骨壺の発見
深夜、常連が集うめしやで、ストリッパーのマリリンが骨壺を発見します。店のマスターは、持ち主が現れるのを期待していましたが、誰も現れませんでした。そのため、骨壺はしばらく店の2階に保管されることになりました。
たまこの悩み
常連客のたまこに骨壺の話をすると、彼女は自身が愛人であった過去を思い出し、落ち込みます。パトロンの葬儀にも出席できず、遺産も口約束だったと嘆くのでした。
骨壺の届け出
マスターは客の勧めもあり、骨壺を近所の交番に届けます。巡査の小暮は、骨壺をわざと置き去りにする人が多いと話し、無記名の骨壺が多いことを聞いたマスターは複雑な思いを抱えます。
西田一との出会い
最近、店に訪れるようになった若者の西田一は、ナポリタンを通じてマスターと仲良くなります。西田一は妖艶なたまこに魅了され、同棲を始めます。店でも親密な様子を見せていましたが、しばらくするとたまこが西田一を捨てたという噂が流れます。
遺産と噂
たまこに遺産が入ったことで、西田一を捨てたのだという噂が広まりました。そんな話をしていると、たまこが現れ、「大金が入ったからおごるわよ」と言いますが、常連客は不快感を示します。たまこは店を去り、歌舞伎町の店で集金をして回るのでした。腱鞘炎と骨壺の引き取り
マスターは右手の指に腱鞘炎を起こし、警察署に預けてあった骨壺を引き取りました。
栗山みちるの登場
ネットカフェに泊まっていた栗山みちるは、ついにお金が底をつき、空腹のあまり「めしや」にたどり着きました。隣の客と同じとろろご飯を注文したみちるでしたが、マスターは彼女の空腹を見かねて、先にきんぴらごぼうとご飯を出しました。
みちるの食い逃げと働き始め
マスターの腱鞘炎が悪化し手際が悪くなっている隙に、みちるは食い逃げをしました。しかし、すぐに後悔し、謝りに来ます。「食い逃げした代金分、働かせてください」と頼むみちるをマスターは一度断りますが、彼女の手際の良さに感心し、腱鞘炎が治るまでの間だけ雇うことにしました。みちるは店の2階に住み、すぐに店の人気者となり、近くの店の子と仲良くなります。
マスターの腱鞘炎の治療
マリリンの彼氏で整骨院のキミトシがマスターの治療を行い、腱鞘炎が良くなり始めました。みちるは「1週間だけ時間をください」と頼みました。
みちると長谷川
みちるを騙して預金通帳を盗んだ長谷川が店にやってきます。またみちるから金を奪おうとする長谷川に、みちると巡査の小暮はプロポーズの一芝居を打ちます。帰ろうとする長谷川にマスターはビールの代金を要求し、長谷川はしぶしぶ帰っていきました。
みちるの新しい仕事
このやりとりを見ていた常連客で老舗料亭の女将・千恵子がみちるに自分の店で働くように誘います。めしやで働く最後の日にみちるが注文したのはとろろご飯でした。
みちるの未来
千恵子の店で働くみちるに、故郷の新潟の祖母からハガキが届きます。唯一の家族からの便りに喜ぶみちるでした。サヤと杉田あけみの出会い
サヤが東日本大震災のボランティア活動を通じて仲良くなった杉田あけみという女性を「めしや」に連れてきました。
大石謙三の登場
福島から大石謙三があけみを訪ねてやってきます。謙三はあけみに恋しており、その気持ちを伝えに来たのです。しかし、あけみは純粋な気持ちでボランティアをしていたため、謙三の気持ちに答えることができませんでした。
謙三の執着と警察沙汰
謙三はその後もあけみに付きまとい、ついには警察沙汰になります。マスターが交番まで謙三を引き取りに行き、店でカレーを食べさせながら「あけみにカレーを教えたのだ」と話します。
あけみと謙三の話し合い
あけみは謙三と話し合い、自分の本心をぶつけました。謙三はあけみの気持ちを理解し、お揃いでつけていたミサンガを外しました。
骨壺の供養
めしやに置いてあった骨壺を寺に供養してもらうことになりました。店にふらりと現れた謙三が骨壺を開けると、中には土が入っていました。常連客たちは驚きましたが、謙三は津波で遺体が見つからなかった妻の骨壺に思い出の砂浜の砂を入れたことを話します。骨壺の主は、全てを忘れて生まれ変わりたかったのだと謙三は言いました。
骨壺の供養と別れ
骨壺は次の日に供養されました。謙三は福島に帰ることになり、見送ったあけみは「またボランティアに行ってもいいか」と話します。謙三は「待ってる人がたくさんいる」と笑顔で答えました。
骨壺の持ち主の現れ
めしやに骨壺の持ち主である女性、街子が現れました。骨壺は、彼女を捨てて愛人のもとに去った元夫のものでした。街子の息子がめしやに立ち寄り、骨壺を置いていきたいと話したため、店に残されていました。骨壺の中の土は、元夫が思い出として大切にしていた甲子園の土でした。
街子の訪問と帰り
街子は、骨壺の供養を頼んだ寺のことを尋ねると、情報を得てから帰っていきました。
冬の訪れとみちるの再来
季節が過ぎて冬になり、雪が降る中、久しぶりにみちるが店にやってきました。みちるは炊き合わせを作って持参し、みんなで食べてもらおうと思ったのです。みちるが持ってきた炊き合わせを皆でつつく中、みちるはとろろご飯を注文しました。
終わりの場面
みちるが再びとろろご飯を注文し、温かい雰囲気の中で映画は終わります。