも使える脂肪です。
この中鎖脂肪酸はリパーゼを必要とせず吸収されるので、膵臓に対して負担が軽いのが特徴。

さらにこんな記事を見つけました。


全文を把握は出来ませんが簡単に言うと、中鎖脂肪酸が受容体に作用して肝機能を保護するというもの。
しかも肝臓での代謝負担が軽く、血糖上昇の抑制もするそうです。

実際に犬猫の中鎖脂肪酸のサプリも『PE キドキュア』の会社から販売されていますし、
健常猫では安全に有効利用できる可能性が示されたという報告もあります。

 


慢性膵炎での中鎖脂肪酸のサプリ使用については獣医師とよく相談した上での使用となりますが、
少なくとも猫の慢性膵炎でも低脂肪食が望ましいと思います。

病期(ステージ)に合った食事と投薬で対応するのが理想ですがなかなか難しい。
エビデンスが無くてもフードの種類で負担が減らせるならそうしてあげたいですよね。

ふぅ~

案の定めちゃくちゃ長くなってしまいました。
とりあえず今回はここまで。

でわでわ。