🌼*・誰かを看取る仕事をしていると
自分の10年後をつい考えてしまうことがあります。
未来はまだ見えないけれど湯船の中で交わした何気ない会話が私の心を揺らしました。
入浴介助の最中
利用者の彼女がふと聞いてきた。
「あなた、何歳?」
「64歳です。12月になれば65になります」と答えると……
「若いねぇ。私より10歳も下だわ」と笑う。
湯船の湯気の向こうで、彼女の顔が柔らかくほころんだ。
「10年前は何をしてたんですか?」と私が聞くと「洋裁で生計を立ててたのよ」
結婚もしないで親の面倒ばっかり見てきたから
私なんて何もないのよ」と!それでも笑って話す彼女。
だけど話を続けて言った。
「親の介護をしてきたかいもあってお金だけは少し残してくれてね。こんな立派な施設にいるけど、私なんてちっぽけな人生よ〜」
その言葉に私は、10年後の自分を重ねた。
今はまだ64歳。
けれど、75歳になった自分がどんな顔をしているのかを想像すると、胸の奥が少しだけざわついた。
若いころは10年先なんて考えたこともなかった。
その日を楽しく過ごせればいい
のーてんきな性格。
でも、これからの10年はどんな景色を見て生きるんだろう。
彼女は乳がんの再発と闘っていた。
それでも笑いながら言う。
「私、男を選びすぎたのよ」
私が「え〜っ、選びすぎたんですか?」と聞くと「違うわよ、男の方が私を選びすぎたの」と返してきた。
なんだか深いようで、ただ明るいようで。
2人で大笑いした。
湯船からお湯がこぼれ落ちる。
「そろそろ上がるわ!」
そう言って立ち上がった彼女の右胸がないことに、私はそっと目を逸らした。
湯上がりの脱衣所で、2人して真っ赤な顔をして笑い合った。
冷たいドリンクを一緒に飲みながら、彼女はタオルで髪を押さえつつ「またお願いねぇ〜」と
やさしく言った。
その一言に、“生きる”ってこういう時間のことかもしれない——そう思った
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10年後の私!どんな人生を過ごしているんだろ
ちょっと笑ってしまいました💗