猫の腎不全・慢性腎臓病 【HH LABO(ダブルエイチラボ】&【RENATSU(レナトス)】 | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の腎不全・慢性腎臓病 【HH LABO(ダブルエイチラボ】&【RENATSU(レナトス)】

このサプリ、検索してもメーカーのHPと知恵袋の回答以外の情報がなかなか出てきません。
特に、実際に使ってる人や動物のリアルな詳細情報はほとんどありませんので悩みます。



このサプリを知ったきっかけは、知恵袋で全然違うお薬の質問をした時です。
そのお薬(ガバペン)に対する回答の際、腎臓病のサプリメントのアドバイスも頂きました。

nfkさんという方で、僕の過去記事にもコメント頂戴しております。
知恵袋で「nfk CKD」などの言葉で検索すれば沢山ヒットします。


「レナトス」以外のサプリも紹介していただきましたが、まずは根本的な薬理作用から勉強し直し、
作用機序を理解してから使いましたので、目に見える効果の有無に関係なくオススメできるサプリです。
なので、この記事だけで理解できる内容にするように書きます。

【HH LABO(ダブルエイチラボ)】&【RENATSU(レナトス)】

 

 

大阪大学産業科学研究所の開発したシリコン製剤(レナシアプラス)を配合した水素サプリ。
「HH ラボ」・・・人間用。
「レナトス」・・・動物用。

どちらも体内(腸内)で水素を発生し、悪玉活性酸素を除去するという効果は同じですが、
レナシアプラス以外に含まれる成分が違います。
詳細は後ほど。

★HH LABO メーカーHP★


★RENATUS メーカーHP★

 

《製造販売会社》

MGグループのベンチャー企業、『レナトスジャパン株式会社』。
同グループ内に『株式会社マルカン』というペットフード会社があり、
そちらでは“うさぎ用レナトス”の「ラビットハイドロップ」を販売しています。

《主な成分》

「HHラボ」
カプセル内:レナシアプラス100%の他、微量のシリカとデキストリン。

「レナトス」(犬用)
‎レナシアプラス、チーズ、コーンスターチ、食物繊維、砂糖、魚たん白分解物、チキン、ミルク、
チキンエキス、鶏レバー、増粘安定剤、(グリセリン、加工デンプン)、保存料(ソルビン酸カリウム)、
酸化防止剤(ビタミンC)、PH調整剤、香料
たん白質:5.0%以上、脂質:2.5%以上、粗繊維:4.5%以下、灰分:65.0%以下、水分:18.0%以下

「レナトス」(猫用)
レナシアプラス、魚介類(まぐろ、魚たん白分解物)、肉類、種実類(またたび)、
ビール酵母、増粘安定剤、(グリセリン、加工デンプン)、調味料、保存料(ソルビン酸カリウム)、
ミネラル類(塩化ナトリウム)、PH調整剤、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウム)
たん白質:7.5%以上、脂質:1.0%以上、粗繊維:2.0%以下、灰分:70.0%以下、水分:28.0%以下

《種類》

「HHラボ」
カプセルタイプ1種類のみ。
1袋30カプセル入りと、1ボトル90カプセルで販売。



「レナトス」
形状と容量の違う“犬用(SD)”と“猫用(SC)”があります。
“犬用”・・・SD-1、SD-2、SD-5。
“猫用”・・・SC-1、SC-2、SC-5。




SD-1とSC-1は動物病院用パッケージとなり、1と2は型番が違うだけの同一製品です。
なので、“犬用”“猫用”で製品としてはそれぞれ2種類づつとなります。

《比較》

“SC-5”は“SC-1/SC-2”の1/3の量です。(犬用も同様)
“SC-1/SC-2”の1セット(1日の給与量)に相当する“SC-5”の量は付属スプーン6杯分。
“犬用”と“猫用”の違いは・・・多分、ニオイと味です。
製品の成分としては全く同じです。

「HHラボ」「レナトス」を比べた場合、同量のレナシアプラスを摂取するための量は、
「レナトス」の“SC-1/SC-2”の1セット(1日の給与量)に対し、「HHラボ」は1.5カプセル必要です。

