今日は、尿についてまだまだ知らないトリビアを学んでいきたいと思います。

 

 

就寝中にトイレが遠くなるのはなぜ?

健康な成人なら、昼間4~6時間ごとにトイレに行きます。

ところが夜眠っているときには、8時間ぐらい行かなくても大丈夫です。

これは夜眠っている間に分泌される抗利尿ホルモンによるもの。

抗利尿ホルモンの分泌は昼間は少ないのですが、夜眠っているときにだけ盛んに分泌され、そのおかげで尿は凝縮され、尿量が少なくて済みます。

抗利尿ホルモンは、生後6か月過ぎに昼と夜の睡眠、覚醒のリズムが整うころから徐々に分泌されるようになり、一般的には4~5歳くらいまでには、大人と同じように夜間、排尿しなくても済むようになります。

しかし、抗利尿ホルモンの分泌には個人差があり、4~5歳を過ぎても、夜尿を繰り返す子がいますが、これは抗利尿ホルモンが、まだ正常に分泌されていない場合があります。

また、夜尿があるからと夜、排尿のために起こす習慣をつけると、抗利尿ホルモンの正常な分泌のパターンが狂い、膀胱も大きくならず、逆に夜尿を長引かせる結果になってしまいます。

 

トイレが近い人は何が原因?

健康な成人であれば、多少個人差がありますが、4~6時間に一回程度の排尿で、一日に5~8回くらいトイレに行くというのが平均的な回数でしょう。

 

 

ところが、一日にトイレに10回以上行くとなると、かなりトイレが近く、何らかの異常が考えられることがあります。

トイレが近いと一口に言っても尿の量が極端に多くて排尿の回数が多い場合と、一回の尿量は少ないのに、たびたびトイレに行きたくなる(頻尿)とに分けることができます。

尿の量が多い場合には、糖尿病や尿崩症、腎臓疾患などの病気が考えられます。

一方尿の量は多くないのに、トイレにしょっちゅう行きたくなる頻尿の場合、膀胱や前立腺、尿道などに炎症や結石、腫瘍など泌尿器系の病気が原因として一番多く考えられます。

そのほか、心因性の頻尿もあり、これは夜眠っているときはトイレに起きないことが一つの判断基準となります。

そのほか、脳梗塞脳出血などの中枢性疾患でも頻尿が起こることがあります。

 

尿の検査で何がわかる?

体の中の余分な水分とともに、老廃物を排泄するのが尿の目的です。

 

 

尿を調べることで、本来混じってはいけない成分が混じっていないか、逆に排泄しなければならないものがきちんと排泄されているかなどをチェックでき、体の機能が正常に働いているかどうかということがわかります。

尿検査には、尿の量や比重、PHを見たり、たんぱく質や糖、ビリルビン、ウロビリノーゲン、細菌などが混じっていないか、沈殿物を見る尿沈渣等の検査があります。

尿機能でわかる病気には、腎炎やネフローゼ症候群、腎腫瘍などの腎疾患、尿路結石、尿路感染症など尿路の疾患、糖尿病などの代謝障害、肝機能障害、心不全、血液凝固異常などがあります。

 

腎臓の代わりに血液をろ過する人工透析

腎臓は体内の血液のろ過装置です。

腎炎などで腎臓の機能が落ち、ほとんど働かなくなると、体の中に尿から排泄すべき老廃物が溜まっていき、ついには尿毒症となって命にかかわります。

そこで、考えられたのが人工透析です。

これは腎臓の血液ろ過の肩代わりをする装置、いわば人工腎臓です。

ただし、人口腎臓といっても、お腹の中に機械を埋め込むわけではありません。

現在最も一般的に行われているのは、血液透析といって、患者さんの腕から血液を取り出し、それを透析用の機械を通してろ過し、余分な水分を取り除いて血液をまた体内に戻す方法です。

 

 

透析装置のある病院に週数回通って、一回に数時間かけて透析を行います。

また、このほかCAPD(腹膜透析)といって、お腹の中に減菌透析液を入れ、腹膜を通して余分な老廃物や水分を取り除く方法も行われています。

これは病院に行かなくても自宅や会社などで自分でできる方法ですが、一日に4回ほど自分でお腹の中の減菌透析液を交換する必要があります。

腎臓は血液のろ過以外に血圧の調整をしたり、ホルモンを作る仕事もしていますが、現在の人工透析ではろ過の役割ではろ過の役割しかできないところに限界があります。

 

立派な医療機器を使っても腎臓の機能の一部しか同じ働きができないのですね。

腎臓をはじめとした臓器のおかげで元気に生活できている!

ありがたいですね。