「発達障害なんだからムリ!」特別支援学級の教員を信じるな! | 元中学校教師が教える学校のウラ話

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公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

特別支援学級の教員を信じるな!


特別支援学級の担任の対応がへた!
学校で特悦支援学級を進められ、特別支援学校に通い始めたお母さんたちからこういう言葉をよく聞きます。
「特別支援学級の先生の対応がへた!」
「子どもが学校に行きたくないと言う!」
「授業をちゃんと受けられないのは、私(母)のせいだと言われた!」

なぜ、特別支援の専門家である、特別支援学級の先生がこう言われるのでしょうか?その理由は簡単です。それをこれからお伝えしていきます。


特別支援学級の担任は大変?
小学校や中学校には特別支援学級があります。特別支援学級では、基本的に小学校や中学校の学習指導要領に沿って教育を行います。ただし、子どもの実態に応じて特別支援学校の学習指導要領を参考にして、特別の教育を行うことができます。

特別支援学級の担任はとても難しいと私は思っています。一人ひとりの子どもの実態を考え、小学校や中学校、さらには特別支援学校の学習指導要領から、その子にあった教育を考え、行って行かなければならないからです。

私は特別支援教諭の免許を持っています。ただ、そんな私でも特別支援学級の担任を行うのにはプレッシャーがあります。


特別支援の免許を持っていないのに担任をできるの?
特別支援学級の担任はとても大変なものです。小さい学校では特別支援学級が1クラスしかなく、担任も1人のところが多くあります。すべてのことを1人で考え、1人で決めなければいけないのです。

そんな特別支援学級の担任をする人です。さぞかし、「熱意もあり」「力もあり」「知識もある」先生が担当すると思いますよね?

しかし、現実は違うのです。どちらかと言うと、「熱意もない」「力もない」「知識もない」先生が特別支援学級の担任を行います。もちろん、特別支援教諭の免許を

 


なぜ、「熱意もない」「力もない」「知識もない」先生が担任になるの?
こう思われるのは当然です。しかし、現実はそういう先生が特別支援学級の担任をしているのです。その理由は3つあります。

①    先生本人が志願している。
先生本人が校長に「特別支援学級の担任をさせてください!」とお願いをしている場合があります。その先生が「子どものためにがんばりたい!」という気持ちをもって志願しているなら、親としてはありがたいことです。しかし、実際はこういう先生が多いのです。
「普通学級の担任は大変だから!」
「特別支援学級のほうが仕事が楽だから!」
「発達障害だから、うまくできなくても何も言われないから!」

②  主任に嫌がられる(校長に指名される)。
学年主任に「自分の学年に○○先生はいらない!」と拒否される先生もいます。また、以下のようなレッテルを貼られてる先生もいます。このようなレッテルを貼られている先生は、校長から特別支援学級の担任をやるように命令されます。
「あの先生は担任をすると学級崩壊する!」
「あの先生は担任を持つことができない!」
「あの先生は、特休(特別休暇)をすぐにとるから、普通学級はやらせられない!」

③ ①と②の両方
先生が志願している場合と校長から指名される場合の両方が一緒になる場合もあります。


特別支援学級に「やる気」のある先生は来ないの?
そんなことはありません。「やる気」のある校長と「やる気」のある先生が同じ考えの基、特別支援教育への理解を広めようとすることもあります。

私が知っている「やる気」のある特別支援学級の先生は、特別支援学校の勤務経験もある先生でした。生徒を上手に褒め、やる気がでるように声をかけ、子どもの自己肯定感を高めていました。もちろん、子どもがわがままを言うと強い指導をするときもあります。ただ、そうならないように先に支援をしていることが多かったように思います。

私は特別支援コーディネーターとして、その先生から色々なことを学びました。

さらに、その先生がすごいのは、普通学級の担任をしたときも「いいクラス」をつくることでした。どちらの担任をしているときも、生徒の「やる気」を上手に引き出す先生でした。

しかし、25年間の私の教員生活で、「この(特別支援学級の)担任はすごい!」と思った先生は、たったの3人だけです。偶然なのか、その3人の先生は全員、体育が専科の先生でした。同様に、特別支援教育(インクルーシブ教育)に力をいれていた校長先生は1人しかいませんでした。その他の校長先生たちは、特別支援学級に対する「知識」も「思い」もありません。


校内研修「インクルーシブ教育」
ある学校で研修主任をしていた私は、「インクルーシブ教育」についての研修を提案します。当時、この言葉をほとんどの先生たちが知らなかったため、研修主任の私が資料をつくり、講師をすることを条件に校長に許可をもらいました。

研修当日、パワーポイントでつくった資料を使い、実際に私が普通学級で受け持った発達障害のある子の事例を元に研修を進めていきました。私が先生たちに伝えたかったのは以下のことでした。
「発達障害=強い苦手を持っている」
「発達障害=強い得意を持っている」
「強い苦手は→ちょっと苦手に!」
「強い得意は→さらに得意に!」
「その子の良さをどう伸ばし、学級でどう認められるようにするか?」
「他の子の良さも同様に伸ばし、学級でどう認められるようにするか?」

研修の最初に、リフレーミングのコツを先生たちに教えます。その後、それをもとに事例の子どもに対して下記のことを、各グループで相談します。
「先生たちがどのような支援をしていくか?」
「学級に対してどのような支援をしていくか?」
「他の子に対してもどのような支援をしていくか?」

私は、各グループを順番に訪れ、机間支援をしていきます。すると、特別支援学級の担任のグループからとんでもない言葉が聞こえてきました。


「普通学級なんて無理だよ!」「発達障害なんだから!」
特別支援学級担任のグループのほうから聞こえてきた内容は耳を疑う内容でした。
「だいたい、発達障害をもってるんだから、普通に勉強なんて無理なんだよ!」
「そうだよ!だから、特別支援学校や特別支援学級があるんだよ!」
「普通学級にいられても困るよね!」
「発達障害なんだから、コミュニケーションがとれずに不登校になるよ!」


書類上は3クラス!本当は1クラス!
後に、1年間だけ特別支援学級の担任をしたことがあります。小規模校で急遽、特別支援学級を立ち上げることになり、私に白羽の矢が立ちました。ただ、そのときに分かったのが、今までの学校では、書類上は特別支援学級を2クラスや3クラスにしていますが、実際は1クラスで授業を行っているということです。

理由は簡単で、先生たちが楽をしたいからです。

特別支援学級は人数があまり多くありません。1人で授業をやることが可能な人数です。ただ、最初に述べたように、一人ひとりの子どもの実態に合わせて教育を行うため、人数が多いとできなくなってしまうことがたくさんあります。

本当は3クラスなのに、1クラスで授業をやれば、先生たちの労力は1/3ですみます。空き時間が増えるわけです。

もちろんその分、子どもたち一人ひとりの教育も1/3になります。しかし、そのような不正をする人たちです。生徒のことなど考えるわけはありません。何かがあった場合でも、その先生たちはこう言うのですから。

「あの子は発達障害だから仕方ない!」

 

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