《ニオイや形などの特徴》

「HHラボ」・・・無味無臭のパウダー。
「レナトス」・・・“猫用”はなんとなくお魚風味で、スティック状とクラッシュ状がある。



「レナトス」は“犬用(SD)”と“猫用(SC)”でも形状が違います。
ブロック状と粒錠があり、食べやすいかどうかは不明です。
人間用の「HHラボ」はカプセルが猫にとっては少し大きめです。(アゾディルよりも)


左が「HHラボ」、右が「アゾディル」。

《与え方》

「HHラボ」
・1日1~2カプセル。基本は1日1.5カプセル。
・軟便になる子もいるので最初は様子を見ながら1日1カプセルからスタート。
・カプセルのままなら朝晩どちらか1回ですが、できれば朝晩、半量づつをフードに混ぜて与える。
・中身(パウダー)をフードに混ぜると、ほぼほとんどのフードが真っ黒になります。



ふくちゃんは水に濡らせばカプセルのままでも投薬できましたが、無理な子が多いと思います。
半量(0.75カプセル)を朝晩のウェットに混ぜていましたが、
残す事が多くなってからは1カプセルを投薬、半量(0.5カプセル)を少量のフードに混ぜてあげました。

「レナトス」
・1日の給与量をそのまま与えるかフードに混ぜるか。
・出来れば1日2回に分けて与えた方が効果的です。

ふくちゃんはニオイがダメらしく、フードに混ぜても食べませんでした。
成分見れば分かると思いますが、“猫用”の「レナトス」はお魚風味です。
ニオイや味が好みならそのまま食べるそうですが、
“SC-5”は小さなクラッシュ状なのでそのまま食べるのは難しそうです。

《理論》

何から書けばいいか迷いますw
なるべく簡単に書くので言葉足らずでしたらご指摘ください。

まず、慢性腎臓病において腎臓の線維化や酸化ストレスの抑制が進行を抑えるために必要ですが、
それらを抑える為には悪玉活性酸素の抑制が必要となります。

この悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)は細胞を酸化させますが、
シリコン製剤を摂取する事で細胞の酸化が抑制され、抗酸化能力が向上します。

シリコン製剤(レナシアプラス)が腸内で水素(H)を発生し、
悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)と結びつき消滅せます。
(シリコン製剤は活性酸素の中でも一番酸化力の強いヒドロキシラジカルのみに反応します)

水素(H)+ヒドロキシラジカル(OH)→水(H2O) 

しかも、悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)を消滅させた上に“水(H2O)”を発生させますので、
腸内の水分が便秘解消にも繋がります。
 


また、慢性腎臓病での尿毒症物質で一番厄介なインドキシル硫酸というものがあります。

これは、摂取した食品のタンパク質に含まれるアミノ酸の1種にトリプトファンという成分があり、
腸管や肝臓での吸収・代謝を経て最終的に猛毒のインドキシル硫酸となります。

腸管で吸収される際、悪玉菌であるウェルシュ菌によりインドールに変化するのですが、
シリコン製剤により悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)を消滅させた結果、
腸内環境が改善されてウェルシュ菌を抑え込みインドキシル硫酸産生を抑制します。

しかも、インドキシル硫酸は活性酸素種を介して炎症性サイトカインを発現させ、
腎臓の線維化に関わってくるので、インドキシル硫酸産生を抑える=線維化を抑制となります。
 

 

 

[シリコン製剤による体内水素発生と酸化ストレス性疾患の予防と治療]

https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0001/1978/2020_kisoken_1.pdf

[ 腎臓疾患と線維化 ]

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/8/104_1658/_pdf



 

《感想》

作用機序をある程度はあくすれば、「なるほど!スゴイなコレ!」なんですが、
素人が獣医療領域で勉強しても把握できないと思います。

僕も人医療の薬理作用まで調べながらなんとか理解しましたが、
それでもまだまだ、やればやるほど謎が出てきます。
でも、知れば面白いですし、理解すれば自信を持って向き合えます。

実際、この「レナトス」でBUNが下がった子も多いと思いますが、
このサプリだけでなく、他のサプリとの併用で下がっています。
(コバルジンやケルセチン、レスベラトロールなど、他にも。)
 

やはり作用機序にのっとったサプリ同士のマッチングが大切ですね。

最高の食材を集めたからといって、最高の料理が出来るとは限りません。
料理と同じですね^^

このサプリはアレルギー疾患にも効果があるという報告があります。
これについても理解して分かりやすく書けるようになったら追記します。
めちゃめちゃ勉強せなダメですね!
がんばります!

でわでわ!