猫の腎不全(腎臓病) サプリ・薬 | ふぁんふぁんのしっぽ ~猫の腎臓病・糖尿病 ブログ~

猫の腎不全(腎臓病) サプリ・薬

またまた日にちが開いてしまい、いきなり今年の抱負から挫折しかけております。

 

前回の記事では腎不全フードのタンパク質について書きましたが、

現実ではサプリメント併用でのケアが一般的ですので、フード記事の続きを書く前にちょこっと羅列してみます。

 

基本的に予防が出来ない腎不全ですが、食事などによりリスクは減らせると思ってます。

 

ただし、腎臓病には「多発性嚢胞腎」などの遺伝疾患もありますので、

ペルシャ系やアメショ・スコなどは定期的検査(超音波)をすることもケアの1つかと思います。


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余談ですが、もし腎臓の遺伝疾患が分かった場合に親猫が特定出来るようであれば、

親猫の飼い主やブリーダーさんにお知らせして繁殖をしないように助言してあげて下さい。

 

多発性嚢胞腎等は劣性遺伝ですので、父母猫が発症していなくても遺伝子を持っています。

無知な素人繁殖家や悪徳ブリーダーなどはそれでも繁殖させ、結果的に遺伝病が広まってしまいます。

 

劣性遺伝とは“劣った遺伝子”という意味ではなく、同じ染色体が揃わなければ現れない遺伝子です。

簡単に言うと人間の血液型で、A型やB型は優性ですが、O型は劣性です。

AO→A型、AA→A型、OO→O型となりますよね。

 

もし検査で遺伝疾患が分かれば、早い段階で食事の見直しなども検討でき、

少しでも進行を遅らせることができるかもしれませんからね。


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腎不全(腎臓病)ではリンやナトリウム、血圧やデトックス、口内炎などについてもフードの説明で必要になります。

あくまでも羅列するだけですので、実際の服用は獣医さんに相談されるか、よく調べてからにして下さいね。

賛否両論のサプリメントや、状態により服用しない方が良い場合もありますので。

 

【サプリメント・お薬】

 

①活性炭 (コバルジン・ネフガード・マイメジン など)

②ACE阻害剤 (フォルテコール・エナカルド・エースワーカー など)

③リン吸着材 (レナルジン・レナジェル・炭酸カルシウム・アルサルミン・レンジアレン など)

④栄養補助食品 (ペットチニック・ビオベテリナリー・PEキドテクト・PEヘモテクト など)

⑤その他デトックスサプリ (AzodylEpakitin・Renal gatti・C など)

 

上記以外にもサプリメントは沢山ありますが、フードの記事に必要なものを書きだしてみました。


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①の活性炭について。

 

尿素窒素だけを吸着する訳ではないですが、腸管内での毒素吸着材です。

以前はメルクメジンという製品もありました。

メルクメジンはクレメジンの後発品でしたが発売当初からその効果の同等性を疑問視されており、

クレメジンの発売元のクレハと、メルクメジンの発売元マイランによる特許侵害訴訟の結果、

動物用メルクメジンは「動物用マイメジン」として販売されるようになりました。

 

コバルジンは分子量の大きさをある程度絞り込んで吸着しますので、ビタミン等は吸着されないといわれていますが、
ネフガードは構造が厳密ではないので、抗生物質やビタミンといった分子量の小さい物質も吸着されてしまいます。

 

どちらが優れているかは一概には言えませんので、個体差に合わせて服用させてあげれば良いかと。

 

②のACE阻害剤について。

 

いろいろな種類があり、基本成分もそれぞれですので詳しくは御調べくださいね。

簡単に言うと本来は高血圧治療薬で、腎糸球体の圧力上昇を抑えて腎臓の負担を軽くするお薬です。

製品により代謝(排出)する臓器が異なりますので、本来は状態に合わせて使うのが好ましいかな?

 

血管を広げたり血圧を下げる効果がありますが、

詳しく説明するにはRAA系という血液循環に関わるホルモンについて勉強する必要がありますので。。。割愛します!

というより説明出来るほど把握してません。。。

ちなみに、猫の腎不全用に認可をとっているのはフォルテコールだけだったかと。

 

③のリン吸着材について。

 

これもいろいろな種類があり、リンを吸着するための考え方も様々です

 

・アルサルミン(アルミニウム製剤)

    ↓

・炭酸カルシウム(カルシウム製剤)

    ↓

・レナジェル(塩酸セベラマー

    ↓

・レナルジン(炭酸ランタン)

 

たしかこんな順番で登場(進化?)してきました。

どの製剤もメリット・デメリットがありますが、基本的にはリンを吸着して体外に排出するお薬です。

 

昨年には今までの製品よりも副作用を抑えているとされる、キックリン(ビキサロマー)という吸着材も承認されました。

(これが獣医療に使われるようになるかどうかは分かりませんが。。。)

 


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④の栄養補助食品について。

 

腎不全の場合は特に代謝吸収機能や食事量が落ち、必要な栄養分が摂れない場合が多々ありますよね。

 

例えば腎性貧血になった時は、いくらエポ製剤を投与しても鉄分やビタミンが不足すれば血は作れません。

不足している必須アミノ酸やビタミン、ミネラルを補給して体内の栄養バランスを保つ役目があります。

中には嗜好性を高めるために工夫された製品もありますので、食欲増進剤的に使用できるかもしれません。

 


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⑤のその他デトックスサプリについて。

 

Azodyl”、“Epakitin”、“Renal gatti” などは、あまり聞きなれない製品ですが海外では主流です。

 

Azodyl”はデトックス対策として、生きた菌を使用したカプセルタイプのサプリです。

日本では認可されていませんので代わりに活性炭が流通していますが、考え方は全く違うものです。

活性炭のように毒素を吸着して排出するというよりも、腸内での毒素生成を抑えるといった感じかな?

乳酸菌の整腸作用みたいな感覚ですね。 (いわゆる“プロバイオティクス”です。)

 

Ipakitine(Epakitin)”と“Renal gatti(Renal cat)”は粉末状のリン結合剤で、フードに混ぜて使えます。

カルシウムとキトサンをベースウにしたサプリで、“Epakitin”は“Azodyl”と同じ会社です。

“Renal gatti(Renal cat)”には「advanced」というのもあります。


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フードやサプリの詳しい内容については『ぎゃおす王国』『腎不全と闘う猫』 などをご覧ください。

上記以外にも沢山載っていますよ^^

 

でわでわ、次回より猫ゴハンシリーズ「腎不全偏」の続きを書きますね!