*** 不幸 ***
有期雇用契約社員だけの現場。
いくらリーダーだ、SVだと言っても所詮はパートタイマーですよ。
優秀なリーダーもいれば、ちょっとクセあり過ぎというSVもいる。
会社の受注が増えればじっくり人選・教育できない場合もある。
ましてや当時はまだまだCCの隆盛期なので”どんどん搔き集めろ”と人を入れていた。
そりゃ、”はずれ”も出ます。
不幸なのはその”はずれ”が根性だけはあって、辞めないで長年会社にいた結果、新しく小規模のCC受注に成功した会社がそのチームのトップ管理者(SV)とした事だ。
ソフト会社の時に述べたように優秀なプログラマーが必ずしも優秀な管理者となるわけではない。
販促の電話を誰より一番多くかけようと、受電数が常に上位にいようと管理者の仕事とは全く別の次元のものである。
私がその会社に入った時の業務はアウトバウンド(架電)専門の業務だった。
自治体でもアウトバウンド(アウト)は結構あって一番わかりやすいのは税金の督促電話だろう
詳細は避けるが、それではない事だけは強調しておこう。
私はOPとして応募したのだが、面接時にリーダーとしてどうかと聞かれ、どっちでもいいと答えた。
で、結局2名のリーダーの一人として採用されたわけだ。
もう一人も新たに応募してきた同じ年代の人だった。
2名とも新人のリーダーで良いのか?と思ったのだが、結果それはそれで問題はなかった。
アウトは基本、”台本”通りに決まった文言を伝えれば良いだけだかんね。
そういえばアウトは初めてだな、オレ。
それでリーダーかよ(笑)
この業務は細かい契約も交わされていて、一日のOPは何人いなければいけないというのもその一つ。
そりゃアウトだもんな。
数多く架ければ架けるほど効果が期待できるので当たり前か。
でも、その人数が時に欠ける事があるのもCCの宿命。
子供が発熱したり、親が倒れれば休まざるを得ないもんね。
その時はリーダーがOPになるというわけだ。
大体のCCがそうだが、電話を受けたり架けたりするのがOP、その時にわからない所が出てきたり、対応に困った時にフォローするのがリーダー、全体を見るのがSVというのが典型的な役割分担だ。
つまり、リーダーはOPが困った時に駆けつけられるようにスタンバイ状態なので架電することはない。
が、上記の”緊急時”のはOPとなって一日架電しなさいというわけだ。
この現場のアウトは単純明快なので”困った状態”はあまり起こらない事もあって、OPが欠けた時に
「じゃあ、今日は私がOPになってトップを目指す」
と志願してガンガン架電した事もあった。
それを良しとしていない人がいたわけだ。