約2000人が走り、上位1000人が秋の日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)に優先的にエントリーできる。
3月30日の金比羅尾根調整ランですっかり花粉にやられ、涙目、鼻水、喉のイガイガ、顔周囲の皮膚のヒリヒリとまぁ酷い。
武蔵五日市駅までは電車で数駅ですが、今日は少しでも花粉を浴びないように車で行く事にしました。
6時40分頃駐車場着。
帽子、サングラス、鼻にワセリン、花粉避けスプレーをかけ、マスクをしてスタート地点へ。
水1.5リットル以上、行動食、レインウェア、山岳保険をチェックされます。
例年以上にしっかりとチェックされました。
ま、いいことですね。
自分は試走でもレースでも1.5リットルは不要なのですが、ルールなので背負います。
ゼッケンとチップを付け、荷物を預け、トイレに行き、スタート地点へ。
スタート40分前ですが、すでにスタートエリアには沢山の選手。
目標タイムごとに並ぶようになってはいますが、どうにもならないくらいの人。
昨年はコース短縮でスタート位置よくわからない感じでしたが、一昨年は30分前で4時間の所に並べたのですが、年々早並びがエスカレートしているみたい。
係の人より、既に沢山並んでしまっているので、目標タイムの位置には並べないので、列の最後尾に並ぶよう言われる。
5時間の位置より更に後ろ。
今回はサブフォー狙いなんだけど仕方ない。
だいたい4時間が300位くらいになるので、サブフォーと300位より前でゴールする事を目標にしています。
立ち入り禁止テープをくぐって、立ち入り禁止エリアからすり抜けて前に向かう奴等多数。
1人が行くと、真似て何十人も行く。
山岳レースでマナーが悪い奴等は正直ムカつきます。
山に入って周囲やルールを気にしない自己本位な行動を取ることは、他者を危険にさらすことを分かってないんだろうな。
万が一も起こさないように最新の注意を払うのが山、そんな意識すらないんだろう。
皆がやってるからいいという何とも稚拙な発想。
山を愛し、山へ入る者はモラリストであって欲しい。
いったい何十人が、いや百人くらいはいたかな、立ち入り禁止エリアから前のスタート位置に割り込んできます。
そもそも皆、本当に4時間でゴールできるのかよと疑いたくなるいでたちの連中も多い。
スタート10分前になりようやく係の人が、テープの外に出ないようにと呼びかけてるようになる。
気温は高いので、防寒に着ていたレインウェアは脱いでザックへ。
早くも涙が流れています。
近くにいた人が、「後ろより前の方が人が多いな。」と言っていた。
自分は背が低いので前後の人数は分からない。
2000人が走り、このスタート位置だと1000番目より後ろになるのかな。
本戦含め、能力を過大評価しと並ぶ人たちには苛立ってしまいます。
「横入りした奴全員抜いてやる。」
という思い(もちろん不可能ですか)でスタートします。
号砲に合わせて自身の時計でも計測開始。
スタート地点通過が1分6秒。
まだ、集団ののんびり走、自分のペースでは走れない。
今は我慢、登りになればいくらでも勝負出来る。
最初の1kmは5分39秒。
4分台で入りたかったけど仕方ない。
檜原街道に出る。
コーンで道が仕切られている。
こんなに狭かったかなぁというくらい幅が狭い。
のろのろ走が続く。
コーンの外側を走る選手も多数。
これだけ狭くて詰まると気持ちも分からなくは無いが、マナーが悪い。
次の1kmが5分14秒。
登りの少ないこのエリアで5分台は遅すぎる。
しかし、何かできるわけでは無い。
コース幅が広がり、本格的な登りとなる沢戸橋を渡るまでは眠っていよう。
心を落ち着かせ、のろのろペースに合わせる。
沢戸橋を渡り、登り道へ。
選手のペースが一気に落ちる。
道が広くなるので、自分はスイッチオン。
ようやく4分台のペースになる。
登りで4分台だと少し早すぎるけど、それまでが遅かったので、行けるとこまで行こう。
