第25回日本山岳耐久レース(ハセツネcup)③第二関門から第三関門まで | ふむふむのブログ

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旅と山、参加したスポーツイベントなどについてだらだらと綴ります。
2013年から区切り打ちで始めた歩き遍路に関しては必ず綴るようにしています。
備忘録として、だらだら長く書いてしまうことが多いですが、お読みいただけると嬉しいです!

月夜見第二駐車場を出発。
時計は9時間を過ぎていた。
10分以上休んでしまった。

ここからは、歩いたり走ったりした回数の多いエリア。
だいたいの時間計ができる。

ざっくりではあるが、自分のペースだと、
ここから大ダワまで2時間弱。
大ダワから大岳山まで1時間。
大岳山から御岳山まで1時間弱。
御岳山からゴールまで2時間弱。

普通に行ければ15時間は切れそうだ。
しかし、長い休憩を取ってしまうと時間的に厳しくなるので気をつけよう。
一方で、ここから大幅にペースを上げることは厳しいだろうから、14時間切りは絶望的だろう。

大ダワで日付が代わり(11時間)、大岳山で12時間くらいになるだろう。

雨でぬるっとした道を下ります。
滑りながら進みます。

その後は比較的フラットな道。

霧が濃くなる。
前回の試走の時もそうだった。
やはりこのエリアは霧が濃くなる。

ここから御前山手前の惣岳山まではほぼ直線。
分岐箇所も小河内峠だけだったはず。
トレイルを見失わずに進めば大丈夫。

前回の試走では足元を見るのが精一杯の濃霧だったから、まだ今回の方がましだ。
数m先が見える。

今年からコース上は旗で示すとアナウンスされていたが、その旗はかなり小さい。
この霧だと確認することが難しい。
コースを知らない選手は不安だろうな。
知っていても不安なのだから。

選手の間隔がばらけ、先の方にぼんやりとヘッデンの明かりが見える程度。

疲労と濃霧のおかげで、かろうじて走れる程度。
霧のある区間はゆっくり走で耐えるしかないな。

小河内峠を通過。

この先は滑落注意の痩せ尾根。
注意喚起の案内が出ていますが、この霧では見落としてしまうだろう。
と思ったら、ちゃんと係りの方がおり、気をつけてくださいと案内してくれていた。
ハンドランプでしっかり足元を確認しながら進む。

痩せ尾根を抜けると登り。
少し斜度が出てくる。
ペースを落とさず登る。

嘔気が出てくる。
胃のムカムカが出始め、げっぷが出る。
筋力、体力的にはまだ行けそうだが、消化器は厳しいか。

ここは無理せず行くか。
ペースを落とし、歩いて登る。

後ろには付かず離れずのランプの明かりが見える。
自分の明かりが目印になっているのかな。
ペースを落としたから先を行くかと思ったが、変わらぬ距離。

前方には動かない明かりがある。
近づいていくと

「道、合ってますよね?」
と訪ねられる。
「合ってます。この先は登りで、2回ほど急登を登って御前山山頂のはずです」
と教える。
「ありがとうございます」
と、その選手は快調な足取りで登っていく。
自分の後ろに居た方は自分を追い抜き、先程の選手の後を追っていった。

次第に急登となる。
ペースを落としたので胃のムカムカは治る。
ジェルなら胃が受け付けてくれそうだ。
思ったより抵抗なくジェルは胃に収まる。

少しだけペースを上げる。

坂の途中で息を切らせ立ち止まる選手、道脇に座り込んだり、横になっている選手もチラホラ。

一度斜度が緩くなる。
軽く走ってみる。
さっきより内臓の嫌な感じはない。
大丈夫そうだ。

そしてまた急登。

惣岳山を過ぎる。
遊歩道のような杭にロープを張った道になるり、道はわかりやすくなる。

御前山までもう少しだ。
ここを登りきれば、あと大きな登りは大岳山だけだ。

後ろを二人組が話しながら登ってくる。
話しながら登れる余力があり羨ましい。

御前山着。
休まず行く。

後ろの二人組も休まず自分の後ろにつく。
ここから大ダワまでは下り基調。
なかなか急な下り。

下りを耐えられる足はまだ残っている。
ポールは二本まとめて持ち、たまに付く程度で降りる。
後ろの二人組とは一定の距離を保ったまま。

大ダワというくらいだから、かなり下った鞍部なんだろう。
だからきっとこの急坂を降れば大ダワなんだろう。
そう思うと痛い目を食らう。

小さな登り返しが度々ある。
登り返しながら下っていかなくてはならない。
鞘口山の登り返しを過ぎ、更にいくつかの登り返しに耐えつつ、標高は徐々に下がって行く。
疲れてきているので小さな登り返しが肉体的も精神的にもキツイ。

