「歩き旅」を趣味としている某ブロ友さんがX(Twitter)で、「小中学校の校歌を調べるとその土地その土地の特徴や歴史などが端的に表現されているので、あちこちお散歩する時にも参考になりそうだな」とポストしていました。私が「校歌」を意識するようになったのは、2023年1月の「石巻・2つの小学校を訪ねる旅」で石巻市立大川小学校・門脇小学校を訪れたことがきっかけでしたが、我が母校の校歌と比べても、その地域ごとで特色があって面白いなぁと感じます。

 

 私は神奈川県西部の出身ですが、小中学校の校歌では「富士」が使われていました。高校は県央部の学校でしたが、やはり「富士」が使われていましたね。ブロ友さんは横浜のご出身ですが、横浜の学校でも校歌に「富士」が入っているところは多いようです。

 

 また、ブロ友さんは「『富士(山)』のフレーズが校歌に入っているのはどこまでか?」というのを調べたそうですが、フォロワーさん情報などから、東は千葉県旭市(富士山頂から180km)、北は栃木県小山市(富士山頂から140km)になったとか。千葉県=富士山のイメージがあまりないため、旭市の学校の校歌に「富士(山)」が使われている事実には驚きました。



 私が2023年1月に訪れた石巻市立大川小学校・門脇小学校の校歌にはどちらにも「北上川」「太平洋」というワードが使われていました。




 石巻の他の学校の校歌も調べましたが、「北上川」「太平洋」「海」「浜」といった言葉が入る歌詞が多かったですね。神奈川県内陸部育ちの私にとっては、「太平洋」という言葉からスケールの大きさを感じます。
 石巻の人にとって北上川と太平洋が身近なものであると同時に、海や川から沢山の恵みを受けてきたことも分かります。石巻のみならず、三陸沿岸地域では、海は「生命線」そのものなのかもしれません。

 しかし、北上川・太平洋という言葉からどうしても考えてしまうのは「東日本大震災」のことです。大川小学校も門脇小学校も東日本大震災で大きな被害を受け、さらに児童数の減少も加わって閉校となってしまいました。震災慰霊の旅で何度も現地を訪れましたが、美しく穏やかな海と川があの日、牙をむいたとはどうしても思えませんでした。

 門脇小学校の校歌には「北上川は生きていて〜」というフレーズがあるのですが、北上川に限らず、自然は「生きている」からこそ、時に猛威を振るうということなのかなぁ、と思います。これまでに5回、震災慰霊の旅をしてきましたが、三陸鉄道の沿線など、訪れたいところは沢山あります。今度震災慰霊の旅をするときは、現地の学校の校歌も調べてみようと思いました。