既に歩いている人がいる。
皆が急ブレーキをかけたり、避けたりしなくてはいけない。
たまたま体調が悪かったなら仕方ないけど、意図的に実力以上に前に並んだのだとしたらはっきり言って迷惑だ。
ゆっくり走る選手を一気に抜いて行く。
自分同様に、ここでスイッチ入れた選手も何人かおり、その人たちとは抜きつ抜かれつ、ゆっくりの選手はどんどんと抜いて行く。
たまにフラットになると、抜けない。
登りになると一気に抜ける。
まだまだ登りは弱いと思っているが、この感じだとやはり自分は登りが強いのかな。
なんて思う。
暑い。
水分をこまめにとる。
斜度は徐々に上がるが7kmまではキロ5分前後を保てている。
今年は富士登山競走もあるので、とにかく登りは踏ん張る。
とはいえ再来週にフルマラソンをもう一本走るので、攣らない程度に、ダメージを残さない程度に。
8kmからがキツイ。
歩き出す選手が何人もいる。
戦略的に行けるところまで飛ばし、あとは歩いてトレイルに入るのだろう。
その先は歩いている人が居ない。
だいぶレベルの高い選手のエリアまで来れたのだろう。
みんな強いなぁ。
自分も耐えないと。
トレイル入り口までの最後の数百メートルは激坂。
さすがに歩く選手が出てくる。
自分は歩くのとそれほど変わらないのろのろ走りで耐える。
52分でトレイルの入り口へ。
出だしの遅れはあったが、登りはうまく走れた。
1分程度の渋滞でトレイルへ。
その間にしっかり息を整える。
しっかり息を吐く。
列になっているので、前の選手に付いていく。
登りの入り口では少し渋滞がある。
その間に息を整える。
ひたすら繰り返されるアップダウンはなかやかキツイ。
列になっているので、なんとか我慢できる。
この辺は抜くこともあれば抜かれることもある。
ただ皆さん、周囲を見ながら譲り合っている。
このレベルの人たちだと、マナーがいいひとが多い。
市道山分岐。
ここを2時間かからずに通過できれば、最低限(1000位以内)はクリアだろうと思っている。
時計は確認しなかったが、余裕だったはず。
このあたりからばらけてくるので、自分のペースで行ける。
抜いたり抜かれたりしながら醍醐丸方面へ。
抜く方が少し多いかな。
ふくらはぎに少し違和感が出てきたので、マグネシウム入りのジェルを補給。
登りは皆さんキツそう。
勿論自分もキツイ。
平地は走り、登りは歩く。
醍醐丸への登山道から分岐し下る。
トレイルのそれなりに斜度のある下り。
飛ばしたいけど、足が不安。
選手間の間隔が詰まっているので前の選手に付いていく。
舗装路手前は更に急。
ずるっといかないように気をつけて。
舗装路へ出る。
2時間10分くらいだったか。
試走ではここから2時間かからないくらいだったと記憶している。
サブフォーいけるかな?
舗装路の長い長い下り。
それなりに疲労感があり、飛ばすとまでは行かないが、ブレーキをかけぬようストライドを広げて下る。
1キロ4分台となる。
腹痛が出る。
下りで息を整えながら走っていたつもりなのに…。
次の1kmは5分。
この下りで5分かかってしまうとは…。
そして標高が下がったからか、暑い。
水分を取るが、げっぷと共に戻しちゃいそうな感じな襲われる。
呼吸と力まないことに意識を向ける。
抜く人より抜かれる人の数の方が多い。
みんな速いなぁ。
こんな強い人たちと一緒に走れるのはレースならでは。
付かせてもらおう。
抜いていった選手にくらいつく。
ペースは4分台に戻る。
試走の時に声をかけてくださった高齢女性が、軒下に腰掛けて、また応援してくれていた。
下り切ると登り。
この舗装路の登りも、ゆっくりでいいから走り続けよう。
歩く選手がそれなりにいるが、自分は耐えます。
が、ゆっくり走りなので、前を歩く選手になかなか追いつけない。
まぁいい、走ることに意義がある。
少しずつ選手を捕らえていく。
が、左ふくらはぎと大腿が攣りそうな感じが出てくる。
ポケットに入れていた芍薬甘草湯を取り出す…。
あれ?
