*** 憐れな結末 ***
ついに破綻したAグループ。
この3社、当然今はない。
まさに会社が潰れたのだが、最後は大変だったらしい。
エピソードの一つ二つ。
ある日、まだ社員がいる夕方の時間帯のAオフィス。
作業服を着た人々が3〜4人荒々しく入って来た。
たまたま出勤していて入口近くにいた社長が応対すると
「金を払え」
S2もオフィスにいたのだが彼らを見た途端、トイレに逃げ込んだらしい。
それで何某かの支払いをしていなかったのが発覚した。
S2は小金でさえ出し渋る傾向があり、催促ギリギリまで支払いしないのが常で、経理事務を手伝っていた頃、私が
「家計簿つけているんじゃないですから」
と言った事がある。
結局、彼らはその時は我が野球部のセット(バット、グローブ等)を持って帰ったらしい。
すでに辞めていた私はふと思い出して、自分のグローブ(私物)を取りに行った時に判明したというわけ。
社員の前でこれは衝撃的なインシデントだ。
究極は…
A社社員は全員プロパーで住居も範囲内で補助手当が出る事になっていた。
ある時にアパート一棟を買取ったか、借上げて社員寮とし、そこに入りたい社員は格安で利用していた。
よくある話ですな。
が、ローンだか賃料だかが払えなくなり、住んでいた社員がある夜に本当に追い出されたらしい。
後日、その中の1人が
「夜に荷物を持ってアパートを出た時に情けなくて涙が出ました」
本当に悲劇だ。
こうなってはもはや、手の尽くしようがない。
悲しくも憐れな結末となってしまった。
各社関係者のその後をまとめておこう。
まず、大元であるA社。
社長サイド、S1、S2は言うまでもなく一蓮托生。
彼等は総務、人事を丸投げしていたD氏を信頼していなかった。
最終的には社長サイドとD氏サイドと”派閥”が分かれてしまい、D氏は“派閥”メンバーを連れて別会社に行ってしまう。
B社。
私が去った後、B氏も早々に辞めて行った。
“作業員乗り込み”事件があった直後。
要は“穴を捲って逃げた”のだ。
彼らしい。
派遣スタッフはX氏がまとめてどこかに落ち着かせたとか、バラバラになったとかいろいろ言われている。
例によって秘密裏に動くので不明。
C社。
C女史は優秀なので何の問題なかったのだが、とにかくS2が忌嫌っていて“いびり出す”形で辞めて行った。
C女史はやはり社長が仕事先で知り合ってリクルートして来たのだが、女性だけに変な噂が立っていてそれが妻として気に入らなかったのが最大の原因だと思う。
C女史と飲んだ時に
「冗談じゃないわよ」
と大いに憤慨していた。
実は彼女、私と同じ歳。
若くして“部長”なのだからその能力が図り知れるというものだ。
その時に彼女の名言が生まれ、私の新たな仕事訓になる…
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団塊世代が日本をダメにする
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洒落で付けたこのシリーズ名。
こうして振り返ると本当に皆、香具師だったような気がする。
元締めにはなれなかったので仕掛人に刺される事はなかったがそれぞれが寅さんのように一人で気ままに商売するのが彼らにはベストだったのかも知れない。
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