元中学校教師が教える学校のウラ話

元中学校教師が教える学校のウラ話

公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

 

  先生も告白された経験あるでしょ?そのときはどうしたの?

 


1.教師になった教え子からの相談
2.女子指導で悩んで相談してきた?
3.女子指導の具体的な相談内容は?
4.えっ?女子生徒から告白された!?
5.まさか、自分も好きとかじゃないよね?
6.先生も経験してるんでしょ!断り方を教えて!
7.手紙を変えそうとしていた教え子教師
8.手紙で断るのはやめておけ!
9.生徒指導の基本は「会って話す」だ!
10.学年主任や保護者に相談するのも可
11.ラブレターの対応を決めた教え子教師
12.気持ちが伝わり無事に解決!

 

 

  1.教師になった教え子からの相談

 

「先生!さっき、怒ったのってわざとでしょ?」
「あのとき『自由』って言ったのには理由があるよね!」
「クラスのみんなが○○するのを予測して準備してあったんだよね?」

25年も教師をしていると、私の発言や態度の意図を見抜く子がいます。

そんな教え子達の中には、教師になった子もいます。

先日、教師になった教え子から、相談の電話がかかってきました。

中学時代の彼は真面目で誠実な生徒でした。

勉強は中の上くらいで、英語が苦手な子です。

彼から「採用試験に受かった」と聞いたとき、私はこう思いました。

「彼は先生に向いているかもな!」
「勉強が苦手な子の気持ちも分かるし、真面目な子の気持ちも分かるだろうから。」

 

 

  2.女子指導で悩んで相談してきた?

 

「先生!ちょっと相談があるんだけど。」
「先生ってさ、女子と上手くやってたよね!」
「自分が教師になってから考えると、先生って女子指導が上手だったって分かるよ!」
「女子より男子の方がやりやすいよね!」
「良くも悪くも男ってストレートで単純だよね。」

どうやら、女子指導で悩んでいるようです。

「先生ほどじゃないかもしれないけど・・・。」
「何とか女子とも上手くやれてると思うんだよね!」
「でも、ちょっと困ったことがあって!」

やはりクラスの女子指導で悩んでいるようです。

 

 

  3.女子指導の具体的な相談内容は?

 

「先生も女子指導で経験あると思うんだけどさ・・・。」

私は初任者時代から退職するまでの25年間の間、学級担任をしてきました。

また、長年、生徒指導主事として多くの子どもと接してきました。

「まあ、他の先生より様々な経験はしてきたよ!」
「最近ではネットトラブルの対応もしたし!」
「多分、若い頃は同じような悩みを持っていたと思うんだ!」
「だから、少しは参考になるアドバイスができると思うよ!」
「どうした?どんなことで悩んでいるんだ?」

すると、彼はこのような相談をしてきました。

「先生も経験あると思うんだけどさ・・・・。」
「クラスの女子に告白されたんだ!」

 

 

  4.えっ?女子生徒から告白された!?


『えーーーーーーーー!』
『そんな経験はないよーーー!』

私は心の中で叫びました。

しかし、先輩教員として、もと教え子に醜態は見せられません。

「あ~!そうなんだ!」
「まぁ~、良くあることだな!」
「先生も何度か経験があるよ!」

正直、教員経験25年の間、教え子から告白されたことは1度もありません。

イケメンの先生は、何度も告白をされているのでしょうか?

少なくとも、同僚の先生から告白されたという話は聞いたことがありません。

もしかしたら、生徒から告白されるのは「教員あるある」なのでしょうか?

 

 

  5.まさか、自分も好きとかじゃないよね?


「クラスの女の子からラブレターをもらったんだ!」
「真面目でとっても良い子なんだ!」

私は彼に、その子に対しての気持ちを聞きます。

「まさか、お前も好きとかじゃないよな?」
「えっ、付き合いたいとか思っちゃってる?」

すると彼はしっかりと否定します。

「もちろん、教え子としては好きだよ!」
「でも、恋とか愛とかじゃないよ!」
「その子と付き合いたいとか、結婚したいとかいう気持ちはないよ!」

 

 

  6.先生も経験してるんでしょ!断り方を教えて!

