運動会は雨天決行?それとも延期?
1.降水確率30%!運動会は大丈夫?
2.晴れたグランドで思いっきりやらせよう!
3.運動会終了後、父兄からの苦情が!
4.何でやらなかったんだ!仕事を休んだのに!
5.お弁当を作るのは大変なんですよ!
6.翌年、小雨でも運動会決行!
7.なぜ、雨なのに延期にしなかったんだ!
8.校長がかわったら秋晴れの運動会に!
1.降水確率30%!運動会は大丈夫?
ある学校に赴任したときの話です。
その学校では、ちょうどこの時期(10月)に運動会(体育祭)を行います。
前日に学校で天気予報を見ると、降水確率は30%でした。
運動会(体育祭)を開催できるか微妙なラインです。
そのため、運動会(体育祭)の決行or延期は、当日の朝6時に決定することになりました。
2.晴れたグランドで思いっきりやらせよう!
翌日の朝6時。
校長、教頭、教務、特別活動主任(私)が集合します。
教頭や教務がこう言います。
教「やろうと思えばできなくもないですね!」
務「ただ、この後も雨は降り続くようです!」
すると黙って、考え込んでいた校長がこう決断しました。
校「雨の中やるのはやめよう!」
校「できないことはないが、ぬかるんだグランドはかわいそうだ!」
校「1日伸ばして、晴れたグランドで思いっきりやらせてあげよう!」
校長のこの言葉で、運動会(体育祭)の延期は決定しました。
校長は子供達が、のびのびと運動会(体育祭)を楽しむことができるように延期を決断したのです。
ただ運が悪いことに中止にした後、雨が上がり、太陽が出てしまいました。
さらにもう一つ、不運?なことがプログラムに書いてあったのです。
3.運動会終了後、父兄からの苦情が!
翌日、運動会(体育祭)が行われました。
校長の望み通り、晴れたグランドで子供達は運動会(体育祭)を楽しみました。
しかし、運動会が終わった後、私(特別活動主任)と教務主任は教頭に呼ばれこう言われます。
「今から校長室に一緒に行ってもらうよ。」
「とにかく、申し訳なさそうな顔をして黙ってて!」
「校長が頭を下げたら、一緒に頭を下げてよ!」
「頼んだよ!」
教頭にこう言われた後、私と教務主任は校長室に入りました。
すると、そこには三組の父兄が座っていました。
4.何でやらなかったんだ!仕事を休んだのに!
3組の父兄は仲の良い父兄です。
子供同士の仲も良く、部活も一緒です。
Aくんのお父さんが、口火を切りました。
A父「なぜ昨日、運動会を中止にしたのですか?」
A父「あんなに晴れていたじゃないですか!」
A父「隣の学校はやってたじゃないか!」
B父、C母も話し始めます。
B父「私は昨日、会社に休みをもらっていた!」
B父「昨日、中止になったから、意味が無くなった!」
B父「今日は、何とか午後から休みをもらえた!」
B父「できるのに学校の都合で延期にされると困るんだよ!」
5.お弁当を作るのは大変なんですよ!
校長は「すみません」と謝りながら、中止の経緯を説明します。
「子供たちに晴れたグランドで思いっきりやらせてあげたかったからです。」
すると、C母がプログラムを持ち出してこう言います。
C母「プログラムには小雨決行って書いてあるじゃないですか!」
C母「朝の時点で小雨でしたよね!」
C母「その後の予報も小雨でした!さらに、結局、昨日は晴れましたよね!」
C母「お弁当をつくるのは大変なんですよ!」
C母「それを昨日と今日、2回もつくったんですよ!」
その後、1時間ほど、A父、B父、C母は学校への不満を言い続けました。
校長と教頭が何度も謝り、その日は帰っていただきました。
6.翌年、小雨でも運動会決行!
翌年の運動会(体育祭)当日。
校長先生が軽い雨男なのか、またまた小雨が降っています。
決行するか、延期にするか、難しい所です。
ただ、「プログラムに小雨決行と書いてあること」「昨年、苦情がきたこと」から、小雨の中、運動会(体育祭)を決行することになりました。
しかし昨年とは逆に、雨はやまないだけでなく、徐々に強くなっていきました。
結局、プログラムを前倒しして、13時には運動会(体育祭)をやりきることとなりました。
しかし、翌日、今度は違う保護者が学校に苦情を言ってきました。
7.なぜ、雨なのに延期にしなかったんだ!
その保護者たちはこう言います。
「なぜ、延期にしなかったんだ!」
「あんな、雨の中では子供のケガの危険性が上がる!」
「かぜを引いたらどうするんだ!」
「雨のせいで、いろいろな種目が中途半端になったじゃないか!」
「子供の気持ちを考えてないのか!」
「学校の都合で、ムリにやるのはよくないだろう!」
「子供の事を優先しろ!」
昨年、ある保護者(今年度もまだ在籍)から、延期の苦情がきたことを言いたいのですが、さすがにそれを言うことはできません。
校長と教頭、教務と私はひたすら頭を下げます。
この保護者たちも、1時間ほど学校への不満を言い続けて帰っていきました。
8.校長がかわったら秋晴れの運動会に!
翌年、校長先生は他の学校へ転勤になり、新しい校長先生がいらっしゃいました。
その後、私はその学校に3年ほど勤務しましたが、新しい校長先生が晴れ男だったようで、運動会(体育祭)で雨が降ることはありませんでした。
その3年間は、本当に、秋晴れと言う言葉がぴったりの、運動会(体育祭)を行うのにちょうどいい天気だったのです。
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