連れ合いが、飲んで帰るから帰りが遅くなると言われた朝

我が社はチマチマと棚卸しの日だった。


電話とかもろもろ止めてみんなでせっせと品物を数える



前日まで下準備でピリピリしたムードの職場だったが、今日は数えるだけなので黙々と作業


数えながら頭の中で、


あー、家真っ直ぐ帰っても暇だなぁ

ライブ?んー、

コンカフェ行くか?んー、、

…そういえば!観たいと思ってた映画は?!


調べたら定時で急げば間に合う!


思い立って定時退勤後、渋谷へ駆け込んだ



国内において渋谷のユーロスペースのみで上映している「蒸発」というドイツ人と日本人W監督の86分ドキュメンタリー映画



映画の宣伝文句を引用すると、

日本では毎年、約8万人が失踪する。その多くは帰宅するが、数千⼈は完全に姿を消してしまう。彼らは「蒸発者」と呼ばれる。⼈間関係のトラブル、借⾦苦、ヤクザからの脅迫など、理由はさまざま。いわゆる「夜逃げ屋」の支援を受ける者もいる。すべてのしがらみを捨て、どこか別の場所で、新しい生活を始める。深い喪失や挫折と、人生をゼロからやり直す希望が交差する。


といった内容


※この後どんどんネタバレしますので、ご承知おきください。


流行りの映画ではないのでたぶん2〜3週間ほどで終わる作品

サブスクにも落ちないかな?Blu-rayとかなっても買うのかな?と考え映画館を選んだ




映画は主に、失踪した人、失踪したい人を支援する会社(?)経営者、失踪者を探す興信所職員にスポットライトがあたる


宣伝文にある通り、日本では本当に姿を消す

その名の通り蒸発する人がいる

身近にはいないが、映画内ではAIを駆使しディープフェイクとして顔と音声を自然に変えた人が各々のバックグラウンドを濁しながら語り、観客は察しながら観ていく。



人間の悩みのほとんどは、お金と人間関係

とどこかで聞いた事がある。


確かに思い返せば悩むとすればお金が無いとか、家族、友人、職場の人と上手く行かない

みたいな事が多い


私も家庭を持ち、平日は仕事に行き、友達と遊ぶ


一見すれば楽しそうだが、同じような境遇でも蓋を開けたら幸せかなんて分からない。

(私は幸せです)


映画内で最初に出てきた失踪者は、彼女と同棲していたが親友が自殺し精神を病んでいった彼女からDVと監視を受ける生活に嫌気が刺し、失踪支援社に協力を求めたそう。

彼女がお風呂に入った隙に最低限の荷物で失踪支援社の車に乗り込み、そのまま行方をくらます…


失踪支援社は報酬を貰ってから失踪者へ新たに住む家と仕事を斡旋する


探してもバレないような場所へ、、



情報化社会で少しの犯罪すらすぐバレて捕まる世の中だが、探すにも「プライバシー保護」が失踪者を守り家族すら探すのが困難らしく、

26歳の息子が失踪した母親も出てくるが、プライバシー保護が邪魔して全く見つからないそうだ




日本は恥を抱えて生きるなら、死んだ方がマシ


という風潮が古来からあるように感じる


悩んだ末、自らの死を選ぶ人もいるが

その勇気が無く新たな地でやり直したい


そう思う人が多いそうで失踪支援会社なるものがある


劇中字幕で、

支援会社は合法なことを行なっているが多くの場合、グレーゾーンとの事で

支援会社を経営する?人にも闇があるようだ

あまりにも濁すので察する事しかできないが支援会社の逃し屋中年女性も母親からの虐待を受けて育ち、結婚はしているが警察沙汰になったら旦那さんはいつでも離婚すると言っていて本人もそれに了承している、歪な夫婦関係のようだ




西成に身を潜めた失踪者はその後日雇いで暮らしておよそ30年間家族と連絡を取らなかった。

でもある日、思い立って家族へ連絡したら

「生きてて良かった」

と言われたそう


失踪した理由も親から厳しく過保護に育てられその後社会で上手く歩めず、実家に帰るのも本人にはハードル高く蒸発を選んだ


昔を懐かしんで、親を想い連絡をして

父親の死後、実家へ帰るもまた放浪生活を選ぶ




他にもカップルでヤクザから逃げて共に田舎のラブホテルで住み込みで働きながら、将来は戸建てを買って住みたいと夢を見ている





登場する失踪者に共通するのは、

みんな真面目に生きていたはずの人たち

生まれながらの落伍者は見受けられなかった


真面目なのは世間から評価され、ある程度の社会的地位や結婚出産が「幸せ」と呼ばれる

現代では独身も大いに尊重され、本人が幸せなら良いじゃないか

という社会になってきているが、

どこかで踏み間違えて軌道修正が難しくなった人は多くいるだろう



好きな歌詞に「初めて歩む人生だから、つまづく事の方が多くて」

と言うのがある

私もつまづく事が多い

その時、必要な分人に恵まれて上手く支えてもらって軌道修正してもらえる人生が、いかに恵まれているか

という美談のような言い方だが、実感している


実際映画の中でインタビューを受ける失踪者たちは周りに恵まれなかった結果、失踪という道を選んでいる



思春期の頃は、今後生きてても面白くないかも

とか考えて死んでみようかとか考えた時期もあったが、失踪かぁ…蒸発して幸せに生きれるのかなぁ?

と観終わって考えたが、

ヤクザから借金を追い立てられた事がないし、泣き言言って殴られる親ではない、優しい妻や友人に恵まれているから失踪という道を選ばないのであろう。




回顧録なのでオチもクソも無いが、

こんな駄文を最後まで読んでくれた人にお願いしたい。

何があっても自殺とか、失踪しないでほしい。


あなたの人生に責任は持てない。

でも無責任にお願いしたい。


中学の同級生が高校時代に自殺して、自分のせいでは無いにしても、その事をトラウマとして引きずって生きているので

これ以上病気や歳以外で隣人が死ぬのは、消えるのは耐えられない。