 

その後、彼は続けます。

「でも、彼女を傷つけたくはないんだ!」
「だから、先生!」
「お願いだから、上手に断る方法を教えて!」

中学校のころから、真面目で優しい彼らしい言葉です。

「先生は何度も告白されたことがあるんでしょ!」
「そのときは、どうやって断ったの?」
「どう言えば、彼女を傷つけずに断れるの?」
「他の先生には相談できないんだよ!」
「先生、頼むよ~。正しい断り方を教えてよ~。」

 

 

  7.手紙を変えそうとしていた教え子教師

 

私は彼がどのような対応をしようと考えているのかを聞きました。

「手紙をもらったから手紙で返そうと思うんだ!」
「そこに、自分の気持ちを書こうと思ってる。」

『ゴメンね。生徒としてあなたのことは好きだよ。』
『でも、愛してるとか恋してるではないんだ。』
『これからも、クラスではみんなの見本となって欲しいと思ってる。』
『そして、ダメダメな先生の手伝いをして欲しいと思ってる。』
『これからも、よろしく頼むよ。』

「こんな感じの手紙を書こうと思うんだけど・・・。」
「どうかな?」

 

 

  8.手紙で断るのはやめておけ!

 

生徒から告白されたことは1度もない私ですが、長年の生徒指導主事の経験から、このようにアドバイスをします。

「手紙はやめておけ!」

「いくら上手な文章を書いても、それが伝わるとは限らない。」
「こちらの伝えたい気持ちが伝わらないことはあるんだよ!」
「だから、絶対に手紙はやめておけ!」

さらに、このようなアドバイスをします。

「トラブルに発展したときに現物があるとヤバいぞ!」
「その子が良い子だとしても、万が一にも訴えられる可能性もあるからな!」

 

 

  9.生徒指導の基本は「会って話す」だ!

 

また、このようなアドバイスもしました。

「話すなら、目の前で、顔を見てちゃんと伝えろよ!」
「本気で、真剣に話をすれば、気持ちは伝わるから。」
「手紙や電話で同じ事を言っても伝わらないことはあるが、直接のときは伝わる可能性が高くなる。」
「これは、生徒指導の基本だ!」
「だから、その子以外の対応や親の対応のときも、基本は会って話すんだぞ!」
「これがトラブルを回避する正しい対応の1つだ。」

私から生徒指導の基本をきいた彼は感心しているようです。

 

 

  10.学年主任や保護者に相談するのも可


さらに、直接、話をするときのポイントも伝えます。

「可能なら話し合いの場に女性の先生にいてもらった方が良いぞ!」
「万が一、彼女が振られたショックで、お前に襲われたと言うかもしれないだろ!」
「そんなとき、男と女が1対1で話をしていたら、どっちの言葉が信じてもらえる?」
「力もなく、立場的に弱い、女子生徒の言葉を信じるのが普通だろ!!

そして、最後にもう一つだけアドバイスをしました。

「親御さんに事前に伝えておくのもいいと思うよ。」
「真面目な子みたいだから、お母さんも真面目の可能性が高いだろ。」
「だから、子どもには内緒にしてもらって事前に『断る旨』を伝えるんだ!」

『娘さんにもらった手紙は本当に嬉しかったです。』
『ただ、娘さんを恋愛対象とすることは出来ません。』
『明日、直接、本人に断りの話をするつもりです。』
『なるべく、傷付かないように話をします。』
『ただ、もし様子がおかしかったら・・・。』
『おうちの方でフォローをお願いできませんか?』

そして、最後にこうも伝えました。

「学年主任の先生にも相談してみろよ!」

 

 

  11.ラブレターの対応を決めた教え子教師

 

教え子の彼は私のアドバイスを元に対応を決めたようです。

「先生!ありがとう!」
「手紙を書くのはやめるよ!」
「自分の正直な気持ちを彼女に伝えるよ!」
「多分、彼女は分かってくれると思う。」

女性の先生に同席してもらう対応や保護者に伝える対応はしないとのことでした。

ただ、学年主任には事前に相談をして助言?をいただいていたそうです。

「そんなの普通にNOと言って終わりだよ!」
「教師と生徒なんだから無理って言えばいいんだよ!」

 

 

  12.気持ちが伝わり無事に解決!

