*** 破綻 ***
知らない内に派遣スタッフ契約をされた私。
それにしても本人に確認する事なく派遣契約をして良いものか?
今の時代なら許されないが、当時は契約書なんて作ってないから法的には問題なかったようだが…
そんな事されて「はい、わかりました」と言う私ではない事は承知だったはずだが、今思えば辞めさせる手段だったのかも知れない。
当然、拒否。
この話を持ってきたD氏。
私と一緒に謝罪に行った時にクライアントに
「私も勝手されて困っているんですよ」
と言った時に
”ああ、この人もう完全に終わったな”
と思った。
謝りに行ってけじめをつけると同時に会社からも去った私。
最初にチラっと触れたが改めて述べると、この会社(グループ)は雨後の筍会社同様、団塊世代の“会社ごっこ”だったと思う。
仕事に必要な要素とは何か?
今はネットで言いたい・書きたい放題なので”〇原則”とか”〇個の心得”とかやたらめったらあるが、私は”知識、スキル、マインド”の3つだと教えられたし、そう心掛け、時折教えてもいる(偉そうに)
知識やスキルは初めからあるものではないし、努力次第で後々いくらでも付くものだから良いとして、マインド、今回では”覚悟”だと思うが、それだけは肝に銘じておかなければ会社なんて創ってはダメだ。
何らかの保険があって”ごっこ”でもその保険で補填できるなら良い。
つまり、失敗しても潰れない会社なら「ああ、やっちゃったね」だけで取返す機会はまだある。
が、会社自体なくなってしまったら自分たちの責任はともかく、社員の生活まで影響する。
社員を抱え込んだ以上彼らの生活まで考えないでどうするという話。
人生さえ左右する問題であるくらいの覚悟が彼らにあったのかというと答えはノーだ。
彼らの最優先事項は自分の利益。
S(1・2)、D、B、XそしてC(だけは団塊世代じゃないけど)それぞれが覚悟より自分の利益を第一に求めるが故にお互い牽制し合って破綻したというのがこの章の結末。
特にSサイドが結局、他人を1から信用する事ができなかったのが最大の敗因。
覚悟を決めたなら他人を信用するしかないのだ。
信用できないなら運営・人事すべて自分(達)でやらなくてはならない。
それを信用できない他人に仕事させておいて疑心暗鬼のままなら相手(D、B、X、C)も心置きなく仕事なんてできないのは当然だ。
要は経営者としての資質がなかったのだ。
S2が顔を合わせる度に
「Bは大丈夫?」
と私に情報を求めていたのではねぇ。
なら、Bなんて最初から会社に入れなきゃ良いじゃん。
少なくとも派遣会社なのだから、うまくいっていたCの下として入れてCに任せていれば堅調に続いたはずだ。
どこにあったのかは知らないが、金のなる木だけで経営者として成功するほど世の中甘くはなかった。