*** 売上げ目標 ***

 

派遣会社にいた頃、親会社であるソフト会社の中堅社員と飲み会で話した時に

「自分の(もらっている)給料分は最低でも働かないと…」

と言っていたのを覚えている。

なるほど、そうだよね。!

じゃないと会社に利益は残らず潰れちゃうもんね。

よく考えたら、ソフト会社も派遣会社も社員が一人あたり月いくらで”売り”に出されていたのが実情。

例えば自分がプログラマーとしてその開発現場に行くとしたら私みたいに途中で投げ出すのではなく、最低でも欠勤することなしで開発終了まで働かなければいけない。

最悪抜けるにしても締め日までいて引き継ぎがあればちゃんとしてから去っていくのが礼儀だ。

確か入社3~4年生だったと思うが、ちゃんとそうした自覚を持っていて、「会社のため」と言いつつそうした数字は全く意識した事がなかった私の心に響いた。

現在に置き換えてよくやるコールセンターの仕事もほとんどの場合、一日何人体制で行うという契約がなされている事が多く、それが一人でも欠けるのは基本NGだ。プンプン

それを元に管理者、オペレーターを集めて運用するわけだが、仮に一日100人体制で100万円の契約だったら一人1万円という単純計算はできる。

要は日給1万円で雇われているという意識が必要。

その分は働かなくていけないので休んだり、遅刻・早退はできないという理屈だ。

まあ、実際はそんな単純な話ではないが、要はそうした”売上げ目標”意識を持って働くべきだという事である。

メーカーの工場でベルトコンベアをなるべく止めないようにするというのと同じだ。

ライン部門の人間の基本中の基本だと思う。

 

Y社にも当然”売上げ目標”はある。真顔

営業は自分の給料の3倍となる仕事を取れと言われていたらしい。

これも単純計算だが、ある仕事が決まった場合、実際に企画、運営をする業務部門(旅行、イベント、商品)が携わるわけなので、営業分(自分の給与)+業務分(担当の給与)+会社分(純利)というわけだ。

では企画職である私は業務部門に入るか?

提案する企画書の前書きは必ず入れるし、会議には必ず参加して知恵を出しているのだが、それが売上となって数字に加味されていたかは知らない(管理者になっていないのでウシシ)。

 

が、それとは別に”売上げ目標”になる業務が私の部門にはあった。

印刷物作成である。本

旅行(報奨旅行)には”旅のしおり”が、イベント(表彰式)には”式次第”が、商品キャンペーンには”カタログ”が付き物である。

その印刷物作成を担当するのが、私のいた部署でその担当が私なのだ。

今までは部署のトップが兼任していたので大変だろうと人員追加となり私が採用されたわけで、当初はこのボスから引き継ぎを受けた。

現在はPCでチャチャっと作成し、なんとかパックで数十部でもできる印刷物だが、当時はPCすら普及していない時代。鉛筆

デザイン会社でデザインし、製版会社で版下まで作ってもらい、印刷会社でガッチャンと印刷、製本会社で完成してもらうのが普通の工程。

最もデジタル化が遅れている業態と言われていた。

そんな業態も私がY社にいる間に急速にデジタル化が進み、デザイン会社がPC(マッキントッシュが多い)で版下データまで作成し、それを印刷会社で取り込み、版下を作り印刷機にかけ完成してしまうまでになって行く。

それでも印刷物作成は結構時間と費用はそこそこかかる時代だったので数字として出す事ができたわけだ。

これで私もコンサル会社に続き”数字を持つ”事になったわけだ。

それなりに”目標”という名のノルマが部署に課せられていたようだが、私は一度も意識した事がない。

ボスが会議でも言わなかったからだ。

(言ったけど頭に入らなかったのかも知れない笑い泣き

こういう所が私がY社に長く在籍できた一番の理由である。OK