不登校を子供や親のせいにする学校(あやさん編③)
素敵な笑顔のあやさんの不登校は誰のせい?
少しおとなしいところはありますが、仲良くなるととても素敵な笑顔を見せてくれるあやさん(仮名)。そんなあやさんですが、中学2年の5月頃から不登校になってしまいました。そのときの担任やスクールカウンセラーのアセスメントがこれです。
「あの子は、普通じゃない!」
「絶対に何かを持っている!」
「病院に任すべきだ!」
「授業や休み時間の様子を見ていると、軽度の自閉症に感じます。」
「本を集中して読んでいて、相手と壁をつくろうとしています。」
「友達と関わろうともしませんし。」
→不登校を子供や親のせいにする学校(あやさん編①)はこちら
→不登校を子供や親のせいにする学校(あやさん編②)はこちら
「がんばるあやさん」「何もしない担任」
不登校になってから2ヶ月。あやさんの登校は徐々に増え、毎日、学校に来るようになりました。昼休みになると、私のクラスに来て私やCさん、文学部の仲間と話すようになっていました。
しかし、休み時間にあやさんのクラスをのぞくと、あやさんはポツンと1人席に座り本を読んでいます。休み時間のことをあやさんに聞いてみると「クラスの友達とは話しづらいんだ!」と教えてくれました。
担任のA先生のことを聞くと、こう答えました。
「何も変わらない!」
「『病院に行きなさい!』ばかり言う!」
「病院に行ったことを伝えると『それはよかった!』と言われた。」
「それ以降、ほとんど声をかけられなくなった!」
「もっと早く病院に行けばよかったんだよ!」(担任Aの発言)
あやさんが毎日、登校するようになって数日後、再びあやさんのケース会議を行うことになりました。
するとそこで担任のA先生がとんでもないことを口に出します。
「私が親や本人に病院をすすめたところ、病院に行ったそうです。」
「病院に行ってから、登校するようになりました。」
「もっと早く病院に行けばよかったんですよ!」
さらにスクールカウンセラーが言います。
「病院で検査をしたのでしょう!」
「お母さんもやっとあやさんが自閉症だとわかったんでしょう!」
「多分、家で『あれやれ!』『これやれ!』と言わなくなったんでしょう。」
「だから、本人も落ち着いてきたのでしょう!」
あやさんのがんばりを全く認めない担任Aとスクールカウンセラー
あやさんのがんばりとつらさを知っている私はその場でこう言いました。
「あやさんは、がんばって来ているんです!」
「あやさんのがんばりで、部活の友人関係は良好になりました。」
「ただ、クラスの人間関係には不安があるようです。」
「あやさんの人間関係が円滑に進むように授業や休み時間に担任の先生がつないでくれませんか?」
「カウンセラーさんも、エンカウンターなどの授業をやってくれませんか?」
すると、担任はこう言います。
「あやさんは1人でいるのが好きだから、本を読んでいるんだよ!」
「したいことをさせずに、無理に友達と遊ばせるのはよくない!」
スクールカウンセラーもこう言います。
「あやさんは人間関係が苦手なので、無理をさせるとストレスになります。」
「静かに、1人で本を読んでいる方が本人のためです!」
その後、私があやさんの気持ちを代弁しても、2人の意見は変わりません。最終的に校長はこう決断をしました。
「担任とスクールカウンセラーの意見を尊重しましょう!」
「あやさんには無理をさせず、このまま見守りましょう!」
中学2年生を乗り切り、中学3年生に!
その後、あやさんは病院にはいきませんでした(結局、病院に行ったのは1回でした)。しかし、学校を休むこともありませんでした。もちろん、私は一教師として、また、1人の友達として、あやさんの支援をしていきました。
あやさんは中学3年生の4月から私のクラスの一員になりました。あやさんは私のクラスで新しい友達をたくさんつくり、元気に、毎日、学校生活を送りました。
私のクラスで本来の真面目さが認められたあやさんは、後期学級委員長に立候補します。残念ながら学級委員長にはなれなかったあやさんでしたが、学級副委員長としてクラスになくてはならない存在となりました。
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