*** PCと格闘 ***
そうこうする内、”データ処理”の仕事が増えるようになった私。
確かにソフト会社にいてコンピュータのキーボードを叩いていた。
コンサル会社でも調査結果を専用の機械(結構良いワープロシステム)を見た目難なく使えていた。
が、ソフト会社の時は所謂、大型汎用マシン(コンピュータ)というモノでシステムはPCとは似て非なるモノ。
全くの別物で、ただ自分の書いたプログラムをアルファベットで入力するだけのツールにしか過ぎず、単体でソフトを入れれば報告書を作成して印刷もすぐできたり、数字を入れれば自動的に四則演算してくれ、集計表ができたりしてというモノではないのだ。
コンサル会社でも他の社員があまりにキーボード拒否症なだけでキーボードを触るのに慣れていただけで、すらすらと使いこなすスキルではなかった。
履歴書を見てPCが使えると解釈するのは全くのお門違いというものだ。
「コンピュータ使えるんだよね」
と言われる度にこう説明していたほどPCに関しては初心者だ。
だからと言ってY社内に他に使える人がいるわけでもなかったので、”何でもチャレンジ”精神で「やらねばなるまい」とそれはそれは勉強した。
自費で本を買ってきてそれを見てはPCをパチパチやるの毎日が続いた。
幸い、企画部署なので資料を探しに行こうがPCと格闘しようが怒られる事ななかったのが幸いして何とか最低限のデータ処理はできるようになった。
既述の印刷業界のデータ化にもうまく適合できたのはこの経験があったからであり、ちょうど時代の流れに乗れたと言えよう。
これで履歴書に”PCを使ったデータ処理業務”というスキルを書くことができるようになる。
この頃になり会社に大分馴れた私は他の部署にも目が行くようになる。
でもってよく見ると他の部署でもPCを使っている事がわかった。
私の部署は既述のように専用ワープロシステムを使って企画書を作成していたのだが、他の部署はそれとは大きさの違う”ワープロ”を使っていてその機械はどの部署も同じものを使っていた。
企画書のすり合わせで他の部署に打合せに行った時に見るとそれがコンパクトサイズのデスクトップPCである事が判明した。
が、使用しているソフトはワープロソフト1つで全部署が同じソフトを使って企画書を作成していたのだ。
なるほど、PCを指して「ワープロ」というのも納得ですな(笑)
まあ、それで事足りているのであるから良いかと別に気に留めていなかった。
が、ある時、他の部署の社員が私が使っているPCを見て
「何でこんなに速いんですか!」
と聞いてきた。
ん?
何が早い?
「しかも何でフロッピー(ディスク)入れないで使えるんですか?」
そう。
彼らのPCは2つのフロッピー挿入口があって、上にシステムディスク、下にデータディスクを入れて使用する機械でハードディスクを内蔵してそこにシステムが入っている私のPCは魔法の機械に見えたのだった。
これが発端になり、私の仕事が増え、またY社のシステム化が大きく進展する事になる。