 

数日後。

彼から私に連絡がありました。

「先生!ありがとう!」
「上手くいったよ!」
「本気で、本当の気持ちを伝えた。」
「そうしたら、彼女も本気で考えてくれてありがとうって言ってくれた。」
「泣かしちゃったけど、トラブルにはならないと思う。」

そして、最後にこう言いました。

「さすが女子指導が得意な先生だね!」
「何度も告白された経験があるから正しい対応を知っていたんだね!」
「また、何かあったら相談させてね!」

もちろん、私はエラそうに答えました。

「まっ、まあな!」
「いろいろな経験をしているからな!」
「なんか困ったことがあったら、連絡してこいよ!」

 

 

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このブログは、筆者の経験を元に作成しています。ただし、個人情報や学校が特定ができないように事例を少し変えて作成しております。掲載している情報により生じたいかなる損害に関しても、筆者が責任を負うことはできません。

 

  8年後、誰もが知っている大学に合格!

 



1.ADHDの子どもが不登校に
2.ADHDだから通常学級はムリ!?
3.通常学級に行かせたいのは親のエゴ!?
4.みんなと同じや勉強がストレス!?
5.勉強をさせたいなら親が教材を作って!?
6.発達障害なんだから大学なんてムリ!?
7.ADHDの本に書いてあったのは・・・
8.仕事から帰ってきて深夜まで教材準備をするが
9.もっと子どもに合った教材を作って!?
10.スクールカウンセラーに相談するのが怖い・・・
11.通常学級のまま不登校解決!
12.中学入学後は一緒に勉強!進学校に合格!
13.誰もが知っている大学に合格!
14.あのカウンセラーに報告したい!

 

 

  1.ADHDの子どもが不登校に

 

カウンセラーとしての仕事を始めたとき、不登校の息子さんをもつお母さんからADHDの診断を受けているお子さんの相談をいただきました。

息子さんは小学校5年生で、知能や理解力は平均より少し低い程度です。

ただ、ADHDの特性上、我慢をすることが苦手なため、友だちとのトラブルは多かったようです。

息子さんが登校しぶりを始めた頃、お母さんはスクールカウンセラーに相談をします。

そこで、お母さんは息子さんの対応についてのアドバイス(?)をいただいたのですが・・・。

 

 

  2.ADHDだから通常学級はムリ!?


母「毎朝、息子が『学校に行きたくない』と言います。」
母「どのように対応すれば良いのでしょうか?」

すると、スクールカウンセラー(以下SC)が答えます。

SC「ムリに学校に来させるのは子どものためになりません。」
SC「子どもの意志を尊重してあげましょう。」

お母さんは息子さんが発達障害の診断を受けていることを伝えます。

SC「息子さんはADHD何ですね!」
SC「それでは通常学級に行きたくないのは当然です。」
SC「特別支援学級に入れることを考えてください。」
SC「息子さんには通常学級はムリなんですよ!」

 

 

  3.通常学級に行かせたいのは親のエゴ?

 

お母さんが今のクラスに登校させたい旨を伝えます。

SC「息子さんは発達障害なんですよ。」
SC「通常学級はムリなんですよ!」
SC「息子さんにとってベストは特別支援学級を選択することです。」
SC「特別支援学級がイヤならフリースクールもありますよ。」
SC「公的なフリースクールである適応指導教室はどうですか?」
SC「とにかく、息子さんには通常学級はムリなんです。」

お母さんが将来のことを考えて通常学級に在籍させたい旨を伝えると・・・。

SC「それは親のエゴです!」
SC「親が『学校に行くべき』と思っているからダメなんです!」
SC「学校なんて行かなくても良いんです!」
SC「通常学級に行くべきという『べき論』をやめて下さい!」
SC「親が変わらなければ、子どもの不登校は解決しません!」

 

 

  4.みんなと同じや勉強がストレス!?

