猫の慢性腎臓病 ふくちゃん編 診察と処置 | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の慢性腎臓病 ふくちゃん編 診察と処置

昨日はふくちゃんの診察日。

血液検査の数値も気になりますけど、

現状改善できることは無いかの相談が重要でした。

(ある記事を読んで最後の方に追記しましたので長文です。)



今のふくちゃんの状態は・・・

・自分からはほとんど食べない、飲まない。
・あきらかに痩せてきた。
・ここ1ヶ月、嘔吐は全くない。
・食べようとするけど食べない。(食べれない?)
・常にご飯を欲しがってキッチンに来る。
・相変わらずビッコ引きながら歩く。
・便秘
・かなり脱水している。
・血圧はテルミサルタン少量投与でOK!


で!診察開始。

・口腔内は少し口内炎はあるけど、酷くは無い。

・体重は3週間前から500g減って、5.3kgに!
・リン値がかなり上昇!
・その他は横ばい。
・尿検査など、その他の検査は無し。


ん~~~~
一部予想外で、ほぼ想像通り。



【血液検査】

≪HCT≫ 28.2 → 27.2
≪BUN≫ 136.6 → 137.1
≪Cre≫ 7.38 → 8.94
≪Ca≫ 12.5 → 12.9
≪IP≫ 7.7 → 11.6


それにしても高いなぁ~・・・がっくりです。

もう少しBUNが高くなってると思ってたので、
朝食として“ミャウミャウのパウチ”半分(18g)と、
ビオベテリナリーを10ml食べてこの値なら合格^^




しかーし!
リンの数値は不合格!!!

食事の影響ならいいですけど、
あきらかに症状が進行した時の高リン血症はダメです。

リンが高くなるとカルシウムと結びついて腎臓や血管の石灰化が進みます。

さらに糸球体の機能が低下して悪化が加速します。
なんとかリン値を下げなければ・・・

やはりふくちゃんの腎臓病は尿細管の障害じゃなく、
糸球体の障害が原因で起った腎臓病だったんじゃないかな?と。

愛猫さんが腎臓病の方、くれぐれもリン値には注意して下さいね。
基準値内でもリンを抑える工夫は早めにしてあげて下さい。

昨年よりバイオマーカー「FGF23」という検査が富士フィルムより開始されています。

 


今ではリンのコントロールが腎臓病にとって一番重要と言われていますので、
初期~中期の方は利用してみてもいいかもしれませんね。

ちょっと横道それた・・・話し戻します。



さてさて今日の本題です。
サクッと進めます。

一番重要な『満腹になってぐっすり寝てもらう。』というミッション!
ステロイドや抗生物質を試してみる方法もありましたがヤメました。

もう少し状態がよければそれでいいですが、
いまのふくちゃんは無駄に時間を費やしている暇はないので、
最短最速で結果が出て、なおかつ、身体に負担の無い対応が必要です。

選んだ対応が“経鼻カテーテル”です。

めちゃくちゃ悩みましたが、
『食事や投薬のストレスをなくし、空腹を回避する。』
これが今必要なことだと判断しました。



感情論的に「可哀想」とか「延命」という言葉に結びついてしまう処置ですし、
末期腎不全では真逆の行為のように感じます。

過去記事でも何度か書いてますが、
やり過ぎた治療は逆効果になるという考えは変わってません。

なので、一定の条件付きでやってみる事にしました。
次の検査で数値が上昇していれば外します。

・食べたいのに食べれない。でも無理矢理食べさせたくない。
・延命じゃなく満腹という、今の満足感が得られる。
・皮下輸液の量や回数を減らせるかもしれない。
・投薬ストレスをゼロに出来る。


これら満たす処置として“経鼻カテーテル”を選択しました。
難しいのは、この処置が“命を引き延ばす行為”にならないようにする事。
少なくとも今より状態が悪ければやりませんでした。
今がギリギリ最後のタイミングだと判断しましたので。

主治医からの提案を受け入れたんですが、
実は頭の片隅には常にあった選択肢でしたし、
止めるタイミングも全て僕が決めます。

もちろん、カテーテルで入れる栄養は“足りない分”だけです。
基本的に指先舐めて食べてもらいますが、
なにがなんでも“自分から”に拘らないだけです。

なので経鼻カテーテルのみではなく、自分からも食べてもらいます。
嘔吐が無く、ウロウロ歩いて食欲があるうちはそのサポートはします。


鼻にチューブか・・・


なんでやねん・・・

その顔!せつなすぎるやろwww
しょんぼりしてるのがちょっと笑けてきますw

で!ここから追記です!

実はこの記事を書いている途中、ある獣医さんの記事を読みました。
その獣医さんの記事を読んでる方は多いと思いますし、

基本的にはその考え方に賛成です。

でも、今回の僕が下した判断はその記事の内容とは真逆に見えます。
“減らす”か“増やすか”だけで見れば正反対の間違った判断に見えますが、
その獣医さんの記事を真に受けて全てに当てはめてしまうのも危険です。

状況判断って、ホント難しいです。
数値が高くて末期だから・・・これだけでは判断できないです。

処置を減らして何もしない状態を作れば、眠るように旅立つ子ばかりではないです。
飲まず食わず、極度の脱水で長期間苦しむ子もいます。

間違えば、半年、1年、2年という生存期間を数週間に縮めてしまうこともあります。
その獣医さんの記事は間違ってるとは思っていませんし、出来れば見習いたいですが、
間違って捉える世話人もいるような気がしました。

実際、ふぁんふぁんの時は最低限の処置だけに留めたので、
眠るように、スゥ~・・・って感じで100点満点の旅立ちでした。

ただね、“枯れるように”ではなく、“眠るように”旅立ちました。
旅立ちの当日まで自宅で皮下輸液はしましたよ。

じゃあ、ふくちゃんも同じようにしたらいいのか?ってなると違います。
同じパターンなんて1つもないので、その子と状況に合わせるしかないと思います。

ふくちゃんを“枯れるように”旅立たせたいなら簡単です。

今日から投薬を一切無くし、皮下輸液を徐々に止めていけばいい。
食べたくても食べなければそのまま何もしなければいい。

そうすれば徐々に痩せていき、動きが悪くなり、干からびて、終わります。
“眠るよう”ではなく、“枯れるよう”に旅立てます。

もしかして、もうすでにその選択をするタイミングなんでしょうか?
自分で動けて、嘔吐もなく、ご飯を欲しがり、擦り寄ってくるのに出来るかなぁ~?
数値で言えば末期ですし、悪化が加速してきてます。
全てのタイミング、間違わないように出来るんかな?

『決断する勇気と優しさ』
『見守る強さ』


忘れないようにしなければ・・・

ちなみに、気になる金額は・・・経鼻カテーテル処置:3,500円!
設置後に確認するレントゲン費用も含んだ金額です。
メリット・デメリットありますので、詳細など後日ご報告しますね!

でわでわ!