チャックが引っかかり上手く開かない。
開いたら開いたで、キャラメルも同じポケットに入れており、手を突っ込んでもぞもぞ。
その間もゆっくり走っていたので辛さを紛らわせられたのは結果おーらい。
追いかけて、背中を見ながら走っていた選手はその間にだいぶ前に行ってしまった。
トレイルに入る。
おそらくここの登りが一番急だろう。
斜度があるのでつま先で蹴るとずるっといく。
膝に手を当て一歩一歩慎重に。
やばいな、足パンパンだ。
頭がぼ〜っとする。
身体に明らかに熱が篭っている。
暑いから、熱中症っぽくなってきちゃったようだ。
稜線に出る。
風が吹いてきて火照った身体を冷やしてくれる。
足もキツイので風を受けながらペースを落とす。
2時間56分。
足が持てば、ここからは1時間かからない。
サブフォーいけるかなぁ。
分岐の先は下りだからそこまでは、無理せずゆっくり歩く。
分岐を右へ。
ここからは下り基調でたまに登りもある。
下りも飛ばすとコケそうなのでゆっくり走る。
前後の選手も同じくらいのペース。
皆、己と戦っている。
登りはもう走れない。
下りとフラットは走る。
嫌な怠さが出てきた。
すぐ飲めるように装備している、水とクエン酸飲料は飲みたく無くなってしまった。
入れないと脱水する。
ザックに経口補水液を入れてある。
第2関門の入山峠まで行ったら、経口補水液へ移し替えよう。
入山峠。
一度ザックを下ろし経口補水液を飲む。
普段は不味く感じるが、不思議なもので脱水していると美味く感じる。
今日はとても美味しく感じる。
ゴクゴク飲み、残りはすぐに取り出せるポケットへ。
まとまって選手が通り過ぎ、その後続く選手が途切れたタイミングで最後のトレイルへ。
ここから今熊山の石段までは、それほど大きなアップダウンは無い。
ここを走らないとサブフォーは逃げていくかもしれない。
経口補水液が吸収されてきたのか、怠さと頭ぼ〜が少なくなる。
よしよし。
足は重いけど走れる。
疲れた時ほど慎重に。
コケたり攣ったりしたら、再来週のマラソンが走れなくなるかもしれない。
今熊神社奥宮への石段を登る。
最後の登りだ。
踏ん張ります。
ここからは下り。
慎重に走ります。
徐々に斜度は小さくなる。
緩い下りはペースアップ。
変電所前の舗装路まで出た。
確か3時間45分くらい。
あと少し、サブフォーが見えてきた。
再びトレイルへ。
ここのトレイルは短い。
林道へ出る。
走り降りる。
廣徳寺を通過。
最後は舗装路でゴールまで。
攣らない程度にペースアップ。
そしてゴール。
3時間53分台。
感想記念のTシャツとのらぼうを貰い、完走証を発行してもらう。
どきどき、果たして順位は?
よし、時間も順位もいい結果でした。
足も攣らなかったし。
駐車場まで春の花を眺めながらのんびり歩きます。
途中、農家のお婆様に声をかけられ、朝採れ野菜を購入。
のらぼう、菜花を買ったら、「今日最初のお客さんだから頑張り賞」と葉玉ねぎをおまけしてくれました。
これで200円。
ちょうど桜は満開。
スタート位置と割り込みのマナーの悪さは毎年の事になってしまっていますが、地元近いし、普段から慣れ親しんだ山でのレースなのでやはり楽しい。
秋の本戦、山やの大運動会も楽しみたいです。