 

お母さんは、本人が「みんなと同じクラスに行きたい!」という気持ちを持っている事を伝えます。

SC「みんなと同じクラスがストレスなんです!」
SC「だから、息子さんは『学校に行きたくない』と言うんです!」
SC「勉強もついていけないのでしょう。」
SC「その劣等感がストレスになるんです!」

お母さんは、もう一度、「みんなと同じクラスに行きたい」という子どもの気持ちを伝えます。

SC「息子さんは通常学級が自分の居場所ではないと気づいているんです。」
SC「それでも、親が『学校、学校』と言うのでウソをついているんです。」
SC「本心は学校に行きたくないんです!」
SC「登校をしぶっている事から、その気持ちがウソだと分かりますよね。」

 

 

  5.勉強をさせたいなら親が教材を作って

 

自分の考えを否定されてショックを受けたお母さんですが、子どもの将来のことを考え、専門家であるSCに家庭での対応を聞きました。

SC「発達障害の本を買って読んで下さい!」
SC「その本を参考にして勉強をやらせて下さい。」
SC「ADHDの子どもは集中力が続きません。」
SC「部屋などに物が多いと気が移ってしまいます。」
SC「勉強部屋を準備したり机に工夫をするのも良いでしょう。」
SC「お子さんに合った教材をお母さんが作って下さい!」
SC「そうすれば勉強もできるようになるでしょう!」

具体的なアドバイスをもらったお母さんは、子どものためにガンバろうと思ったそうです。

 

 

  6.発達障害なんだから大学なんてムリ

 

最後に、お母さんはこのような質問をします。

母「将来は大学に入って欲しいと思います。」
母「そのためにも高校は全日制高校に進学させたいです。」
母「私がガンバるので特別支援学級ではなくても大丈夫ですよね!」
母「息子にあった問題集を作ってがんばります!」

しかし、スクールカウンセラーは冷たく言い放ちます。

SC「息子さんは発達障害だって分かっていますか?」
SC「大学なんてムリに決まっているでしょう。」
SC「高校にだって行けるか分からないのに。」
SC「お母さんが問題集を作れば、ある程度は理解ができるでしょう。」
SC「しかし、あくまでも『ある程度』なんですよ!」
SC「そこを間違えないで下さいね!」

 

 

  7.ADHDの本に書いてあったのは・・


お母さんはADHDの本を買ったり、ネットで対応を調べたりしました。

そこには下記のようなことが書かれています。

①    図や絵など視覚的に勉強できる教材を作る(買う)。

・算数:ケーキの絵を使って分数を意味を理解する。
・国語:漢字の部首は成り立ちと絵で覚える。
・英語:歌の歌詞で基本文法を理解する。など

② 集中できる部屋や机を用意する。

・勉強専用の部屋をつくり、そこには物を置かない。
・机の上には鉛筆と消しゴム、教科書、問題集など必要最低限を置く。
・仕切り板などを使って視界を遮断する。
・机の向きを壁向きにする。など

③ 勉強のスケジュールを決める

・勉強のスケジュールを作り優先順位をハッキリさせる。
・暗記と演習を交互に行う。
・「25分勉強-5分休憩」のポモドーロテクニックを活用する。など

④ 座学以外の勉強を場所を決める。

・通学中に単語や漢字の暗記をする。
・散歩をしながら英語の歌を歌う。
・部屋の中を歩き回って歴史の人物を覚える。など

⑤ 過集中をしたときの対応を決めておく。

・過集中の状態から勉強モードに切り替えるのは困難。
・無理に勉強に戻すとストレスとなる。
・過集中の時はとにかく待つ。など

⑥ 自分で選択させる

・「これをやりなさい!」と親が決めない。
・本人の意志を尊重する。
・いくつかの選択肢を用意して選ばせる。など

 

 

  8.仕事後、深夜まで教材準備をするが


ネットや本には小学校低学年が対象と思われる内容がほとんどでした。

しかし、専門家ではないお母さんはSCに言われたとおり、本やネットを参考に勉強の支援を始めます。

最初に取りかかったのは勉強部屋をつくることでした。

部屋を片付け、机を準備し、物を置かないようにしました。

同時に授業の教材や問題集も自分で準備をしたそうです。

お母さんは、これらの支援を仕事と家事が終わった後、深夜に1人で行ったそうです。

とにかく、お子さんのためにガンバったのです。

子どもと一緒に勉強のスケジュールもたてたそうです。

最初のうちは勉強に取り組み始めたお子さんですが、数日もすると勉強部屋や教材に飽きてしまいます。

(興味のないことは継続できないのもADHDの特徴と言えますが・・・。)

結局、一緒に考えた勉強スケジュールもほとんど達成することが出来ませんでした。

 

 

  9.もっと子どもに合った教材を作って?

