膀胱ってどのくらい尿を溜められるの?とかなぜ女性は膀胱炎になりやすいのかといった身近な疑問を取り上げていきます。
腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱に入ります。
膀胱は尿を一時的に溜めておく貯水池です。
膀胱の内部は粘膜でおおわれていて、膀胱に尿がないときは縮んでいますが、尿は溜まると袋のように膨らみます。
膀胱の壁は通常は約1cmですが尿が溜まると3cmぐらいまで伸びて薄くなります。尿が200~300㎖ほど溜まるとトイレに行きたくなります。
健康な大人で一日約5~8回の排尿があります。
男性の尿路
男性の尿路は女性よりも構造が複雑です。
尿路は20~30cmの長さがあり、尿を排泄するのと、射精時の精液の通り道でもあります。
膀胱を出ると栗の実ぐらいの大きさの前立腺があります。
前立腺には精漿を作る精嚢と精管がつながっています。
そして、前立腺の先に尿道球腺(クーパー腺)があります。
尿道球腺はアルカリ性の粘液を分泌し、尿道を潤す働きをします。
これは生殖に関しても大事な働きをします。
女性の尿路
女性の尿路は、男性に比べて短く、約4cmです。男性と違い構造も尿を排泄するだけのシンプルな働きをします。
形も真っすぐで幅が広くできています。
尿道の途中に内括約筋と外括約筋があります。
膀胱に尿が溜まると括約筋を緩めて尿を排泄します。
女性の尿路は短いので尿道口から細菌が入りやすく、細菌感染症などの病気にかかりやすいといえます。
尿の後始末は、清潔にするように注意しましょう。
どこまでトイレを我慢できるか?
腎臓で作られた尿が膀胱に送られ、200~300㎖ぐらいになると、尿意を感じ、膀胱括約筋は自律神経のはたらきで収縮し、膀胱の内圧が高まりますが、この時点ではまだ排尿には至りません。
というのは、尿道にある尿道括約筋は私たちの脳の中にある排尿中枢でコントロールできるものだからです。
この仕組みがなければ、尿意を感じたとたん排尿、という状態になってしまい、非常に大変です。
膀胱括約筋と尿道括約筋の二つの筋肉がゆるむことで、初めて排尿することができるのです。
尿意を感じた時に、排尿できる環境になければ、自分の意志で尿道括約筋を閉めたままにするようにコントロールし、トイレに行く、ということになります。
しかし、意志でコントロールできるといってもやはり限界があります。
排尿を我慢できる限界は、個人差もありますが、600~800㎖というところでしょう。
我慢したり、出したりと、膀胱の周りにも中枢神経からの指令や筋肉の細かな動きでコントロールできるんですね!
体の不思議はまだまだ奥が深いようですね。