先生からの暑中見舞い(残暑見舞い)は来ましたか?
1.先生が暑中見舞いを出す理由
2.宿題の未提出や問題行動を減らすため!
3.暑中見舞い代は自腹!
4.暑中見舞いを「出す」「出さない」は自由
5.暑中見舞いを出さないのは「面倒」だから
6.中1と中2で不登校の子ども
7.卒業生の親からの突然の電話!
8.高校で友達ができず不登校に逆戻り?
9.卒業生へも暑中見舞いを!
1.先生が暑中見舞いを出す理由
今から、28年前の7月。
大学を卒業して教師になった私に、先輩教員がこう言いました。
「夏休みには、子どもたちに暑中見舞い(残暑見舞い)を出すんだぞ!」
私が理由を訪ねると、先輩はこう教えてくれました。
「夏休みは学校に来ない時間が長い。」
「ほとんどの子どもは心配ないが、やんちゃな子はついつい、羽目を外してしまう。」
「そんなときに、先生からの暑中見舞いが来たら、少しだが、我に返ることができるだろ!」
「必ずしも効果があるとは限らないが、夏休み中に問題行動が減る可能性はあるだろ!」
2.宿題の未提出や問題行動を減らすため!
また、こうも教えてくれました。
「夏休みは、遊びまくって宿題をやらない子もいるだろ!」
「夏休みの途中で、暑中見舞いに宿題のことが書いてあれば、少しはやらなきゃとおもうだろ!」
「これも、効果があるとは限らないが、宿題をやるきっかけにはなるだろ!」
「もちろん、真面目な子にも心を込めて、言葉をかけろよ!」
「暑中見舞いをもらったら、子どもたちは喜ぶだろ!」
私は、先輩のこの言葉をきいて、8月の中頃に残暑見舞いを出すことにしました。
中学校の場合は部活があるため、8月の上旬は子どもたちに直接、話をすることができるからです。
ただ、部活に入っていない子どもの場合は、8月の上旬に暑中見舞いを出し、気になる子には、たまに電話をしたりすることにしました。
3.暑中見舞い代は自腹!
暑中見舞いのハガキのお金は誰が出すのでしょうか?
ハガキ52円×40人=2080円
高くもありませんが、安くもありません。
基本は自分のお金で買います。
ただ、暑中見舞い代と年賀状代を出してくれる学校もありました。
学年費(親から集めているお金)から出す学校もありました。
若い頃から、暑中見舞いを出すのが当たりまえと教わった私にしてみれば、お金を出してくれる学校にあたったときは、「ラッキー!」という感じでした。
しかし、最近は暑中見舞いや年賀状を出さない先生も多くいます。
その理由は何でしょうか?
4.暑中見舞いを「出す」「出さない」は自由
ここ10年ほどで、学校の内部も変わっています。
管理職や主任は、担任の先生にこう言うことはできなくなりました。
「自分のお金で、暑中見舞いや年賀状をクラス全員に出しなさい!」
たかだか、2000円程度ですが、自分のお金で「買いなさい!」とは言えないのです。
それでは、学校からお金を出しているときはどうでしょう。
これも現在はこのような形です。
「学校でお金を出すから、暑中見舞いを出す?」
管理職や主任が、若い担任の先生に「出す」or「出さない」を聞くのです。
学校でお金を出す場合は、全ての生徒に出さなくてはならないので、学年の担任の中の1人の担任が「出さない」と言えば、学校からお金は出ません。
最後に勤めていた学校では、学年が6クラスで、3人の担任が「出さない」と言ったので、私は自腹で暑中見舞いを出しました。
5.暑中見舞いを出さないのは「面倒」だから
「出さない」と言った3人の教員は、全員20代後半の先生でした。
「出さない」理由も、堂々とこう言っていました。
「書くのが面倒ですよ!」
「書いたって、子どもは喜ばないでしょ!」
「今時、そんなの出す人いないでしょ!
結果、その年に暑中見舞いを出したのは、担任頭(担任をまとめる担任リーダー)の私と、その年に初めてクラスの担任をした、22才の女性の先生だけでした。
もちろん、自腹でハガキを買って出しました。
6.中1と中2で不登校の子ども
少し話は変わりますが、ある学校で3年生の担任をしたとき、中1~中2の時に不登校だった子どもを担任しすることになりました。
中1、中2の担任は、他の学校に赴任してしまっていました。
「なぜ、不登校になったのか?」
「誰と仲がよいのか?」
「何が好きなのか?」
不登校のその子の事が全く分からないまま、クラスはスタートしました。
ただ、いろいろと考えて対応したのが良かったのか、本人は夏休み明けから登校することができるようになりました。
そして、希望校にも合格することができました。
7.卒業生の親からの突然の電話!
子どもたちが卒業すると同時に、私も他の学校に転勤になりました。
しかし、その年の9月。去年、担任をした不登校のお母さんから電話がかかってきました。
「先生は、何で電話や手紙をくれないんですか?」
「家の子は、先生と話したいと言っていたんですよ!」
「あの子は、がんばって高校に行ってたんです!」
「いろいろ、辛いことがあって、先生に相談したいと言ってたんです!」
「それなのに、先生は連絡をくれないから・・・。」
「卒業したら、もう、手をかけてくれないんですか!」
「先生は冷たすぎます!」
8.高校で友達ができず不登校に逆戻り?
中学1~2年生の間、不登校だった彼女は、中学3年生の私のクラスで不登校から復帰しました。
そして、希望校に合格することができました。
ただ、確かに人見知りが激しく、私のクラスでも最初は友達と話すことができませんでした。
もちろん、私はそのことを高校の先生にも伝えてありました。
ただ、高校に入ったあと、クラスで友達をつくることができず、悩んでいたようです。
そして、夏休み明けに登校することができなくなり、お母さんが私に電話をしてきたのです。
私はお母さんに謝罪をし、お母さんに頼まれ、その日の夜に家庭訪問をします。(法律的?倫理的?に卒業した教え子の家に家庭訪問をしていいのかは今でもわかりませんが。)
卒業後も、教え子や教え子の親から相談を受けたことは何度もありましたが、家庭訪問までしたのは、その子が最初で最後です。
結果、その子はまた、高校に通うことができました。ただ、その後も何度か電話で相談を受けていましたが。
9.卒業生へも暑中見舞いを!
その件があって以来、私は中学3年生の担任をした翌年(教え子が高校1年生の年)は、必ず教え子たちに暑中見舞いを出すことにしました。
高校の様子を教えてくれる子もいますし、会いに来てくれる子もいました。
教え子の高校での様子を聞けることはとても嬉しいことです。
ただ卒業生に暑中見舞いを出す理由の1番は、不登校だった子どものお母さんにされたように、いきなり電話で怒られるのが怖いからです。
あの電話は私のトラウマになってしまっていたのです。
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