 

1ヶ月後、SCが学校に来る日です。

お母さんは、自分で作った教材や一緒に考えたスケジュールを持って、SCに相談に行きます。

それを見たSCはこう言ったそうです。

SC「やる気が出ないのは教材や問題集が合っていないからですよ!」
SC「もっと、しっかりと調べて息子さんに合った教材を作らないと!」

一緒に考えたスケジュールについても注意をされます。

SC「決めた事を中途半端にするのはよくない!」
SC「毎日、親が確認をしたり、一緒にやったりしないと!」
SC「子どもへの愛情があれば時間を作ることができるでしょう。」
SC「仕事と子ども、どっちが大切なんですか?」

 

 

  10.カウンセラーに相談するのが怖い・

 

仕事、家事、子育て、ADHDの息子への支援を1人で行ってきたお母さんは自分を責めたそうです。

母「私の愛情不足なんだ!
母「他のお母さんはちゃんとやってるんだ!」
母「子どもの不登校は私の愛情不足なんだ!」

さらにこう思ったそうです。

母「もうカウンセラーに相談をするのはやめよう!」
母「どうせ、また、怒られんだから・・・。」
母「カウンセラーが怖い・・・」

 

 

  11.通常学級のまま不登校解決!

 

1人で悩んでいたお母さんが知り合いを通じて私の所に来たのは、息子さんが小学校5年生になったばかりの時でした。

お母さんやお父さんは仕事をしているため、私が週に1回のカウンセリングや勉強を行いました。

これにより、息子さんの不登校はスグに解決しましす。

そして、私が支援を始めてから、小学校を卒業するまでの約2年間の欠席は3日だけです。

さらに中学校に上がってからの欠席は0日でした。

 

 

  12.中学は一緒に勉強!進学校に合格!

 

不登校が解決してからは、勉強の支援を行いました。

特に予習に力を入れたことで、学校の授業にも落ち着いて参加できるようになったのです。

安定して登校出来るようになり、学校でのトラブルも減ったことで、中学入学と同時に訪問カウンセリングは終了となりました。

しかし、1学期の期末テストの結果が173位/200人だったため、再び訪問カウンセリング(勉強)の依頼をいただくようになります。

一緒に勉強をして、家庭学習を管理したことで、彼は少しずつ順位を上げていきました。

中学3年生の最後のテストでは65位/200人にまで順位を上げることが出来たのです。

そして、その地域で上から3番目の進学校に合格することが出来たのです。

 

 

  13.誰もが知っている大学に合格!

 

高校入学と同時に訪問カウンセリングは終わりとなりました。

しかし、高校1年生の夏休み前に彼から連絡があります。

「先生!数学で赤点を取っちゃった!」
「勉強を教えて!」

その後、大学に合格するまでの2年半、私は訪問カウンセリング(勉強)をすることになりました。

訪問カウンセリング(勉強)では、数学、英語、化学、物理、日本史を教えます。

これにより、卒業まで1度も赤点を取らずにすんだのです。

そして、今年の2月。

ついに大学に合格することができたのです。

偏差値が55程度で、名前を言えばみなさんが知っている大学です。

 

 

  14.あのカウンセラーに報告したい!

 

お母さんとお父さんは、節目節目でこのように言っていました。

「通常学級のまま、小学校を卒業できた!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「中学では欠席が0日だった!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「公立の進学校に合格できた!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「大学に合格した!」
「あのカウンセラーに教えてあげたい!」

「通常学級はムリ!とカウンセラーに言われた!」
「高校はムリ!とカウンセラーに言われた!」
「大学なんてムリ!とカウンセラーに言われた!」

「どこの学校にいるのか探し出して報告に行きたい!」

 

 

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このブログは、筆者の経験を元に作成しています。ただし、個人情報や学校が特定ができないように事例を少し変えて作成しております。掲載している情報により生じたいかなる損害に関しても、筆者が責任を負うことはできません。

 

  火の神ガンバれ~?神様を応援する子ども




1.宿泊教室で起きた様々なハプニング!
2.キャンプファイヤーの事前練習
3.台詞も暗記して準備万全!
4.担当と教頭のヒソヒソ話の内容は?
5.突然の演出変更!火の神が海から現れる!
6.楽しみにしていたキャンプファイヤー開始!
7.「お~!すげ~!」火の神が海から登場!
8.火の神の炎が小さくなっている?
9.火の神ガンバれ~!火の神~!

