障がい者への過去のいじめのインタビュー記事が

なんだか話題になっているミュージシャン。





当時の記事を読みました。

今回の謝罪文も読み、

その上で思った事を書きます。







私が障害児童、生徒の学校医をしていることは

長い読者のみなさんは知っていますよね。

じつはね、もう15年以上担当しているのです。






耳が聞こえない、話せない

歩けない、立てない

知能の遅れがある


指が3本しかない

頭の形が普通とは違う



いろいろな病気を持った子たちがいます。








ある女の子は生まれつき顔の形に奇形があり

両方のほっぺたに穴が空いていました。

クルーゾン症候群という疾患でした。



医学を何も知らない人が見たら、悪気はなくても一瞬びっくりしてしまうと思います。

それはしかたないかもしれません。



でも私は医師として彼女が大好きでした。

いつもニコニコ笑ってこちらを見る様子はとてもかわいくて、

クラスメイトの精神発達遅滞の男の子とは兄妹のように仲良しで、

手を繋いで座っている姿は本当に美しかったのです。



偏見や悪意すら持つことができない精神状態の子たちは、まるで天使です。

ご両親のご苦労は重々承知していますけど、それでも私はあの子たちをかわいいと思います。





何年もの校医の経験のなかで、児童生徒が成長し、

卒業し、

仕事に就いたと知らせを受ければ、それは嬉しく感じました。

と同時に

「大丈夫かな、がんばれるかな?」

と不安にもなりました。

彼らを取り巻く環境は決して容易いものではないと知っているからです。

離職率も高いし、ドロップアウトしていく子もたくさん見てきたからです。





聴力のない彼らには聴こえないけれど、私なりに

「がんばれ」

と声をかけ続けてきました。








障がい者を笑い者にする価値観、

いじめて面白がる品性、

これはおそらく変わることがない人間性だと思います。




「ごめんなさい、過去の自分が間違っていました」

と謝罪することは大事です。



でも

あの子たちを本心でかわいいと思える感覚は

きっと死ぬまでわからないと思うのです。




善悪の問題というより、根底の価値観かな。

音楽の才能の有無ともまったく次元の違う話。









だからこそ、あえて言わせてもらいたい。












てめーには、一生わかんねぇよ。