車道と明かりが見えた。
大ダワ着。
49.7km地点。
時間は11時間1分

トイレがあるので並ぶ。
5人待ちくらい。
ジェルを補給して出発。

ここから大岳山までは、しばらくは緩い登りで最後が岩が多い急登となる。
急登になるまでをペースダウン無しで行きたい。

霧は若干薄くなる。
ヘッドランプを点けてみたがまだ乱反射する。
今まで通り、腹のランプとハンドランプで行く。

それにしても、ずっとハンドランプを持っているせいで、ほとんど両手でポールを付いていないなぁ…。
1本だけ持ってきても良かったかも。

速歩きから小走りくらいのペースで行く。
歩いている選手をパスしていく。
しかし、斜度があるところはキツイので歩く。

道に岩が多くなってきた。
雨は変わらずパラパラと降っており、岩が滑る。

疲れてきているので慎重に。
斜度がキツくなってきた。
山頂が近づいてきている証拠だ。

立ち止まりポールを畳む。
大岳山山頂手前ではポールを畳むと決めていた。
持ったままでも登れなくはない。
しかし、この先の登りと、その後の下りはやはりしっかりと手をついて登り下りした方が安全だ。

休憩時間と割り切り、ポールを畳み、ザックに取り付ける。

その間に4名に抜かれる。

登り始める。
少し足を止めたおかげで足はスムーズに出てくれる。
すぐに先程抜かれた4人をパスする。

更に何名かをパスする。
岩登りは他の人より得意のようだ。

ハンドランプをずっと使っているので山頂で電池を変えた方がいいかな。
と思う。

山頂が見えてきた。
声援も聞こえる。

11時間59分で大岳山着。
面白いくらいに予定通り。
ザックを下ろし、小休憩。
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係りの人が
「お疲れ様。明るいハンドランプね」
と声をかけてくれた。

まだ明るく照らしてくれているようだ。
電池交換は無しで行こう。

ジェルを補給し、ドライマンゴーを食べる。
ドライマンゴーは食べきってしまった。
ここまできてまだ食べられていればもう安心だ。

係りの人が
「ちょうど12時間ですよ」
とアナウンスした。
「水場は2kmちょっと先にありますから、そこまで頑張って」
と。
選手何名かが、水場を位置を確認している。
係りの人は
「水が勢いよく流れてるし、音もするから分かるわよ。今日は渋滞してるかもね」と。
自分は何十回と歩いたり走ったりしている場所なので、あの水場は見落としようがないことが分かっている。
一方で、水を補充するかが悩みどころだ。
水分は約1リットル残っている。
この時間でも汗が出るくらい暑いので、安全第一で補充することにしよう。

出発。
岩場の急な下り。
雨で滑る。
ここでコケれば大怪我必至。
手もしっかり使い、慎重に降りる。

大岳神社を過ぎ、岩場の下りはもう少し続く。

55kmポイントを過ぎる。

ここからは岩場は無くなる。

霧は薄くなった。
ヘッドランプを点けてみる。
乱反射は少ない。

よし。
ハンドランプはザックにしまう。
ヘッドランプと腹のランプで行く。
ようやく両手がフリーになる。
ポールを出す。
久しぶりに両手に一本ずつポールをしっかりと持って走る。
ようやくのダブルストック、走る為に使おう。

走る。
緩い下りが続き、その後短いつづら折りの下り。
水場はもうすぐ。
補充すると決めたので気兼ね無く水分補給する。

水場に到着。
10名ほどの選手がいる。
ザックを下ろしハイドレーションバッグを引き抜く。
先に並んでいる二人が組み終わるのを待ち、自分もハイドロバッグにたっぷり補充、その中にクエン酸のパウダーを入れる。
これでゴールまで全く心配せずに行ける。

ハイドレーションバッグをザックセット。
が、味の付いていない水が飲みたくなり、空のソフトフラスクにもう一度水を組み、飲む。

さぁ、出発。

少し行くと今年新しく出来たトイレがある。
待ちは無い。
御岳山、日の出山にもトイレはあるが、今寄っておけば、ゴールまでは心配ないだろう。
トイレを済ませて出発。

この先の休憩は日の出山山頂だけにしよう。

ダブルストックで走る。
緩い登りを走り、歩いている選手をパスしていく。

ガスが晴れており木々の間から東京の夜景が見える。
キラキラと美しい。
夜が明ける前にゴールできそうだ。

声援が聞こえる。
第三関門の御岳山長尾平だ。
12時間55分。
休憩無しで通過する。

489位(この時点では順位を把握していないが、第二関門から67位上げられた)