 

 

  1.宿泊教室で起きた様々なハプニング!


ある学校で宿泊教室(自然体験教室)に行ったときの話です。

体験先は海のそばにある自然の家でした。

その自然の家では様々な体験をすることが出来ます。

釣り、地引き網、漁港見学、海水浴、サイクリング、カッターボート、ハイキング、サンドスキー、天体観測、BBQ、そして、キャンプファイヤー。

その学校の宿泊教室は2泊3日だったこともあり、子どもたちは「海水浴」以外の全ての体験を行うことになりました。

ただ、その宿泊教室では、様々なハプニングが起きたのです。

 

 

  2.キャンプファイヤーの事前練習

 

最も大きなハプニングは、浜辺で行うキャンプファイヤーのときに起こりました。

キャンプファイヤー担当の先生は、とてもアイディアマンで子どもたちを楽しませることが好きな先生です。

担当の先生は、宿泊教室に行く前からキャンプファイヤーを盛り上げるため、火の神と火の子への演技指導を行っていました。

火の神を担当するのは宿泊教室に同行している教頭先生、火の子の役をするのは4人の子どもたちです。

「最初に司会が『燃えろよ燃えろ』を歌うことを伝えます。」
「その後、全員で『燃えろよ燃えろ』を歌います。」
「1番が歌い終わったと同時に火の神はたいまつに火をつけて下さい。」
「子どもたちの歓声が上がると思いますので、そうしたら、火の神と火の子は入場して下さい。」
「荘厳な儀式にしたいので、慌てず、ゆっくり歩いて下さい!」
「そして、キャンプファイヤーの近くに来たら、火の子は火の神の前に跪きます!」

 

 

  3.台詞も暗記して準備万全!


担当の先生は、しっかりと台詞も考えていました。

神「汝には信頼の炎を授ける!」
子「信頼の炎が大きくなるようにがんばります!」

神「汝には友情の炎を授ける!」
子「友情の炎が大きくなるようにがんばります!」

神「汝には協力の炎を授ける!」
子「協力の炎が大きくなるようにがんばります!」

神「汝には努力の炎を授ける!」
子「努力の炎が大きくなるようにがんばります!」

子「我々は火の神から4つの炎をいただいた!」
子「全員がこの4つの炎を心にともして生きていこう!」
子「今日より、ここにいる全員が仲間だ!」
子「1人ひとりが仲間として信頼、友情、協力、努力をしていこう!」

宿泊教室の前に極秘特訓をした火の神と火の子は、万全の体制でキャンプファイヤーに臨んだのでした。

 

 

  4.担当と教頭のヒソヒソ話の内容は?

 

宿泊教室初日の夕食を食べ、片付けが終わったら、待ちに待ったキャンプファイヤーが始まります。

食堂で夕食を食べていると、キャンプファイヤー担当の先生が教頭先生と何やらヒソヒソと話をしています。

たまたま近くに座っていた私の耳には2人のヒソヒソ話の内容が聞こえてきました。

「教頭先生。先程、キャンプファイヤー場所の下見に行って来ました。」
「そうしたら、キャンプファイヤーが盛り上がるアイディアを思いついたんです。」

自分の目でキャンプファイヤーを行う砂浜を確認した担当の先生は、実際に開催場所を見たことで何か面白いアイディアを思いついたようです。

「教頭先生。火の神の登場を海からに変えようと思うのですがどうでしょうか?」
「歌の1番が終わったところで、海の上にたいまつの火が灯ったら、盛り上がるとおもいませんか?」

 

 

  5.突然の演出変更!火の神が海から!

 

確かに火の神が海から登場したら盛り上がるでしょう。

しかし、どうやって海から登場させるのでしょう?

