体の3分の1以上を失うと、生命に危険が及ぶといわれている皮膚のお話です。

 

体をおおう皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の三層からできています。

内側にある基底層では絶え間なく新しい細胞が作られ、成長しながら上に移動し、やがて細胞はとなります。

人種や個人によって違う皮膚の色は、基底層に含まれる細胞が持つメラニン色素によって決まります。

 

 

五つの感覚

真皮には汗腺、皮脂腺、毛細血管、神経細胞などがあります

そして、温覚、冷覚、圧覚、痛覚、触覚の五つの感覚を感知する、点状の受容器がはたらいています。

それぞれ、温度に温覚、冷覚が感知し、圧力の強弱に圧覚、痛みが痛覚、物が触れた時の手触りが触覚でそれぞれ感知します。

五つの受容器は指先など集中している場所と、背中などの少ないところがあります。

難しくなりすぎるので紹介だけにしますが、下の表がそれぞれの受容器の名称と全身にある感覚点の総数です。

 

 

角質器(表皮が角化変形したもの=毛や爪)

①    毛髪

体を保護し、体温を保温する働きがある毛髪は、毎日成長し続けています。

成長が止まると死んで抜け落ちます。

成長を三つに分けると、

活動期は毛髪の根元にある毛母基(もうぼき)で細胞分裂を繰り返し、毛が成長します。

退行期は毛母基で細胞分裂ができなくなり、毛の成長が止まります。

休止期は古い毛が抜け毛母基で新しい毛が誕生します。

 

 

毛のサイクルは場所によって違いがあります。

毛髪の成長は真皮内で行われているので、例えばひげや髪をそっても成長は止まりません。

毛髪は1か月に約1.2cm伸び、約3~4年生き続けます。

 

②    

爪はかたいために、骨の一部のように思えますが、実は皮膚の一部です。

皮膚の表面にある死んだ皮膚の細胞が集まった角質層が厚くなったもので、ケラチンというたんぱく質の一種からできています。

死んだ細胞なので、爪を切っても痛みを感じないわけです。

 

 

爪の役割は指先を保護し、さらに指を支えて物をつかみやすくしたり、細かい作業ができるようにするなどです。

私たちの皮膚は常に新陳代謝を繰り返し、内側でどんどん新しい細胞が作られ、それが上へ上へと押し上げられるため、

爪も一日に約0.1mmほど伸びており、だいたい3か月から半年ほどで生え変わる計算になります。

 

深部感覚

皮膚感覚とは別に、目を閉じていても、腕や足の状態がどのようになっているのかがわかるのは、深部感覚があるからです。

この感覚は広義の平衡感覚に入り、姿勢や体の部位の位置関係、運動状態、体に加わる重量や抵抗・振動を感じます。

中枢神経は、これらの情報に対して姿勢や運動の調整を末梢に指令します。

その意味で、この感覚は運動をスムーズにする感覚ともいえますが、比較的順応が遅く、刺激がある間は感覚をキャッチし続けます。

 

このように、皮膚は体内と外部の様々な刺激から守ってくれているのですね!

運動と栄養のバランスを保ちながら、丈夫な体を維持していきたいですね!