本の紹介記事です。今日は、フランシス・ホジソン・バーネットによって書かれた「小公女」を紹介させて頂きます。

人によっては「小公女セーラ」のほうが馴染みがあるかもしれません。

 

私と「小公女」との出会いは小学校低学年頃でした。

母から初めて勧められた本でしたが、子どもの頃に読んだので内容はすっかり忘れていました(^_^;)

 

それから20年近く経った今、「名作」と呼ばれている本を知らないのは恥ずかしい…!と思っている私が、真っ先に手に取ったのが「小公女」でした。

やはり母に初めて勧められたのが大きく影響しているのかもしれません。そこで新潮文庫から出ている完訳版(?)をダウンロードし、読んでみました。(ちゃんとした表紙の写真をスクリーンショットできず申し訳ありませんあせる

 

 

以下ネタバレを含むので、まだ読んでいない方はお気をつけ下さいm(_ _)m 多くの人に知られている本ですが、簡単にストーリーを紹介させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

主人公のセーラ・クルーは7歳でロンドンのミス・ミンチン女子学院という寄宿学校に入学します。軍人の父親を持ち、英領インドの裕福な家庭に生まれ育ったセーラは「特別寄宿生」として手厚い待遇を受けることになります。セーラは成績優秀で、学院の人気者でした。

それから4年後、セーラは11歳の誕生日を迎えます。ところが、セーラの父が熱病に冒されて亡くなり、さらにインドで手がけていたダイヤモンド鉱山の事業に失敗したことを知らされてしまいます。

唯一の肉親を亡くし、さらに無一文となってしまったセーラは学院の下働きにまで身を落としてしまいます。

 

セーラは来る日も来る日も用事を言いつけられ、壮絶ないじめを受け、時には食事抜きという罰を与えられることさえありました。しかしそんな中、ミンチン女子学院の隣にインドの紳士が引っ越してきたことからセーラの運命は少しずつ変わり始めます…。

 

実はこのインドの紳士は、セーラの父の親友・カリスフォード氏だったのです。カリスフォード氏もまた、セーラの父と共にダイヤモンド鉱山の事業に関わっていたのでした。セーラの父が亡くなったことを知ったカリスフォード氏は、少ない手掛かりを頼りに、亡き親友の娘であるセーラを探していたのです。

 

そしてついに、カリスフォード氏はセーラを見つけました。実はダイヤモンド鉱山の事業は成功しており、カリスフォード氏が全財産を保有していたのです。しかし、カリスフォード氏は独身であり、跡継ぎもいないことから、亡き親友の娘・セーラに全財産を譲り渡そうと考えていたのです。

最後、セーラはミンチン女子学院を離れて、カリスフォード氏のお屋敷で幸せに暮らすことになった…というハッピーエンドの結末で終わっています。

 

 

逆境に負けず、気高さを失わずに生きていくことの大切さを伝えているこの本ですが、私が感じたのは「人はそう簡単に天涯孤独にならない」ことと「どんなときでも必ず『味方』と呼べる人がついている」ことです。

生徒から学院の下働きにまで身を落としてしまい、満足な食事や衣服も与えられないような生活を送っていたら、心が荒んでしまうに違いありません。しかしそれでもセーラは他人に対する礼儀や思いやりを忘れませんでした。これが、セーラが常に抱いていた「プリンセスの心」だと思います。

最後、ミス・アメリア(ミス・ミンチンの妹)が、「あの子(セーラ)は常に『小さな公女』のように振る舞っていたわ…」と言っていましたが、まさにこれがこの物語の主題ですね。原題も「A Little Princess」ですから。

 

「小公女」というと「児童書」のイメージが強いですが、本当に良い本というのは子供向け、一般向けなんて関係ないんだな、と強く感じました。26歳の私でも人目をはばからず泣いた本です。

特にカリスフォード氏がセーラを見つける場面は号泣でした。「セーラ、頑張れ!」「セーラ、負けるな!」と応援している自分がいました。

 

子どもの頃に読んだ人も多いでしょうが、改めて完訳版で読んでみると、子どものときになかった発見があるかもしれませんよ。