教頭先生を真っ暗な海の中で待機させるつもりなのでしょうか?

すると、担当の先生は、その疑問に答えてくれました。

「教頭先生は少し離れたボート乗り場で待機して下さい。」
「施設に確認したところボートを借りることができるそうです。」
「A先生(若い体育の先生)にボートを漕いでもらいます。」
「子どもたちの『燃えろよ燃えろ』の1番が終わったら火をつけて下さい!」
「岸に着いたらボートから下りて火の子の所に行って下さい。」
「そこからは、練習どおりにやっていただければと思います。」
「ボートから下りるときに足が濡れてしまうのは我慢して下さい。」

教頭先生もノリの良い先生です。

担当の先生のお願いを二つ返事で引き受けていました。

 

 

  6.キャンプファイヤー開始!


日が沈み、辺りが暗くなって来ました。

子どもたちが笑顔でキャンプファイヤー会場の砂浜に集まってきます。

「時間になったので、これからキャンプファイヤーを始めたいと思います。」
「みんなで楽しい思い出を作りましょう!」

司会の子どもの言葉で、みんなが楽しみにしているキャンプファイヤーが始まりました。

「最初に目の前の大きなキャンプファイヤーに点火したいと思います。」
「そのためには、火の神に来ていただけなければなりません。」
「みなさんで『燃えろよ燃えろ』を大きな声で歌って火の神をお迎えしましょう!」

司会の子が「燃えろよ燃えろ」を歌い出すと、子どもたちも一緒に歌い始めます。

「燃~えろよ、燃えろ~よ!炎よ燃~え~ろ~!」

 

 

  7.「お~!」火の神が海から登場!


子どもたちの歌に合わせて、火の子役の子どもたちが波打ち際に並びました。

火の子が並び終わったと同時に海の上に1つの明かりがつきます。

それを見た子どもたちから歓声が上がりました。

「あっ~!なんか光ってる!」
「本当だ!すげ~!」
「海から火の神がくる!」
「お~!すご~い!」

司会の子どもがこう言います。

「火の神が遠い海の向こうから来て下さいました。」
「もっと、大きな声で歌ってコチラに来てもらいましょう!」

子どもたちの歌声がさらに大きくなりました。

「燃~えろよ、燃えろ~よ!炎よ燃~え~ろ~!」

まさか、火の神が海から来るとは思っていなかったのでしょう。

もちろん、ヒソヒソ話を聞いていなかったら私も驚いていたと思います。

当然ですが、他の先生方も子どもと一緒に驚いていました。

キャンプファイヤー担当の先生は「してやったり」という顔でにんまりしています。

 

 

  8.火の神の炎が小さくなっている?

 

子どもたちは大きな声で「燃えろよ燃えろ」を歌っています。

そして、火の神が自分たちの前に現れるのを今か今かと待ちかまえています。

しかし、大きな声で「燃えろよ燃えろ」を歌っているのですが、火の神は我々の前に現れてくれません。

さらには、心なし火の神のたいまつの炎が小さくなっているように感じます。

すると、担当の先生がマイクを使って子どもたちに呼びかけます。

「もっと大きな声で歌いましょう!」
「火の神にガンバる心を伝えるんです!」
「火の神!ガンバれ!」
「火の神!ガンバれ!」

 

 

  9.火の神ガンバれ~!火の神~!


子どもたちは歌うのをやめ、担当の先生と一緒に応援を始めました。

「火の神!ガンバれ!」
「ガンバって!火の神!」
「もう少しだよ!もう少しガンバって!」
「コッチだよ!」
「火の神!火の神!火の神!火の神!」

冷静に聞いていると、担当の先生や子どもたちの言っている言葉がおかしいのに気づくでしょう。

この子たちにとって、神様を応援するということは人生の中で最初で最後の事でしょう。

しかし、担当の先生や子どもたちは真剣に「ガンバれ!」と叫んでいます。

ただ、がんばるのは火の神ではなくA先生なのですが・・・・。

担当の先生や子どもたちの応援は神様に伝わらなかったのか、火の神の乗ったボートは、どんどん、小さくなって最後には消えてしまったのでした。

 

 

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